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プログラムを論理的に構築して100点を取れる人間はそれほどいない

はい、私も100点とれる自信はあまりありません。

ただ、100点取れるようこだわりたいと思っているし、仕事の中でこだわりながらやってる時間も無いから日頃からどのようにして構築すべきか設計の時点から常に考えるように徹底しています。

疎結合や再利用性などは特にそうです。

自分なりのデザインパターンとか考えておくのはとても好きです。

ですが、世の中広く見渡してみると、なかなかエンジニアやプログラマーと呼ばれる人々と会話してみるとあまり考えているように見受けられないシーンに出くわします。

そう。

QAとしてトラブルや炎上プロジェクト、あるいはレビューなどに関わった際に多く見かけるのです。

 「理解したつもりになっていたが...」

という反省あるいは反省文をよく見かけます。

実は、「理解しているかどうか?」については主観的な評価ではなく、客観的な評価を身につけておかなければなりません。でなければ、いざ実際にそれらを活用しなければならないとした時になって慌てることになるからです。

では、具体的にどうすれば客観的に評価ができるのでしょう。

答えは簡単です。

 「たとえ話を使って、他人に具体的説明ができるかどうか?」

です。聞いた内容、単語をそのままオウム返しのように表現するのは、"理解している"とは言いません。正確には"認知している"と言います。

もちろん何となくイメージは掴めているのかもしれませんが所詮何となくですし、そのイメージも間違っているかもしれないままです。

いわゆる「理解」「認知」の差。

実は、多くが思われる「理解」は、単なる「認知」で終わっていることが多々あります。

「理解」とは読んで字の如く「理(ことわり)を解する」という意味で、それはその本質的仕組みが分かっている時に使われます。

対して「認知」とは「その存在を認める」という意味で、表面上分かっていると言う時に使われます。

実は、こうした物事の捉え方ひとつ見ても、その意味は大きく異なってくるのです。

正しく理解できているかどうかを自身で客観的に評価するには、

 他人に説明できるか?
 説明できる文章が作れるか?

しかも、聞いた言葉をそのまま流用せず、自分の言葉で…ということが重要になります。

逆に言えば、これができればおおよそ完璧です。
確実に理解できていると言えるでしょう。
(たとえ話の内容が正しければ...の話ですが)

また、たとえ話で相手の知識レベルに合わせて説明できるスキルと言うのは講師としてもそうですが、なにより顧客へのプレゼンなどで幅広く応用できます。

なぜなら、そのスキルの根幹にあるものは

 「知らない人間に、わかるように説明する」

という一点において、同質のスキルを要することになるからです。

 ・自分の理解度を客観的に確認する
 ・プレゼンやスピーチなどのスキルアップ

といったメリットの多い手法なので、活用するといいでしょう。

逆に、自分が理解している(つもりになっている)ことを他人に説明する術を持たない人は、フロントでお客さま相手におこなう説明や表現が拙いことを意味します。

その意味で『新人教育』は、新人にとっても重要な場でありながら講師にとっても様々なスキルを向上させる非常に価値のある場となっているのです。

 人前で話す

というごく自然なスキルを、社内教育の一環で互いに磨きあうことと、いきなり取引先の前で玉砕覚悟の精神で特攻し信用失墜やクレームにつなげること。

どちらの方がより価値があるかはわかるかと思います。

人材育成に携わり、教育講師の場を経験し、「知らない人にわかるように説明するスキル」に熟達することは非常に意味のあることなのです。

人材育成を疎かにしてきた組織が今になって衰退し、後悔し、今から慌てて「育成!育成!」と叫んだところで時すでに遅しではないでしょうか。そもそも、それができる人材がいないし、育成してこなかったわけですから。

経営層や管理職層も含め、普段から偉そうにふんぞり返っているだけで部下を育成するスキルを持っていない人が多いことでしょう。少なくとも、私が過去に経験してきた企業ではそうでした。

そういった組織では、おそらく客観的に説明する姿勢を持っている人は少ないのではないでしょうか。すると、プログラミング1つとっても、設計1つとっても、とても他人に見せられるようなものとなっていないことが多かったりします。

ITエンジニアのみなさんのなかで、他人/他社が作ったソースコードの解析や調査をしたことがある人も多いことでしょう。そんなみなさんの中には、他人が作ったソースコードを見てストレスをため、愚痴を言ったりすることはなかったでしょうか。

案外、世の中はそんなレベルのソースコードが蔓延していたりするんですよね。

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