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ストレスを数値化してみた!ライフイベント法と日常ストレス説とは?

さて、前記事の最後に紹介したとおり、この記事では1967年にトーマス・H・ホームズが発表したライフイベント法を紹介します。

ちなみにこのライフイベントでも、特定のストレスの種類がわかります。


ライフイベント法とは

本来は各ストレス値に点数をつけて、自分のストレス値合計を計算するものですが、種類を確認することにも使えます。

ホームズが定義したのは、これまでの生活を変えるような出来事があると、その状態に再適応するための大きなエネルギーが必要になる。それがストレスになると言うことです。

その生活を変える出来事一覧がこちらです。ちなみに1950年代のデータなので、現代とは違いがあるかも知れません。ストレス値が高い順になっています。

社会的再適応評価尺度

配偶者の死亡 100
離婚 73
夫婦の別居 65
刑務所などへの拘留 63
近親者の死亡 63
自分の病気や怪我 53
結婚 50
解雇される 47
夫婦の和解 45
退職 45
家族が健康を害する 44
妊娠 40
性的困難 39
新しい家族の加入 39
仕事先での変化、合併など 39
経済状態の変化 38
親友の死亡 37
職種変え、転職 36
夫婦の口論回数の変化 35
1万ドル(114万円)以上の借金 31
抵当や賃金の失効 30
仕事上の責任の変化 29
子供の独立、家を離れる 29
姻戚とのトラブル 29
すぐれた業績を挙げる 28
妻の就職、退職 26
入学、卒業 26
生活状況の変化 25
生活習慣の変化 24
上司とのトラブル 23
勤務状況が変わる 20
住居が変わる 20
転向 20
レクリエーションの変化 19
宗教活動の変化 19
社会活動の変化 18
1万ドル(114万円)以下の借金 17
睡眠習慣の変化 16
家族団らんの回数変化 15
食習慣の変化 15
余暇 13
クリスマス 12
ちょっとした違反行為 11

びっくりするのは、マイナス要因だけではなく、プラス要因もストレッサー(ストレスの原因)になっていることです。

たとえば、妊娠・就職・入学・卒業・クリスマスなど、一般的に喜ばしい事やイベントが入っていますよね。もちろん人によって個人差はあるんですが、それであってもビックリしませんか?


日常ストレス説

また、アメリカの心理学者R・S・ラザルスは、ホームズの評価方法に対し異論を唱えました。それが日常ストレス説です。

これは、ストレスは大きなイベントよりも、毎日経験するような些細で慢性的なわずらわしさの積み重なったものの方がストレスの原因=ストレッサーになるというもの。

隣近所の騒音とか、会社内での人間関係、日々の健康上の不安などが当てはまります。前記事で紹介した身体的・精神的ストレスのことですね。


まぁ、イベントと日常では、どちらがストレスが多いかは人によって違いがあります。ですから、ともにストレッサー(ストレスの原因)になるんだと認識しておけば間違いないでしょう。


おわりに

ってことで、次の記事ではコーピングの説明に入ります。コーピングとは、ストレスに対処するための行動のこと。その行動にはどのようなものがあるのか?それを一緒にみていきましょう。

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