down the river 第一章 第三部〜The last one step〜
※本編を読まれる前に重要なお知らせです。
今回の第一章 第三部 The last one stepでは
LGBT、セクシャルマイノリティの方を差別、揶揄する表現が使用されています。
事実に基づき制作されていることと、その時代背景を再現する為にあえて表現方法を変更せずに、そのまま使用しています。LGBT、セクシャルマイノリティの方々を差別、揶揄することは著者の意向とは著しく異なります。不快に思われた方へこの場を借りてお詫び申し上げます。それでは本編をお楽しみください。
ユウは1人告別式が執り行われる式場の前で佇む。
昨晩なんと遺族からユウの家に連絡があり告別式が始まる前に1人で式場に来てほしいとのことだった。自分にとってやましい事が多過ぎるユウは当然眠ることなどできなかったが、こうして式場を前にすると不思議と気が落ち着くものである。
どうとでもなれという一種の開き直りの様なものなのかもしれない。
もうすぐ遺族が指定した時間となる。
『なぜ俺1人?殴られんのか?大切な娘をォぉ!って?知らねえよ。そしたら見してやるよ、ケツ丸出しにしてよ。お前の娘にやられたんだ!ってな。脅迫されてよ!ってね。』
両親はお礼や渡したいものがあるなどいう口実で自分を誘き出し、タコ殴りにでもするんだろうと勝手にストーリーを作り上げこの場所へ来た。
よくわからない覚悟をしたユウは鼻息を荒くして、遺族が出てくるのを待つ。
『寒っ。来いよ…俺は覚悟を決めたぜ?』
ニヤリとカッコつけているが、覚悟なんか決まっていない。ただの恐怖の裏返しにすぎない。
ガチャ、バタンと音が鳴る。
「フヒっ!」
ユウは鳴き損なった豚の様な声で悲鳴を上げた。
落ち窪んだ眼窩、涙が焼き付いたかの様な跡が残った頬、今にも倒れそうな顔色をした、亮子がそのまま中年男性になったと言ってもおかしくない父親であろう男性がユウに近づいてくる。
「ヒィっ!うわぁっ!」
ユウはたまらず、その男性の前で悲鳴を上げてしまった。
「新田くん。落ち着いてください。」
その男性は低い声を発すると早足で駆け寄ってくる。
「うわぁ!ひいああ!」
ユウはその姿を見て更に怯えてしまい遂にはしゃがみ込んでしまった。
「新田くん。ですね?」
ユウはしゃがみ込んだままビクリとする。
「私も今新田くんを気遣う余裕は正直ないんです。手短に話をしたいんで、ささっ中へ入って。寒いでしょう。」
「うぅ、すいっすいません。このた、この度はらら…」
「いいんですよ、そんな挨拶なんか。いいから中へ入って。風邪ひきますよ。」
昨晩、混乱した頭に無理矢理両親に詰め込まれた挨拶文は無駄になってしまったが、どうやらタコ殴りにされるわけではないということは理解できた。
中へ入ると葬儀場独特の雰囲気がユウを包み込んだ。
人がバタバタと動き、空調もあるのにも関わらず全く空気が動いていない。
あれ程生花が咲き誇っているのに全く華やかに見えない。
あれ程照明を照らしているのに全く明るく見えない。
死というものが非日常的である人間とっては異常な空間に見えてしまう。
『相変わらず不思議な雰囲気だよな。小学生ん時にじいちゃんの葬式来た時も思ったけどやっぱ独特だよね…』
式場の裏手にある控室の様な部屋へ通されると、その男性は手を椅子に伸ばすとユウを座る様に促した。
「私は阿高亮子の父です。まずは、新田くん、ありがとうございます。」
温かい緑茶を紙コップに入れると、亮子の父はユウの正面に置いた。
「え?」
ユウがポカンとしていると、亮子の父は続けた。
「娘の遺書の中に新田くんの名前があったんです。新田くんと出会って全てが変わったんだって、自分を傷付けずに済むようになったんだって。最近…痛みを…痛みを伴わなくても、生きている実感があるんだって、遺書には書いてありました。そんな亮子は…自分で腹を切り裂いて…しまって…新田くんに迷惑を…」
