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強い経理のつくりかた

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強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
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#強い経理

【雑談】経理で、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が必要なとき。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 先日、お客様と打合せをした際、弊社の公認会計士・税理士が「侃侃諤諤の議論があった方が結果的に会社のためになることが多い」とお客様に説明していました。 自分も共感したことでしたので、今日は「どんなときに侃侃諤諤の議論が必要か」について、自分なりに整理してみたいと思います。 注:タイトルに【雑談】が付されている投稿は、今まであまり整理したことがなかったことで、最近ふと考えたことについての投稿です。考えが浅い部分も多分にある

【経理】それは「予算」というより、「夢」?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 仕事でよく使われる用語であっても、人によって言葉の意味や定義が異なるものが多くあります。異なっていても特に問題が生じないものもありますが、トラブルにつながりやすいものもあります。 今日は、「予算」という用語について、中小企業でよく生じるトラブルと対応方法について書いてみたいと思います。 Budget(予算)というより、Dream(夢)ではないか?多くの中小企業に関わってきた中で感じることですが、一言で「予算」と言っても

【経理】「"誰にでも" 伝わる資料づくり」は、目指さない。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 最近、自分が事業会社のチーム経理で働いていた頃のことを振り返る機会があり、思い出したことがありました。今日は「伝わらない資料はトラブルの元なので、伝わる資料づくりを心がけよう」ということについて書きます。 そもそも「自分の資料が常に『伝わる資料』か?」と問われると痛いところですが、自分のことは完全に棚に上げて、今まで考えてきたことを整理してみたいと思います。 「伝わらない資料は『ゴミ』」の衝撃。20代の頃、事業会社のチ

【経理】資料整理の基礎。ルール決めが必要な部分は?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 会社によって資料整理のルールは違うと思いますが、「とりあえずこんな感じで良いかな?」という感覚で適当にルール設定すると、後々困ることもあります。 今日は「資料整理のルールとして、最低限、最初から決めておいた方が良いと思うこと」について書きます。個人的意見ではありますが、まだルールを決めていないなどの場合に、よろしければ参考にして頂けますと幸いです。 日付:西暦 or 和暦?最近は「西暦」を原則とする会社も多いと思います

【経理】"うちの会社は特殊なので変えられない" は本当か?

こんにちは、きくちきよみと申します。 元・舞台照明家の税理士です。 自分は舞台照明家→事業会社経理(複数)→会計事務所・税理士法人(複数)→税理士という経歴です。会社の内からも外からも多くの経理現場を経験してきた中で、会社の方からよく聞く言葉があります。それは「うちの会社は特殊なので」という枕詞です。 今日は「自社が "特別" "特殊" だと思うことは、本当に "特別" "特殊" なのか、改めて考えてみる」ということについて書きます。 「普通の会社」は、どこかにある?自

【強い経理】耐用年数表をそのまま使って大丈夫?~固定資産の減価償却~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 新しく顧問契約を結んだお客様の過去の固定資産台帳を拝見すると、「固定資産を取得したときに、"自社ではどう費用化するか" をもう少し考えて頂いた方が良かったのではないか?」と思うことがよくあります。外資系企業や上場子会社では親会社のルールを採用せざるを得ないことがほとんどなので、変更をすることはできません。ただ、検討・変更の余地がある法人であれば、いちどは考えた方が良いことだと思っています。 今日は「"強い経理" をつくる

【経理】「経費精算は、レシート or 領収書?」を改めて考える。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 先日、経理の仕事を始めて間もない経理担当者の方に「従業員の経費精算は、レシートは絶対にダメですよね?今からでも領収書にしてもらった方が良いか、迷っています。」というご質問を受けました。 今日は、「経費精算はレシートが良いのか、領収書が良いのか」ということについて書きます。 基本的な内容ではありますが、経理として、税理士として長年この問題に付き合ってきて、これまで考えてきたことなども併せて整理してみたいと思います。 結

【雑談】テキストツールだけで、円滑に仕事が進められるか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 7月の初旬にひどい夏風邪をひきました。1週間で風邪の症状は治まったものの、まもなく咳喘息に移行し、咳が止まらなくなってしまいました。吸入器などで症状を抑えながら治療を進め、風邪をひいてから1か月経ってやっと、まともに声が出るようになったところです。 自分は「メール+電話(又はビデオ会議)」派です。相手によってメールと電話の順序や比重は異なるものの、どちらかだけのことはありません。 テキストコミュニケーションについては、

【経理】経理部の業績を計測する指標はあるか?~KPIの話~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 私は睡眠に問題があり、3年前からOuraリングというスマートリングを使って睡眠を記録しています。 どこまで正確なのかはわかりませんが、自分の状態を計測・記録するツールとして非常に助かっています。 アプリで具体的な睡眠の状態や心拍変動を記録できるので、記録された内容を基に、自分で生活改善・睡眠改善を進めていくことができます。 記憶は嘘をつきますが、記録は嘘をつきません。 何かを改善するには、その記録をすることは非常に

【経理】結果が合っていれば、仕訳は自由。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「社内管理の観点から、取引のどのタイミングで、どんな仕訳を切るか考えよう」ということについて書きます。 仕訳は自由。お客様から仕訳の質問をよく受けますが、ひと通りご説明した後、最後に「月次試算表が合っていれば、途中経過の仕訳は何でも構いません」「この科目は、費用科目であれば何でも構いません」「結果が同じであれば、仕訳はいくつに分けても構いません」などと補足してお伝えすることが多いです。 簿記の勉強の中で仕訳を学習

【経理】作業をラベリングして、業務の全体像を見る。(後編)

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 前回から「経理作業をカテゴリー分けできるようになると、社内スタッフや外部専門家に信頼されやすいので、仕事を進めやすくなる」ということについて書いています。 前回(前編)は、カテゴリー分けができるようになった方が良い理由について書きました。今回(後編)は、具体的な分類・整理方法について書いていきます。 分類の方法、相談先の整理方法。それでは、どのように分類したら良いのでしょうか。企業の状況や役職によるかもしれませんが、自

【経理】作業をラベリングして、業務の全体像を見る。(前編)

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「経理作業をカテゴリー分けできるようになると、社内スタッフや外部専門家に信頼されやすいので、仕事を進めやすくなる」ということについて書きます。 書いているうちに長くなってしまいましたので、2回に分けて書きます。 今回は前編です。 「それは〇〇さんに相談すると良いですよ」とよく言われませんか?①適切でない相手に質問・相談してしまう場合 新人経理さんによくあることですが、質問をした相手に「それは〇〇さんに相談する

【強い経理】まずは、月次決算を適正化することから始める。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「"強い経理" をつくるには、まずは月次決算を適正化することから始めよう」ということについて書きます。 ↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義 どの企業の月次決算も、やることは同じ。多くの企業で月次決算に取り組んでいたり、これから取り組もうとしていたりすると思います。ただし、「大きな間違いのない月次決算を毎月実施できている。経営者、親会社、税理士・会計士に指摘されるような経理処理も全くない。」と胸を張って言

【経理】努力の方向性がわからず、"資格迷子" になる前に。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 企業の経理業務をする中で「努力の方向性がわからないので、とりあえず資格を取得しよう」と考えてしまうことはよくあるでしょう。 今日は「経理業務の中でどう努力したらわからないとき、考えてみても良いこと」について書きます。悩んでいる方の何かの参考になりましたら幸いです。 考えてみても良いポイント3点。人によって違うと思いますが、努力の方向性がわからないとき、考えてみても良いと思うポイントを挙げてみます。 ①資格迷子になって