短編:【イメージで生きている】
「やっぱりここの桜キレイだね〜」
春の心地よい日差しの中、彼女は青い空を見上げながら嬉しげにつぶやいた。
「そお?」
僕はテンション低めの返答をしていた。
「桜キレイじゃない?」
「う〜ん、キレイ…なのかな?」
「色も形もキレイでしょ?」
「いや…桜って儚いからキレイなイメージがあるけれど、花単体で見たらそれほどキレイじゃないかも知れないなと思うことがあってね…」
「そうなの?」
「この季節に一瞬だけ華やかに咲きほこって散っていく…その後散った花びらは迷惑なゴミとなって、飛び