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獲物の分け前〜相倉久人「日本ロック学入門」

 新潮文庫は割と日本のロック関連本が出てまして、古本の゙検索は新潮文庫ですると割とお安く入手することができたりします。
まー、これはそうしてヒットしたわけではなかったりしますが。

 さて、左ぬか相倉久人さんといえば、大瀧詠一さんの「分母分子論」の聴き手という印象が私にとっては強い方なのです。
この本が出たのは1986年(昭和61年)12月の新潮文庫の新刊にはあの「ムーンライダーズ詩集」があったんですよ、ビックリなことに。

・1986年12月の新潮文庫の新刊案内

 これによると「ムーンライダーズ詩集」のオリジナルは360円だったんですねー。安かったんだ。
ちなみにこの「日本ロック学入門」は400円でしたから、本の厚さと内容がつまっている感じからすると、これまた安いというかお買い得ですね。

 この本では相倉さんと色々なミュージシャンが対談してまして、登場順に挙げますと、加藤和彦さん、宇崎竜童さん、細野晴臣さん、井上陽水さん、松任谷由実さん、坂本龍一さん、桑田佳祐さん、佐野元春さん、大沢誉志幸さん、(有頂天)ケラさんというなかなかの顔ぶれです。

 個人的に印象に残ったのは加藤和彦さんのインタビューで「インディーズの元祖」と定義付けたり、所謂「ヨーロッパ三部作」について触れている部分がとにかく興味深いですね。
1986年に発売された本ですから、インディーズ・ブームの中で出たことになりますから。
「帰ってきたヨッパライ」というか、アルバム『ハレンチ』はインディーズというより、自主制作盤のスタートと呼べる存在なのは間違いないところですね。

 加藤和彦さんで始まったインタビューの締めがケラさんだという意味の深さには驚愕する次第です。
そして、佐野元春さんの揺るがなさにも感動しましたね。

 発売されてから40年近く経って入手できたこの本のコンディションの素晴らしさと、帯と新潮カセットブック(!)のチラシなど、付属品もあって、送料込みでほぼ定価で入手できたのは嬉しいことでした。感謝。

 ではまたー。

  



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