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山野草が好き。 庭に咲く草花を少しずつ紹介していこうと思います。

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山野草が好き。 庭に咲く草花を少しずつ紹介していこうと思います。

記事一覧

ヒナソウとシコタンハコベ【雛草・色丹蘩蔞】

庭ではヒナソウの近くに、シコタンハコベも咲いています。 お互いに背丈が低くて目線も同じ。一年ぶりのご近所さんに、「あら、確かあなたは! お久しぶりですね〜」とあい…

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2年前
1

マツバウンラン【松葉海蘭】

とある野原の一角に、藤色に波打つ草むらがありまして。 やや離れたところにありましたが、虹の麓へ行ってみるような気持ちでてくてく歩いていくと、どうやら紫色の小花を…

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2年前
1

トウチクラン【唐竹蘭】

「トウチクラン、最後の1つが咲いたよ」と庭主が教えてくれたので、それがどんな花かも知らないまま行ってみると、細い竹のような植物が1つだけ花をつけていました。初対面…

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3年前
8

エゴノキ

エゴノキといえば、クマバチ。熊のように大きい蜂なのでクマバチ。 この季節になると必ずやってくる、庭の常連さんです。 英名「Japanese snowbell」のとおり、エゴノキの…

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3年前
5

キバナノヤマオダマキ【 黄花山苧環 】

以前の投稿で、「セイヨウオダマキはフランス人形に似ている」というようなことを書きました。セイヨウオダマキの萼が、フリル付きのボンネット( 帽子 )にそっくりだったた…

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3年前
5

セイヨウオダマキ【西洋苧環】

一重のオダマキが和風見返り美人なら、八重のオダマキはフランス人形。 後頭部のツンツンはなく、フリルのたくさんついた帽子をかぶっています 。 一重花よりもさらに俯き…

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3年前
7

ユキノシタ【 雪ノ下 】

またまた、木陰で楽しそうに咲いている花を発見。 星がちかちかと瞬いているようにも、両手を広げて天女が舞っているよう にも見えます。先端になるほど太く放射状に広がる…

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3年前
12

【ソライロヤブイチゲ(空色薮一花)】

ソライロは空色でも、夕暮れ時のような淡い青紫色。 一花と書いて「イチゲ」、つまりは薮に咲く一輪の花のことなのです。 わらわらと集まって咲いているので、「ひとりぼ…

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3年前
4

ミヤコワスレ【 都忘れ 】

「いかにして 契りおきけむ 白菊を 都忘れと 名づくるも憂し」 鎌倉時代、順徳院の詠んだこの歌が、ミヤコワスレの名の由来といわれます。 倒幕を図った承久の乱で敗れ、…

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3年前
8

ヒナソウ 【 雛草 】( トキワナズナ【 常盤薺 】)

小指の先ほどの花が、いっぱいに集まって咲くヒナソウ。 庭では紫がかった青色のヒナソウと、純白の白いヒナソウが咲いています 。 ペタッと平たい4枚の花弁が十字形に開…

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3年前
7
マツバウンラン【松葉海蘭】

マツバウンラン【松葉海蘭】

とある野原の一角に、藤色に波打つ草むらがありまして。
やや離れたところにありましたが、虹の麓へ行ってみるような気持ちでてくてく歩いていくと、どうやら紫色の小花をつけた野草の群れのよう。ひょろひょろした茎に、ぽつぽつとついた小さな花。幻想的な風景を作っていたのは、地味めな花の集まりでした。少しがっかりしましたが、「せっかく、はるばる歩いたし」とさらに近づいてみると、紫色の小さな花や薄黄緑の丸いつぼみ

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トウチクラン【唐竹蘭】

トウチクラン【唐竹蘭】

「トウチクラン、最後の1つが咲いたよ」と庭主が教えてくれたので、それがどんな花かも知らないまま行ってみると、細い竹のような植物が1つだけ花をつけていました。初対面、どうやら今年の新人さんのようです。なぜ花をつけていました。初対面、どうやら今年の新人さんのようですな。
最後の1つになってから呼ばれたのかは謎……間に合ってよかった。

