シェア
sugashi-kararine
2019年12月7日 09:11
これまで出来ていた事が 出来なくなった。走っていた距離を 歩くようになり今は歩く事さえ覚束ない。うんしょと持ち上げていたお米の袋も箱売り野菜の大バーゲンも抱える事さえ出来なくなった。動作を変える度に掛け声を掛け此処に何しに来たんだったっけと 記憶が勝手に飛んで行き間に合うと思う感覚も届くと思う距離感も敏感だった匂いも味もぼやけて漂う 陽炎の中。そんな自分を認
2018年11月26日 10:50
何の権利があって、当たり前の様な大きな顔をして言いたい放題したい放題の事が出来るのだろう。思いやりも無く好き嫌いを撒き散らし自分の殻に閉じこもりながら都合の良い時だけ、勝手な時だけ顔を出す。そんな私を親だからと言って家族だからと言って見放すことも無く未だに心配し気に掛け忘れないでいる。そんな親に未だに甘えて、そんな親を未だに頼りにしている。一人では何も出来ない私を未だ
2018年10月12日 11:11
初めてかも知れない。私からハグするなんて。手を離れ、一人で外に出て行く。母とは違う空を見上げ、風景に浸っていく。感じる事も、記憶する事も、母から離れてゆく。そうして久しいよね。こうして傍にいて、母と手を繋ぎ歩くのも、温かい縁側でお茶飲むのも。初めてだよね。私から。母の背中に手を回し、「こんなの 初めてかも・・・」と言ってみる。「そうか」と言っただけだった。「お母さ
2018年6月29日 09:17
母は必要とされていた。親からも兄姉からも、相談事も頼まれ事も何かと云うと電話が掛かってくる。根気よく話を聞き、自分の事のように一緒になって考えていた。最後にはそれぞれの看病に明け暮れ、親を送り 兄姉を送り 夫を見送った後元々寂しがりやの母は 一気に一人ぽっち感を募らせている。よくこれ程に面倒見れるんだ と思うくらい差し入れのお弁当を作り、洗濯物を請負い、買い物から 連絡から
2018年6月19日 08:14
母の手が作る料理は ふっくらと温かいレンジでチンしても 何か美味しく感じてしまう。「有り難いね 便利になって」 母は感謝する。「有り難いね 簡単になって」 と レトルトを温める。あまり感心できないよ と思えるけど家族6人分の家事を一手に引き受けかまどに火をつけ 薪を焚き付け お風呂を沸かし農作業を手伝い 内職もし・・・生きることに 生活することに精一杯だった。「皆 そうだっ