半年後、私は自分の心に「自信」と名付けた〈言葉の企画2020 最終回〉
12月12日の朝。
シャッターを閉めたrootsの机で、
阿部さんへのお手紙を認めていた。
肌身離さず持ち歩いていた招待状。
少しくしゃっとなってしまっている。
半年間、通いきれたことに安堵しながら、
最後の課題にしようと決めていた
「自分の心に名前を付けよう」
を前にして、一息ついた。
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今、私はどんな気持ちだろう。
思い返す。
よく晴れた午後。
まだ空席があれば申し込むと決めて
Twitterを開いた、はじまりの瞬間。
誰一人知らない100の名前の羅列に緊張が走った。
自己紹介の広告に迷走して、
押し入れをひっくり返して
人生を振り返ったこと。
震えながら書いた
「自信をつけたい」の文字。
届いた企画書たちの熱量。
圧倒的な力の差。
愛がぎっしり詰まった講義の言葉たち。
愉しくてたまらなかった。
夢中になった。
出会っていく。
知っていく。
企画生がどんどん色濃くなって、
会いたくて愛おしくなって。
知らなかった自分の一面も、
たくさん教えてもらった。
オンラインでも仲間になれて、
やっぱりチームが好きだと確認して。
自分の未来を企画したら、
全国から想いのこもった本が届いた。
いつのまにか、ここは
居場所でありホームになっていた。
だから。
”わたしがわたしになる”ための
壁を超えられた。
そして。
rootsに来てくれるみんなの相談に、
私自身の言葉で答えられている。
愛する人に会えなくなったはずの2020年。
今は、会いたい人で溢れていて。
ありがとう。ありがとう。
ありがとうございます。
仕事を失ってから半年後。
自分の足で、一歩一歩を踏み出している。
あがいて
夢中になって
たくさん泣いて
見たくないものから
逃げたときもあったけど
それでも言葉にしていたら。
たくさんの愛で包んでもらえて、
私のことも愛せるようになっていた。
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半年間、通いきった「言葉の企画2020」。
みんなと再会の乾杯をすることは叶わなかったけれど、
十分すぎるほどの愛をもらった12月12日の最終回。
オンライン参加した私たちへの気遣い、
不安なく当日過ごせるように
感染対策を頑張ってくれた仲間たち。
どんなに状況が変わっても変わっても、
諦めずに「待ち合わせ」をしたこと。
みんなのプレゼンには
「みんな」自身がいて。
筋肉痛になるくらい手を振った。
心が動くと涙が流れるという単純な私。
たくさん泣いた。
心が動く瞬間は、
想いと変化を感じるとき。
想いは、背景を知って深まる。
変化は、観察していないと気づかない。
その一言、その表情に、
走馬灯のように浮かぶ景色があった。
言葉にされているものはすべて読む。
最初に決めたことを
やってよかったなあと感じた時間。
間違いなく「自信」になった。
noteを今日まで書けなかったのは、
終わりにしたくないからだと分かっていた。
でも、今きちんと終わらせて次に進む。
ホームがあるから、アウェイに行ける。
一つのホームができた。
居場所をつくれた。
大変なことだらけだった2020年。
大晦日の今、十分だなあと
おもえていることがとても嬉しい。
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言葉の企画に参画しての変化を聞かれたとき、
私に「戻った」という感覚だと答えた。
好きなことを好きだと言えて、
たくさん感動して、
たくさん泣いてたくさん笑って、
言葉にして伝える。
時に、伝えながら泣いてしまう。
自分で好きだと言える私を
少しずつ取り戻した時間だった。
もう手放してしまおうとしていた私を
必死で必死で背伸びして掴んで。
阿部さんや平賀さん企画生や先輩たちに、
ずっと応援してもらってきたのだった。
怖かったこと、不安だったこと。
やってしまった…と胸がきゅっと痛むことも。
それら「すべて」の感情を
いつも言葉にできたのは、
言葉にする機会をもらっていたから。
「言葉の企画」という概念。
最後の最後に、
阿部さんが贈ってくださった言葉。
「言葉を企画する」という生き方は、
私にとって、感情「すべて」を大切にすること。
どれだけ大変でも、
くるしい先に光があること。
受けとめてくれる人がいれば、
光は星になること。
言葉にすることで
未来の私と愛するその人を
大切にできると知った。
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今、自分の心に名前を付けるなら。
「自信」
信じられる自分を見つけてもらった、
そして自分でも見つけられた
半年間でした。
自分を信じるために
生きることを慈しみ、
言葉を企画しつづけます。
本当に本当に、ありがとうございました!
出発したその先で、
自分の信じる、いい仕事をします。
一年前にこのnoteにめぐり逢えたおかげで、
今日の私は私としてここにいます。
阿部広太郎さんのnoteと、
2020年に出会ってくださった皆さま、
そして2021年に逢いたいあなたへ、
心からの感謝を込めて。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
2020年12月31日
稲本 朱珠