名前に「蘭」とついていますが、ラン科ではなくイヌサフラン科の花で、

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エゴノキ

エゴノキ

エゴノキといえば、クマバチ。熊のように大きい蜂なのでクマバチ。
この季節になると必ずやってくる、庭の常連さんです。

英名「Japanese snowbell」のとおり、エゴノキの純白の花は鐘のように下を向いて咲きます。その蜜を得るためには、アクロバティックにぶら下がらないといけません。それが苦手なチョウやハナアブは、どれだけ満開であってもエゴノキをスルーして他の花に止まります。

ところが、クマ

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キバナノヤマオダマキ【 黄花山苧環 】

キバナノヤマオダマキ【 黄花山苧環 】

以前の投稿で、「セイヨウオダマキはフランス人形に似ている」というようなことを書きました。セイヨウオダマキの萼が、フリル付きのボンネット( 帽子 )にそっくりだったためです。
オダマキ家のお嬢さんは、みなさん個性的な帽子をお召しなのです。セイヨウオダマキの萼が、フリル付きのボンネット( 帽子 )にそっくりだったためす。オダマキ家のお嬢さんは、みなさん個性的な帽子をお召しなのです。

キバナノヤマオダ

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セイヨウオダマキ【西洋苧環】

セイヨウオダマキ【西洋苧環】

一重のオダマキが和風見返り美人なら、八重のオダマキはフランス人形。

後頭部のツンツンはなく、フリルのたくさんついた帽子をかぶっています 。
一重花よりもさらに俯き加減に咲くので、恥ずかしがり屋のお嬢さんといった感じです。

一重の美しさ、八重の愛らしさ。間に挟まれたら、どぎ まぎしてしまいそうです。

ユキノシタ【 雪ノ下 】

ユキノシタ【 雪ノ下 】

またまた、木陰で楽しそうに咲いている花を発見。
星がちかちかと瞬いているようにも、両手を広げて天女が舞っているよう
にも見えます。先端になるほど太く放射状に広がる雄しべは、まるで後光
です。華やかな衣装で大勢集まって、初夏の宴を催しているのやもしれま
せん。そう、ユキノシタを包む空気は平安の時代を思わせる、なんだか雅
な雰囲気なのです。

しかし、引いて眺めると雅ながら、花をクローズアップすると「

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【ソライロヤブイチゲ(空色薮一花)】

【ソライロヤブイチゲ(空色薮一花)】

ソライロは空色でも、夕暮れ時のような淡い青紫色。
一花と書いて「イチゲ」、つまりは薮に咲く一輪の花のことなのです。

わらわらと集まって咲いているので、「ひとりぼっちで咲いてます」というわけではないのですけれども。

ふっくらと幅が広くて淡い青紫色の花びらと、雄しべのやわらかな黄色の組み合わせがこの方の魅力 ...... と思っていたのですが、何と花びらだと思っていたのは実はガク。

一輪草の類

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ミヤコワスレ【 都忘れ 】

ミヤコワスレ【 都忘れ 】

「いかにして 契りおきけむ 白菊を 都忘れと 名づくるも憂し」

鎌倉時代、順徳院の詠んだこの歌が、ミヤコワスレの名の由来といわれます。
倒幕を図った承久の乱で敗れ、父・後鳥羽上皇は隠岐島へ、兄・土御 門院は土佐へ、そして順徳院は佐渡へ流刑になりました。 
順徳院は、島で自ら育てた白菊を眺めることで、都を偲ぶ心を慰めたといいます。
また、白菊は後鳥羽上皇が愛した花でした(自らの印としても用い 、皇

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ヒナソウ 【 雛草 】( トキワナズナ【 常盤薺 】)

ヒナソウ 【 雛草 】( トキワナズナ【 常盤薺 】)

小指の先ほどの花が、いっぱいに集まって咲くヒナソウ。 庭では紫がかった青色のヒナソウと、純白の白いヒナソウが咲いています 。

ペタッと平たい4枚の花弁が十字形に開き、その中央に山吹色の花芯が鮮やかに映えて、まるで地面にたくさんの星が煌めいているようです。
実際 、花色が明るいためか、辺りが薄暗くなった黄昏時に見ると発光しているかのように、浮き上がって見えます( ワスレナグサも発光しているように見

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