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見込みファンの囲い込みはしていても、ファンへの育成ができていない

ここ最近気になることがあるので、企業や飲食店、アパレルなど業種問わず共通する点について書いてみます。

その前に、私の接客業について少し説明させてください。実家が宴会場を持っている仕出し屋で(継いでいたら4代目)、生まれた時からお客様の近くで育って来ました。
働ける年齢になってから、県知事や企業のトップが利用する高級和食レストランや料亭、喫茶店やゴルフ場、ドライブイン、北新地のラウンジ、デパートの催事(販売と出店共に)、関コレブース(出店と接客)など、とにかく接客とはきっても切れない人生でした。

さらに、リアルの店舗等での接客に加え、15年近くファンサイトの企画・運営、そしてお客様のメール対応、電話対応と、オンラインでの接客もがっつりやってきています。

そんな私が気になった事例から正しい対処法により、見込みファンがファンになるのか、また、離れていくのかという「ファン化」について考えてみます。

まず、見込みファンというのは、これからファンになってくれそうな人のことで、お店に行きたいと思っているけど、まだお店に行ったことがないお客様です。
友人からの口コミやSNSでの情報で、お店を認知し、興味を持っているという段階で、将来、お店のファンになってくれる可能性がある、お店にとって大切な未来のお客様です。

以前は、お店の認知をあげることは大変でしたが、SNSがある現代、やり方によっては認知をあげることはそう難しくありません。
同時に、「見込み客」をたくさん囲い込めます。

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では、このお客様をどうやったらファンにできると思いますか?
答えは来店時に満足していただくということです。

元々、お店に興味関心があるお客様なので、来店された時の商品、接客、雰囲気に満足していただいたらファンになります。

ですが、この「ファン」になってもらう育成部分が残念な事例がありました。事例をあげてみます。

■一言がないカフェ
以前からインスタで気になっていたお店がありました。
ずっと行きたくてアカウントもフォローしていたのですが、お店が駅から少し距離もあり、なかなか行く機会がなかったのです。それでも、時間を作ってお店へ行ってみたいと思ったんです。

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暑い中、駅から歩いて開店2分前に到着すると、お店のシャッターが閉まっています。今日はおやすみかな?と不安になりましたが、時間前だったので少し待っていると、開店時間の12時すぎにシャッターが開きました。

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よかった〜と思っていると、テーブルや看板を出したりして、お店の方が準備をはじめました。この時時間は12時を過ぎています。
そして、店の前で待っている、客だとわかる私を完全にスルーしています。
この時点で正直嫌な予感がしたんです。

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その後、お店に入り、目的のメニューを注文しました。
すると、「仕込みをするからまだない」という返答。
え?一番人気メニューなのに??と思いましたが、落ち着いて「どれくらい後ならできますか?」と聞くと「2時間位ですね」とぶっきらぼうな返答。
「わかりました。ありがとうございます」といって、お店を後にしました。

えっと・・・・インスタでもアップしてるし、メニューにも人気と書いてあるのに、開店のタイミングでないってどういうこと?
それなら、インスタに書いておくべきではない???
私は「わざわざ」お店に足を運んだんですよ。

この対応で、見込みファンだった私はアンチになります。

アンチというと言葉がきつくなりますが、ファンの反対の立場という意味で使います。

見込みファンだった私は「気になるお店があるの!」とそのお店のシェアなどをしていましたし、その時も友人を誘ってお店に訪問していました。が、アンチになった私は今後友人に「行かないほうがいい」と言います。そして、GoogleMapsのお気に入りリストから削除します。
SNSや口コミサイトに書くということはしませんが、感情をそのまま載せる人もいるでしょう。

では、どうしたらよかったんでしょうか?
そしてどこが問題だったんでしょうか?

開店時間が少し遅れた
店の前で待っていたのにスルーした
開店したのにメニューがない

この3つがポイントになるとは思いますが、お店の人の対応次第で私は見込みファンのまま、もしかしたらファンになったかもしれないとおもうんです。

開店時間→数分遅れたことでアンチになるのであればそれはお客様に問題があると思います。ただ、開店時間を調べて来店されているお客様に対して、「お待たせしました」の一言が言えないお店はダメです。

スルー→気づいていなかったんだと思いたいです(苦笑)でも、気づいていたと思いますので、気づいたのなら「お待ちいただいていますか?」と一言声かけてくだされば、暑い中待ったとしても悪い印象にはなりません。

メニューがない→インスタなどで告知があればベストですが、それがないですし、お客様が告知を全て見ている訳ではないと考えるとまずは「すみません」ですよね。看板メニューを楽しみに来ているお客様に対して一言がでない。これは致命的です。

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つまり今回は全ての場面でお店の方の「一言」がないことが残念だったし、「一言」があれば、「次回は確実に食べたいので、何時くらいに来たらいいですか?」と質問したと思うし、再訪すると思います。

お店にも都合がありますし開店が遅れることもあるでしょう。
お客様に気づかないこともあります。
メニューが間に合わないこともあります。
そこはお客様であっても文句をいう話ではないですが、お客様の期待を裏切ったことに対しての「一言」は接客の基本だと思います。

この一言で「ファン」になるか「アンチ」になるか分かれるのであれば、「一言」を伝えることがいかに重要なのかと思いますよね。

そして、このパターンの出来事を「トラブル」とした場合、このトラブルをうまく対応したお店は、そのお客様をファン化することにほぼ成功します。

過去に、お客様からたくさんのお叱りや、二度と商品を買わない!という厳しいお言葉をいただきました。
もちろん、こちらが悪い場合もありますが(その場合ひたすら謝る)、情報や会話の齟齬(そご)でお怒りになられる場合も少なくありません。

ただ、そんな時、お客様に「別に買わなくていいよ!来なくていいよ!」というのは簡単ですが、そのお客様は商品が好きで、その企業(お店)が好き(期待している)だから意見を言うことが多いんです。興味がない商品や企業(お店)にはそもそもクレームなど入れません。

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だからこそ、そういうお客様の声をしっかり聞いて、ただ謝るのではなく、非がある部分は認め、お客様の誤解や間違いは正す、しっかり説明をする。その結果、理解してくださった方は一番のファンになってくださいます。

1時間以上電話でお怒りのお客様が最後に、「話を聞いてくれてありがとう。うれしかったわ。これからも商品を愛用しますね」と言っていただいた時ほどうれしい事はありませんでした。

お客様にファンになっていただくことは簡単ではないですが、ファンになっていただいたら、お店や商品を応援してくれる一番頼もしいサポーターになってくださいます。

コロナで飲食店など厳しい状況になった時も、大好きなお店を応援したいと思ったし、その店に足を運んでいました。
そういうファンを持っているお店は強いんです。

お店にお客様が来てくださる事は当然ではありません。
商品を買ってくださることも当然ではありません。

今回記事に書いたのは、どの仕事でも共通する事だし、反面教師として意味があるなと思った出来事だったので書きました。
お店をはじめた時は、この経験を生かしたいと思うし、感謝は忘れてはいけないと思います。

今度は、最近気になる「文字でのお客様対応」について書こうと思います。
対面や電話とは違い、「文字」でのやりとりの注意点、また口コミへの対応について。

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