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【雑談】テキストツールだけで、円滑に仕事が進められるか?

こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。

7月の初旬にひどい夏風邪をひきました。1週間で風邪の症状は治まったものの、まもなく咳喘息せきぜんそくに移行し、咳が止まらなくなってしまいました。吸入器などで症状を抑えながら治療を進め、風邪をひいてから1か月経ってやっと、まともに声が出るようになったところです。

自分は「メール+電話(又はビデオ会議)」派です。相手によってメールと電話の順序や比重は異なるものの、どちらかだけのことはありません。

テキストコミュニケーションについては、ご要望に応じてSlackやChatworkなどのチャットツールを使うこともあります。ただ、比較的新しいツールのためか、お客様の企業内でリテラシーや利用ルールが統一されていないことがも多く、かえって不便やトラブルが生じることもあります。そのため、今は基本的に「テキストツールはメールを使う」ことにしています。

この1か月の間、できるだけ声を出さないようにして仕事をしましたが、結構困るなと感じた場面が数多くありました。今まで、口頭での仕事の割合が高いような認識はありませんでしたが、自分の場合は、話すことでフォローしている部分が多かったようです。良い経験でしたので、声が出なくて困ったこと、今後の対処案など、この1か月の間で考えたことをまとめてみたいと思います。


テキストツールだけでは困ること。

①判断が早い経営者・担当者のスピードに間に合わない。

お客様から問合せや質問があった際、電話・ビデオ会議などの口頭のコミュニケーションであれば、その場で状況や質問の意図なども詳しくヒアリングすることができます。

一方、テキストのやりとりでは、そもそも質問や問合せの意図が明確でないことが多く、やりとりが1回では終わりません。1回ですべてを網羅的に回答しようとすると、前提や場合分けに応じて複数の長文回答を用意しなければならず、口頭でのコミュニケーションに比較し、対応時間が何倍にも膨らんでしまいます。また、テキストでは先方が本当に理解しているかの確認が難しく、本当に伝えたかった内容とは別の内容の理解のまま、取引や手続きが進みそうになってしまうこともありました。

回答を急いでいる経営者や担当者の対応としては、「テキストだけ」のコミュニケーションは非常に難しいと感じました。


②意味・ニュアンスが簡単に伝わらない。

自分と他者では人生の歴史が違うので、ことばの持つ意味やニュアンスも違っています。

例えば、「法律上の義務」と言えば、文字通りの意味は「法律でやらなければならないと決まっていること=守るべきこと」という一択です。ただ、経験則で「"義務" とは言っても、例外があることがほとんどなので、"原則" と言い換えても大丈夫だろう」と考える人もいらっしゃるでしょう。

ところが、「法律上の義務」には「例外がある "義務"」と「例外がない "義務"」の両方が存在します。テキストだけで正確に伝えようとすると、自分が使っていることばの定義から説明を始めなくてはならないかもしれません。

一方、口頭でのコミュニケーションであれば、こんなやりとりで一瞬で終わります。
お客様「義務って言っても例外があるんでしょ?〇〇社の△△さんは、例外が適用されるから大丈夫だって言ってたよ。」
自分「例外規定はありますが、××の要件を満たさないので、貴社には適用がないんですよー。本当に義務なんです。」

また、口頭のコミュニケーションでは軽い表現や言い回しを使いやすいため、内容の重さ・軽さを表現するのも容易です。ビジネス上のテキストはどうしても表現が重くなりがちなので、ちょっとした内容であっても必要以上に深刻に捉えられることもあり、その点は課題だと感じました。

③社内スタッフへの指示にも逐一時間がかかる。

これが実は最も大変でしたが、社内スタッフへの細かい指示をテキストでやりとりするのが大変でした。

もちろん、スタッフによりますが、細かい部分への配慮が必要なお客様への納品物の修正指示などが必要なケースで、その対処が本当に時間がかかりました。口頭であれば一言なのですが、テキストでは相手が理解を間違えないような表現や手順を考えながら書くので、逐一時間がかかります。

声が出せない時期の対処法。

①通常時の信頼関係を構築する。

これは声が出せなくなってからでは間に合わない方法ではありますが、「普段から、相手との関係性・信頼関係を築いておく」というのが一番大事だと感じました。

自分の健康管理の悪さで声が出ないので、悪いのは間違いなく自分なのですが、お客様の中には「急がないし、ちゃんとミーティングをしてから決めたいので、治るまで待ちます」とご連絡をくださった方もいらっしゃいました。これは本当に嬉しかったですね。

また、「(メールで)こういう書き方をしてるということは、やらない方が良いってことだよね。今回はやらないよ。」と、自分の意図と寸分の相違なくご理解頂いたお客様もいらっしゃったので、普段からの信頼関係はめちゃくちゃ大事だと思います。


②要点だけをまとめ直す。

普段は口頭でフォローしている部分を、テキストで再現するやり方も有効でした。最初にいちど細かい説明をしつつも、もう1通、口頭の代わりに要点だけのメモのメールを送る方法です。

<要点>
・メリット
・デメリット
・影響額
・決算書や税額には影響しないが重要な事項への影響(企業の信用、社内での公平性、IPO準備企業における影響など)
・自分が顧問税理士として提案する案はいずれなのか、及びその理由

自分の備忘としても役に立ったので、これは声が出る時期でもやった方が良いなと思いました。

③割り切って、対処を人に任せてしまう。

本当にお客様が急いでいるときは、もう割り切って他のスタッフに対処を任せてしまうしかないでしょう。

内容にもよりますが、単純な手続の話であれば、どの法人でも手順は一緒なので、会社独自の違いはほとんど影響しません。

ただ、まる投げするにも情報が必要なので、通常時からその準備は必要だろうと思います。


伝え方にこだわって、より円滑に。

この1か月は声が出ないという制約の中、改めてコミュニケーションの方法を考える良い機会でした。

是非、定期的にコミュニケーションツールや方法の見直しをしてみてはいかがでしょうか。


最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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