「腹を…切り…裂く…え、え?」
「ああすいません…死因など聞きたくないだろうけど、亮子の願いで死因も伝えてくれということだったので…」
「ムグッ!」
ユウは吐きそうになるのを手で押さえ、必死に耐える。
「大丈夫ですか!?」
亮子の父は布巾をもって駆け寄った。
「あ、いや、その、大丈夫です…すいません…」
「あと、これを…」
亮子の父は封筒に入った手紙を渡してきた。
新田優へ、と書いてある。
「必ず新田くんに渡してほしいとのことだったのでお渡しします。」
「わ、渡したいものって…。」
「はい、これです。」
「あの、本当に娘が、その、亡くなって大変な時に…その、その、すいませんでした…。」
ユウは慣れない言葉に舌を噛みそうになりながら、たどたどしく会話を続けた。
「いえ、亮子たっての願いだったので。すいません、あともう一つお願いが…。」
亮子の父は席を立つと、頭を下げた。
「娘の顔を見てやってくれませんか…」
「!?…」
「告別式では生徒達に亮子の顔を見せません。これも亮子の願いです。ですが、新田くんには必ず見せてほしいと…」
「は、…は、はい…わかり、ま、した。」
亮子の父は、ユウを連れて式場へ向かった。
小さい。亮子の父の背中は本当に小さい。身長もユウと変わらない程度だ。
その小さな背中を見つめて歩いていると、心臓の鼓動が激しくなる。吐き気というほどでもないが何かが出てきそうな感覚に陥った。
指先から熱源が消えていくのを感じた時、式場に到着した。
華やかだが暗い生花達、明るいが暗い照明が、雰囲気をより荘厳なものに引き立てている。
その中央、中段に笑顔の亮子の写真が鎮座している。
目が無くなってしまうかと思うほど笑っている。
これほどの笑顔はユウも見たことがない。
ユウは息が止まりそうになってしまった。
「さあ…新田くん、こちらへ。」
「あ、う、その、…」
亮子の父の目つきがギンと変わる。
それは威圧とも、威嚇とも取れる目つきだ。
「さあ…。」
「ひ、ヒィ、は、はい!」
『やばい、怒ってんのか?なんでだよ。亮子さま…
俺達の関係を話したのか?俺は亮子さまには手を出してないぞ。』
ユウは亮子の父に促され、というより、脅されて顔蓋の横に立つ。
亮子の父は何も話すことなく顔蓋を開けた。
「フヒィっ!」
ユウはその顔を見て悲鳴をあげた。
遺体…祖父のそれ以外見たことがないユウにとってあまりに衝撃的なシーンであった。
何かを言いたげな半開きの口に湿気は一切なく、藻が生えたかの様な緑色の肌、とてもあの亮子とは思えない。しかし、その形は間違いなく亮子そのものだ。ほんのわずかに開いた目が、ユウを睨んでいる様に見える。
「ハァハァ…うぅ、うわぁ…」
ユウの目から大量の涙が溢れ出る。
「ああぁ!うわぁ!」
遂にユウは棺桶に突っ伏してしまった。
『死んだ…亮子さまぁ…亮子さまが死んだ…本当だったんだ…死んだぁ!』
その時、ユウの耳元に亮子の父の口が近づき、その吐息を感じた。
「おい…お前…お前…ホモだったんだなァ…。なぁおいガキ…なんとか言えよ、ホモガキ…。」
ユウの血の気が一気に引いていく。
そしてその身体が痙攣かと思うほどに震えだす。
「そのまま聞けよ、ホモガキ。お前亮子の前で随分面白いことしたみたいじゃないか。あ?」
「なんで…それを?」
「ホモガキ、お前に渡した手紙…封筒を見てみろ。」
ユウはポケットにしまい込んだ封筒を取り出し、よく見てみると、封が切られている。
「う、ま、まさか…」
「まさか…じゃねえよ。ホモガキ。親なんだ。遺族だぞ?娘のものは洗いざらい見るに決まってんだろ?」
「あ、あ…あぁ…」
「そのまましてろホモガキ。バラされたくなかったらそのまま聞け。まず自分の親にはこのことを言うな。わかったか?」
