【中編】平成30年独裁政治をしてきたスーダン大統領が逮捕された日

2018/12/19 地方でデモ開始
2019/4/11 クーデターで大統領逮捕
6/3 100人以上の虐殺
6/30 通信遮断の中、最大規模のデモ
8/17 暫定軍事政権と暫定憲法に調印
8/21 暫定統治機構 最高評議会設置
11/28 （オマルバシールの息のかかった）
国民会議党NCPに解党を命ずる
女性の権利を著しく制限する法律廃止

なぜ温厚な国民性のスーダン人がデモを始めなければならなかったのか 前編↓

⚪︎30年続いた独裁政治に自分たちの行動で終止符を打ったスーダン人

デモが始まったが、国軍の武力によって押さえつけられてしまった、、

デモが大きくなる前に芽の内に潰すのがこの国のやり方である

そうして、デモが収束していく中、国民のために立ち上がったのがSPAである

SPA (Sudanese Professional Association)
とは医者、弁護士、政治家など頭の良い人が集まり、デモの指揮を執る集団

これまでスーダンでデモを行っても、武力によって押さえつけられたり、デモの目的が統一されていなかった状況であった

そこでSPAが軍にデモを止めさせないためにデモの場所を分散させ、デモの意思の統一化を図り、何の為にデモをするのか明確にした

国民もこの集団を認め、Facebook上で流れるSPAの指示の元、デモを行う風潮に

鎮静化していたデモがもう一度、息を吹き返した

約3ヶ月半ほぼ毎日どこかで続けるデモ
この機会に何としても良い政権にしたいという若者を中心にした熱い想い

しかし、3ヶ月半という長い期間続くも変わらない状況に道端では「まだやってるの？」と過去の事のように話す人もいた

あ、そうかすごいがんばってるけどやっぱり変われへんのかなとうっすら思っていた

しかし、4月6日。
この日から大きく状況が変わった

軍本部で座り込んでのデモが始まったのだ

なぜこの日なのか？
なぜ軍本部の前なのか？

この日は前政権をクーデターで後退させた記念すべき日

なので、前と同じようにこの日に大統領を後退させようとスーダン人の中で強い気持ちがあった

SPAは国軍を味方につけようと考えたのだ

なぜなら国軍はそもそも国民を守るべきものだと考えたからだ

なので、4月6日軍本部前で座り込みを始めた

この日から6日間、昼夜問わず軍本部前ではデモが続けられた
4月は最も暑く、40度を超える

想いを込めた国民の行動が少しづつ状況を変え始める

国軍の中でも若い世代を中心に、
徐々に味方になり始めたのだ

そして【4月11日】ついに、軍が味方となり
大統領逮捕へ踏み切ったのだ‼︎‼︎

この日、町中が喜びに満ち溢れた
自分たちの行動で成し遂げたのだ
苦しい生活を変えるために立ち上がったあの日から3ヶ月半という日々
この日の誇りに満ちた皆の顔は忘れられない

ただのボランティアできたよそものだが私も心から嬉しかった

しかし、全てがうまく行ったわけではなかった…

この日の午後、暫定軍事政権が
暫定的なトップを決め、
会見を開くことになっていた

皆が注目した会見

そこに現れたのはバシール大統領の息がかかった人だったのだ、、

国民の喜びは沈黙に変わった

こんなに喜びと悲しみの落差を感じた日は人生で初めてだった

午前中に車の積荷に乗って国旗を持って喜んでいた人は午後1人も見当たらなかった

スーダン人は暫定トップをもう一度落とす為に、40度を超える昼もデモを続けるのであった

【後編】に続きます