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Extra Issue: 廉価ドライブでのバックアップでデータ喪失リスクは低減するのか?

こんにちは!Stroll & Snaps のリッキーです。
日常の中で出逢った艶&近場で見つけた魅力を撮ってます。

データ保管庫として使っている外付けドライブを新しいものに更新することにしました。

故障&データ喪失といったリスクが気になります。Backblaze の記事によると、稼働開始から4年間で10%のドライブが使えなくなる、とのこと。
(”Projected Backblaze Hard Drive Survival Rates by Quarter” 参照)

高信頼性を謳う低故障率ドライブに惹かれます。
でも、お金がかかります。。。

どうするか。
(高信頼性を謳う低故障率ドライブ1台ではなく)経済的なお買得汎用ドライブを2台調達して相互にバックアップするようにした場合、データ喪失リスクは低減するのか?

ちょっとしたシナリオを作って計算してみることにしました。

シナリオ

※ 本稿のシナリオは、下掲の計算を行うために作成したフィクションであり、実在する機器をモデルにしたものではありません。
※ 以下では4年=209週として計算しています。

シナリオA(低故障率ドライブ1台使用)
低故障率ドライブを1台導入する。
この機種が4年間のどこかの時点で故障する確率を 3% とする。
故障したら全データが喪失するものとする。
故障率曲線(いわゆるバスタブ曲線)については考慮せず、4年間にわたり同一の確率で故障するものとする。

シナリオB(お買得汎用ドライブ2台並行使用)
お買得汎用ドライブを2台導入し、相互にバックアップする形で使用する。
この機種が4年間のどこかの時点で故障する確率を 20% とする。
これらお買得汎用ドライブ2台のうち1台が故障したら、その週の終わりに、故障した1台を同等の新しいお買得汎用ドライブに交換し、順調に稼働している側のデータを全てコピーするものとする(=2台とも同じ週に故障した場合に全データが喪失するものとする)。
シナリオAと同じく、故障率曲線(いわゆるバスタブ曲線)については考慮せず、4年間にわたり同一の確率で故障するものとする。

計算

シナリオA(低故障率ドライブ1台使用)
低故障率ドライブが4年間のどこかの時点で故障する確率は 3%(所与)。したがって、4年間のどこかの時点で全データが喪失する確率は 3% です。

シナリオB(お買得汎用ドライブ2台並行使用)
まず、1週(168 時間)のあいだにこの機種が故障するリスクを算出します。

D1=0.20 (=20%)として解くと、FB=0.001067 となります。これは、仮にこのお買得汎用ドライブが 1000 台あるとした場合、1週間に 1.067 台故障する、ということを意味します。

次に、このお買得汎用ドライブが2台とも同じ週に故障する(=全データが喪失する)確率を求めます。

FB=0.001067 とすると、D2=0.0002380 となります。
つまり、4年間のどこかの時点で全データが喪失する確率は約 0.02% となります。

考察

低故障率を追求して高価格ドライブを1台導入するよりも、お買得汎用ドライブを2台導入して相互にバックアップした方が、全データを喪失するリスクが圧倒的に少なくなる、という数字になりました。

ついでに、シナリオBの導入台数を「3台」にした場合(シナリオB’)についても計算してみました。4年間のどこかの時点で全データが喪失する確率はさらに劇的に低減し、約 0.00003% に。

「廉価品でかまわないのでバックアップとっておくべし。」ということのようです。

結論

予算 9,000 円/台以下で 4TB の外付け HDD を 2 台調達しました。
・X社製(セール品。中身は Seagate SKYHAWK ST4000VM005, 4TB, CMR)
・Y社製(セール品。中身は TOSHIBA DT02ABA400V, 4TB, SMR)
上等。汎用級の価格ながら、監視用途クラスの耐久&静音系良品が組み込まれていました。

長い目でみていきます。

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