「うぅ…。」
「返事しろ。」
「はい…」
「正直に答えろ。お前は亮子に手を出したのか?」
ユウは突っ伏したまま首を横に振った。
「亮子にひどいことをしたのか?」
「しない、するわけがない。亮子さま、亮子さんに祭の日に公園のトイレ裏でセックスしているのを見られてしまって脅迫されてたんです。」
「ホモセックスしてたんかよ。ガキのくせに。」
「…」
「まぁいい。亮子に免じて半殺しにすんのは勘弁してやる。その代わりお前告別式は出るな。」
「ええ?最後の別れですよ?」
「口答えすんなホモガキ。学校には俺から言っておいてやる。」
「は、は、はい…。」
「亮子が望んだことは以上だ。早く帰れホモガキ。」
「…」
「は〜や!く!っ!が〜えええれ〜やぁああ!」
亮子の父の目がクルリと白目をむくとユウの制服の襟を掴み引っ張り回した。
「うわぁ!ハイ!はいぃぃ!」
ユウは足を引っ掛けながらも全速力で走り、葬儀場の外に逃げ出た。
「う…なんだ?なんだ?ありゃあ…狂ってる…ハァハァ…ふ、ふざけやがって…」
再度ドアが開き、亮子の父が外へ出てきた。
「うわぁ!帰りますって!帰りますから!」
ユウは両手を顔の前に持ってきて、顔を隠す。
亮子の父はユウの右手首を乱暴に掴むと、顔を近づけてきた。
「おい、ホモガキ!このことは絶対言うんじゃねえぞ!?わかったか!?おい!ごらぁ!返事しろ!ホモガキぃ!」
「わかりました!返事しただろ!?離せ!離せよ!」
「おい!それとな!お前の家にも体調崩して帰ったと伝えといてやる!少し時間置いてから帰れ!おい!わかったか!ごらぁ!ホモガキ!わかったか!」
「く、クソ!わかったから離せ!離せ!手を離せ!」
・・・
ユウはトボトボと帰り道を歩いていた。
放心状態、魂が抜けた、色々な言い方があるだろうが、現在のユウはそれら全てに当てはまるほどの状態だ。
「煙草…煙草が吸いてえな…。」
ユウは少し回り道して帰ろうと考えた。缶コーヒーくらいは買える小銭は持っている。思考がまるで追いついていない。少しでも頭を冷やして帰ろうと思ったのだ。
「ここから…ここから崩壊が始まったんだな…。全て俺のせいか…。俺のせいなんだろな…。」
神社の横の公園に佇むユウは、缶コーヒーを片手に滑り台の影に向かった。
トイレ裏が1番目に付きづらいのだが、トイレの裏で缶コーヒーをすするのもどうかと思ったし、亮子の家も見える、そして今に至る全てのトリガーとなる出来事も行われた場所だ、今の心境ではとても立ち入ることができないと判断し、滑り台の影で煙草を吹かそうと考えたのだ。
シボッとヤスリライターの乾いた音が静寂に包まれた冬の公園に響き、その後パキュッと缶コーヒーを開ける音が凛とした空気を引き裂いた。
「ふうぅぃぃ…。」
ユウは煙草を吸いながら缶コーヒーをすする。
「おい、なんだ。あの父親はなんだありゃ。狂っちまったか…。あ!そうだ!手紙手紙!手紙だ!」
ユウは封が切られた封筒をポケットから取り出し、中身を確認した。
ピンク色の便箋が2つ折になり1枚だけ入ってた。
煙草を深く吸い込むと、震える手で便箋を開いた。
新田優へ
私はこれから最期の仕上げに入ろうと思う
優が見せてくれた男同士の熱いセックスを見て思ったんだ
人間てこんなにきれいになれるのかって
今まで一度も思ったことなかったんだけど私もきれいになりたいって思った
そう思って自分の身体をしっかりと隅々まで見たの
吐き気を覚えるくらい汚い身体してるんだ
私優にはなれない 優には敵わないって思った
優のお尻を切り刻んでも 血の化粧を優に施しても 醜く口紅を塗り込んでもね 優 あなたはきれいでかわいいままだった 男の身体をぶつけられたあなたは本当に美しかった
きれいになりたい 美しくなりたい
だから私ね 傷跡を削り落としたの せり上がった傷跡をさ 削り落としたの すんごい痛かったけど頑張ったわ
