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Kの向くままにおススメ映画『ふたり』ネタバレあらすじ感想日記

こんばんは。劣等生のKです。今回は『ふたり』。一言で表すと「姉の死をきっかけに自分探しをする妹の成長映画」です。



こんな人におススメ 

ファンタジー好きな人
癒されたい
アイドル映画でもある


要注意点まとめ 

▲「螢―!」て叫ばないように注意


こんな映画です 

原作 赤川次郎。
実加の前に突然、交通事故で亡くなった姉 千津子が現れ共同生活を送る数年間のお話です。
千津子って名前はおばあちゃんみたいな感じがするけど高校生(妹の実加は中学生)。
何故か実加にだけ見える姉の千津子、生前は文武両道才色兼備の優等生でした。その千津子の助けもあり、実加は色々な苦労や困難を乗り越える内に少しずつ成長しますが…
それを見届けた千津子は突然姿を見せなくなるのでした。

コレ系のお話では死ぬのは大抵優等生の方。劣等生が死んでもさほどドラマチックではないからですね…。で、残った劣等生は死んだ優等生と比べられたり謎のプレッシャーに苛まれたりしながら成長していく、という展開。
リアルでも、特に同性の兄弟姉妹だとどうしても比べられてしまうのではないでしょうか。


もう少し詳しく 

調べてみると、この姉の存在は《幽霊》と解説されている場合が多いのですが、それは間違いです。若しくは未だ観ていない人への配慮でしょう。
DVDの特典映像(監督と原作者の対談)で監督はハッキリと次のように喋ってます。

大林監督 :「原作では声しか聞こえない姉だが、映画化に当たってはキャスティングが必要。しかし妹の一人二役にすると、初めからネタがバレてしまうから、姉役を別にキャスティングした。」

まあ、映画本編でも《幽霊》役の姉が前半でネタバラしてますけど。
なので、コレは精神的な映画ではあるけれど、オカルト映画ではなく、現実に起こり得るお話です。


観た後はこんな気分になりました 

コメディぽいシーンとそこで流れるコミカルな音楽はチョット苦手。いじめ、不倫、身近な人の死、とテーマ重いから緩衝用として入れるのは分かるけどね…。とはいえ、それでも全体的に物語の重心は低く、ハッピーエンドだけどほろ苦いという絶妙な後味です。

実加の親友の父親が突然死んだ、というエピソード。コレはその後何の伏線にもなっておらず、要らないのでは??て思いましたが、何度も観てる内に段々と必要だと思うようになりました。
身近な人の死というのは、特別な出来事ではなくて、この映画で言うと実加にだけ起こる事ではなくて、当然周囲の人にも起こる事。要するにそれは、実加に起こった特別なお話という以上に、普遍的なストーリーだという事を認識させる演出かな?って思いましたよ。

そんな大切な人を亡くした悲しみから立ち直る過程には色々あると思いますが、このお話はその過程の1つですね。単に姉妹『ふたり』のストーリーではなく、家族や友人や恋人、色々な『ふたり』を癒し解放していく、そんな生命力に満ちた映画です。

そして、ついでに監督と久石『ふたり』の突然の美声も必聴。何故最後はオッサンふたり!?…ん、意外に悪くない、けど、やっぱラストは実加と千津子のデュオ聴きたかったね。。


心に残ったセリフ 

実加 :「私ね、今日舞台に立てなかったんじゃない、立たなかったの。確かにここは舞台裏。華やかなライトは当たってない。だけどここからは世界の全てが見える。喜びも悲しみも、人の心の全てが。」

高校の文化祭にて。舞台の主演女優を降板して裏方に徹する実加。
1人称から3人称へ。解り易く言えば自分目線から神の視点に。
神の視点とは勿論、千津子の目線。要するにコレは実加が喋ってるけど千津子のセリフでもあります(千津子のセリフという事は結局は実加のセリフなんですけど…)。
ただの種明かしではなく、ここまでテーマ性を持ってやるってのは、、拍手ですね。


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