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My Favorite Best Album〜太田裕美『HIROMIC WORLD』

 太田裕美さんといえば長いキャリアの持ち主なんですけど、意外な位にライヴ・アルバムは少ないんですねー。
この『HIROMIC WORLD』は1984年発売なんですが、デビュー10年目にして帯の惹句にある通り(?)今のところ「最初で最後のライヴ・アルバム」といえる存在です。
まー、正確にいうと、25周年記念のボックス・セットにライヴ・アンソロジーが入ってますし、会場もしくは通販限定でライヴ・アルバムが存在していますが、オフィシャルな形で発売されたのはこのアルバムだけなんですよ、意外でしょ。
じゃ、行ってみよー。

・太田裕美『HIROMIC WORLD FIRST LIVE ALBUM』(DQCL 1619/ソニーミュージック)

 このアルバム、紙ジャケット盤出ていたっけ?と思った方がいるんじゃないかな?
説明しますと、品番でおわかりの通り、ソニーオーダーメイドファクトリーから太田さんのアルバムがボックス化された時のものが、某通販サイトでバラ売りされていたのを購入したということですね。
なので初CD化(2001年)のものとはリマスタリング違いで音質が向上しているのと、帯や歌詞カードがアナログ盤を忠実に再現しているのが違いです。
引き続き、行ってみよー。

・太田裕美『HIROMIC WORLD FIRST LIVE ALBUM』(SRCL 5093/ソニーミュージック)

 こちらの歌詞カードは横長の折り畳み式ですが、フルカラーなので、オリジナルに近い形で再現されているのが嬉しいところですね。
文字の大きさという点でもオリジナル版を縮小した形ではないので、読みやすくなってます。これはありがたい。

 アルバムの演奏はあっぱれーず。
ドラムスが矢壁アツノブさん、ベースは岡野ハジメさん、キーボードはホッピー神山さん。この御三方はPINKからの参加です。
もう一人のキーボードが斎藤タカフミさん、ギターは高田弘太郎さんという編成です。
この時期のスタジオ・レコーディングのアレンジャーが大村雅朗さんでしたから、大村さんがレコーディングにPINKのメンバーを起用した流れにあるんでしょうね。
勿論、PINKのマネージメントを渡辺音楽出版系列のNON STOPだったこともあるのでしょうが。

 ちなみにこのライヴは当時ビデオでも発売されていて、CDの曲は「ランドリー」(元々はくじらのレパートリーで、彼らのファースト・アルバム『Tamago』収録曲)以外全ての曲と「青い実の瞳」、「九月の雨」、「さらばシベリア鉄道」、「葉桜のハイウェイ」、「袋小路」が収録されています。
1984年発売ということで、ビデオのみならずレーザーディスクでも発売されましたが、残念なことに未DVD化です。
とにかく矢壁さんと岡野さんのリズム・セクションが強力ですねー。
PINKファンの方は要チェックですよ。
1980年代中頃の日本のポップス、ロックの流れを掴むのにはバッチリかと。
そして、この時期の作品を多く作詞している山元みき子さんとは、後の銀色夏生さんというのも、非常に興味深いところですね。
太田裕美さん始め、その周辺の方々(板倉文さん、杉林恭雄さんなど)のソングライターとしての充実ぶりも素晴らしいところです。

 このライヴ、CDでもDVDでもいいから再発してほしいな。勿論、スタジオ録音の作品集も。

 ではまたー。

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