マツバウンラン【松葉海蘭】
とある野原の一角に、藤色に波打つ草むらがありまして。
やや離れたところにありましたが、虹の麓へ行ってみるような気持ちでてくてく歩いていくと、どうやら紫色の小花をつけた野草の群れのよう。ひょろひょろした茎に、ぽつぽつとついた小さな花。幻想的な風景を作っていたのは、地味めな花の集まりでした。少しがっかりしましたが、「せっかく、はるばる歩いたし」とさらに近づいてみると、紫色の小さな花や薄黄緑の丸いつぼみは、まったく地味なことはなく、やっぱりかわいかったのでした。
それ以来毎春、こ