獲物の分け前~NOBODY『NIGHT WALKER』編。
昨年末に発売されて非常に好評だったらしいNOBODYのTDKレコード時代のアルバムの再発、第2弾がリリースされました。
予約がちょっと遅れてしまいまして、店頭引き取りになってしまいタワーレコード新潟店まで行ってきましたよ。
その経緯みたいなものを予告編として書きましたので、リンクを貼っておきます。
タワーレコード限定で予約が集中してしまうと、こうして店頭引き取り分しか入荷しないことがあるようです。
次回こそは通販予約できるように早めに動かなければと反省中ですよ。。
じゃ、アルバムについて行ってみよー。
・NOBODY『NIGHT WALKER』(WQCQ-872/ワーナーミュージック タワーレコード)
このアルバムは1984年10月21日にオリジナルが発売されました。リアルタイムではCDは発売されずに、翌年1985年4月21日に『LIVE ワン!』と同時リリースされたのでした。
ちなみにTDKレコード自体のCD化はアーティストによって、全く状況が違いまして、設立時に所属していたブレッド&バターの(TDK時代のカタログが)初CD化は1995年ですし、徳丸純子さんは2016年(しかもレコード盤がマスターという)ですからね。。
これは販売権の移動が複数回あったことが要因なのか、当時のマルチトラックはもちろんマスターテープが紛失した状況の模様です(ちなみにNOBODYやブレッド&バターはアーティストもしくは音楽出版の権利を持っている所がマスターを所有していたようですね)。。
NOBODYがソングライター・チームとして注目された最大の要因は、吉川晃司さんのデビュー曲「モニカ」(1984年2月発売)と2曲目の「サヨナラは八月のララバイ」(1984年6月発売)のヒットだと思います。
もちろん、それ以前にアン・ルイスさんや山本達彦さん、HOUND DOGに書いた曲はスマッシュ・ヒットしていましたが、NOBODYの存在が注目されるほどではなかった印象ですね。
吉川さんがデビューしてブレイクしたことがNOBODYが注目された一番のきっかけだったと思います。
吉川晃司さんブレイク前のNOBODYのアルバム『NOBODY』と『POP GEAR』はソングライター・チームによるアルバムというより、ニュー・グループ(バンド)による作品と私は捉えていましたね。
そもそもNOBODYに注目するきっかけは山本達彦さんのアルバム『I LOVE YOU SO』で半分くらいの楽曲の実質的プロデュースをしていたからでした。
なので、アルバム『NOBODY』とシングル「MY ROAD SHOW」はリアルタイムで購入しました。
特に「MY ROAD SHOW」の楽曲、演奏にショックを受けて、NOBODYは私にとって重要なアーティストになったわけです。
ブリティッシュ・ビートをニュー・ウェイヴ風に仕上げるという意味で梅林茂さん、奈良俊博さんに羽山伸也さんによるEXと近いとは思いましたが、EXは加藤和彦さんプロデュースということもあってか、NOBODYと比べるとキッチュだったりもう少しひねった印象がありました。
あと、メンバーにドラマーがいるかいないかはかなり重要で、リン・ドラムのスピード感がNOBODYを心の中で上位に置いた要因でしたね。
『NOBODY』と『POP GEAR』が大好きだったので、正直(ドラマーがいる)『LIVE ワン!』の印象は普通じゃん、と肯定的なものじゃなかったんです。
それに『NIGHT WALKER』は割と『NOBODY』と『POP GEAR』とは違って、バンドというかグループのアルバムじゃなく思えたんですよね。
バラエティに富んでいる部分がちょっと苦手に思ったりして。
今回、ニュー・ミックスで聴いてみたら、よりソングライター・チームのアルバムになっているし、楽曲によってサウンド面もバラエティに富んでいるのがよりわかります。
シティポップという視点から見たら、圧倒的にこのミックスは正解ですね。
『NOBODY』と『POP GEAR』のリミックスはミュージシャン側がオリジナル・ミックスを古いというか、本意に沿わない部分が強くなってしまうのはなんとなく理解できます。
そして、聴く側の音楽環境が変わりすぎたので、それに合わせる意味もあるはずです。
それでもオリジナルの中にはオリジナルでしかないストロング・ポイントもあるよなとリスナーとして思うのも事実です。
『NIGHT WALKER』はその点、上手く問題がクリアされているように思いました。
まー、アルバムに対する思い入れが薄い分、そう思えるのかもしれませんが。
この辺についてはNOBODYの再発が完結してから、まとめてみたいです。
それと今回の再発は山田順一さんによるメンバーの相沢行夫さんと木原敏雄さんへのメール・インタビューが最高ですよ。
ボーナス・トラックの選択や山田さんによる解説含めて、今回再発されたことは素晴らしいと実感してます。
好きなアーティストの再発はこうであってほしいですね。明日もNOBODYの再発シリーズの報告をします。お楽しみに。
ではまたー。