で 一通り削り落としたんで最期の仕上げをするってわけ
この汚い腹を切ってね 黒い血で化粧してきれいになって天に昇ろうと思う
優 私の顔を見てね きれいになったって嘘でもいいから一言だけ言って そしたら私は満足よ
お願いね新田優
阿高亮子より
句読点が無いことで実に機械的な文面に見える。
もう、死を見据えている様な語り口調だ。
ユウは缶コーヒーを飲み干すと煙草を吸い込んだ。
「は?」
煙を吐き出すとユウは1人、悪態をつき始めた。
「何言ってんの?まあまあ、綺麗とか美しいとか言われんのもよくわかんねえけどまぁそりゃいいや。尻を切るのとか恥ずかしい格好させられたとかみんなよくわかんねえお前の嫉妬でってこと?そんなんで俺は痛い、恥ずかしい、タカちゃんとも2人きりで会えない日が続いたのか?バカかこいつ。傷跡を削ぎ落とした?バカじゃねえの?で?なに?仕上げに腹を切る?なんの仕上げ?なあ?なんの仕上げ?血化粧?バカか?ハハハッ!アッハハハハ!で?嘘でもいいからきれいねって言ってって?おお、言ってやりてえけどお前のバカ親父が告別式来んなってよ!呪うならあのクソチビ親父を呪え!本当に…本当に親子揃ってバッッカな奴らだな!お前らは!アハハハ!!バカ過ぎるわ!ハハハ!」
ユウは煙草を消すと、勇み足で公園から出て行った。
「タカちゃんの言う通りだ。ラッキーだよ。死んでくれて…あ・り・が・と…お前が行くのは天じゃないよん。地獄だよん。タカちゃん達と酒でも飲んでパーティーだなパーティー!ハハハハハハ!」
チキチキ…ユウの耳の奥であの音が鳴り響く。
「なんだよ。脅してるつもり??だぁかぁらぁ、お前の親父を呪えって。あのチビ親父。連れてけよ。そっちに。」
ユウは勝ち誇った顔で歩いていると、例の嫌な視線を感じた。近い。限りなくこの視線の主は近くだ。
『誰だよ…せっかく晴々した気分だっつうのによ。』
その激情を携えた嫌な視線はズカズカとユウに近づいてくる。
『近い…!近いぞ!来る!来る!まずい!走ら…ッ』
後ろから抱きつく格好で拘束され、口を押さえられ、完全に動きと声を封じられた。
その力はとてつもなく強く、ユウが抵抗したところで状況の変化はまるで無い。
『だ、だ、誰だよ!』
「むぐぅおっ!」
ユウは必死に抗うが変化は無い。
ユウは強い恐怖で足が震え出し、涙が溢れ、口を押さえる手に滑り落ちる。
ユウはそのまま公園の近くの一軒家に連れ込まれてしまった。
・・・
ドカッと足の付け根に衝撃が走るとユウは、雨戸が閉められた真っ暗な部屋に倒れ込み、閉じ込められてしまった。残念ながら相手の顔は見えなかったが、なんとか脱出しようと閉められたドアを叩き続けた。
「おぉい!!開けろ!開けるんだ!おおい!」
『なんだ…なんだってんだ…こ、殺されるのか?』
「ドアから離れろ…」
しばらくドアを叩き続けていると、低い声がドアの外から聞こえた。
「離れたぞ。ところでお前誰だよ。」
ユウは震えながら声の主に反発した。
「お前?お前?先輩に向かってお前なんて言うのか。良い度胸だな。1年。あ?」
カチャっとドアが開くと見覚えのある顔が2つ横に並んでいた。
「え?」
ユウは思わず固まってしまった。
「友原…先輩?弓下先輩?え?なん…で?」
友原は部屋の照明をつけると、部屋の中に入ってきた。
「おい、新田くんだっけ?」
弓下が友原に続き部屋に入りながらユウに尋ねる。
「そ、うですけど…」
ユウが話し終える前に友原が被せてきた。
「新田くん、お前の趣味は知ってるんだ。」
「は?」
ユウの心臓が口から出そうなほどの鼓動を打ち始める。
「は?じゃねえよ。1年なのにヤリまくってるらしいじゃん?」
友原が何を言っているのかユウはすぐに理解した。
「誰から…聞いたんですか?」
「誰でもいいよ。新田くんにゃあ関係無いし。」
友原と弓下はドサッと腰を降ろすと、ユウを見上げた。なんとも嫌らしい目つきだ。
『この視線…こいつか…この野郎…!ふざけてやがる!!』
「とりあえず脱ごうか。全部。」
弓下がニヤニヤしながらユウに指示を出す。
「なんで…ですか。先輩達になんで裸を見せなきゃいけないんですか。」
ユウは睨み、見下ろし、反論した。しかしユウはわかっていた。何を言われるかも、結末、行き着く先も全て理解していたのだ。
「有田くんも好きだよねえ。こんな小デブとヤリまくりなんてさ。ね?新田くん。」
友原が追い打ちをかける。
「見たいなぁ。男子を虜にしちゃった身体。」
弓下が言うと、ユウは制服を脱ぎ始めた。
Tシャツとパンツ1枚になったところで友原が切り出した。
「全部知ってるから。俺ら。」
Tシャツに手をかけていたユウの動きが止まる。
「何を…ですかぁ!あ?ふざけんな!」
「でかい口叩いてねえで早く脱げよ。学校中に言っちまうぞ?有田くんと新田くんはホモセックスしてまぁす!って。」
友原はそう言うと、クックックと含み笑いをする。
「クソッ!」
ユウはTシャツを脱ごうとすると、豊満な胸にTシャツが引っかかりピタリと動きが止まる。
「おぉ。いいね。」
弓下がニヤつく。
ユウがそのままTシャツを上に引っこ抜くと、豊満な胸がプルンと揺れて露わになった。
「いいよ、新田くん。」
友原が冷やかすとユウの心に異変が起き始めた。
『あれ?恥ずかしいけど…なんか…気持ちいい…』
ユウはパンツを降ろすと、ガチガチに膨張して、腹につかんばかりにそそり立つ男性の象徴が現れた。
「な?弓下。こいつもう大好きなんだって。見てみろほら。」
「本当だ。こりゃ…すげえや。友原からいく?」
「ハハハッ!弓下!お前やりたかったんじゃねえの??」
「……よ…。」
「あ?なんだ新田くん。」
「ふ…た……よ…」
「ちゃんと喋れよ!新田!」
「2人できて。ちゃんと2人とも気持ちよくするよ?」
ユウは小首を傾げて「女」に変わったユウが舌なめずりをしている。
友原と弓下が顔を見合わせると2人は大笑いし始めた。
「よしよし、弓下、ユウちゃんこう言ってるしさ。」
「友原、いくか。ハハハッ!」
2人は服を脱ぎ始めた。
友原が全裸になり、ユウの身体を見つめた。
「ユウちゃん、かわいいじゃん。」
「ありがとうございます。早くきてよ。早く早く。」
ユウは完全に臨戦態勢だ。
友原に続いて、弓下も全裸になると友原と2人でユウを囲んだ。
友原がユウの肩に手をかけた。
「じゃあユウちゃん、2人でいただいちゃっていいかな?」
ユウは股間を突き出し、目を赤く輝かせて言い放った。
「2人とも…さあ…来てください。」
・・・
朝と夜は
最後の間違いを犯して
君はその大きな手を
上にあげるんだね
解析が追いつかないままで
わたしはその下に小さな手を
静かに置く
包まれた気がしていたけど
手を握ってくれただけだったんだ
波の様なうねりで
すべて掴んできたその手に
わたしも掴まれ
握り潰されたい
down the river 第一章〜完
※いつもありがとうございます。
無事に第一章三部作が終了しました。
第二章は11月30日からスタートします。
お暇な方はインスタグラムを是非覗いてみてください。
※未成年者の飲酒、喫煙は法律で禁止されています。
本作品内での飲酒、喫煙シーンはストーリー進行上必要な表現であり、未成年者の飲酒、喫煙を助長するものではありません。
今シリーズの扉画像は
yuu_intuition 氏に作成していただきました。熱く御礼申し上げます。
yuu_intuition 氏はInstagramに素晴らしい画像を投稿されております。
Instagramで@yuu_intuitionを検索して是非一度ご覧になってみてください。
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