マガジンのカバー画像

強い経理のつくりかた

70
強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

【経理】作業をラベリングして、業務の全体像を見る。(後編)

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 前回から「経理作業をカテゴリー分けできるようになると、社内スタッフや外部専門家に信頼されやすいので、仕事を進めやすくなる」ということについて書いています。 前回(前編)は、カテゴリー分けができるようになった方が良い理由について書きました。今回(後編)は、具体的な分類・整理方法について書いていきます。 分類の方法、相談先の整理方法。それでは、どのように分類したら良いのでしょうか。企業の状況や役職によるかもしれませんが、自

【経理】作業をラベリングして、業務の全体像を見る。(前編)

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「経理作業をカテゴリー分けできるようになると、社内スタッフや外部専門家に信頼されやすいので、仕事を進めやすくなる」ということについて書きます。 書いているうちに長くなってしまいましたので、2回に分けて書きます。 今回は前編です。 「それは〇〇さんに相談すると良いですよ」とよく言われませんか?①適切でない相手に質問・相談してしまう場合 新人経理さんによくあることですが、質問をした相手に「それは〇〇さんに相談する

【強い経理】まずは、月次決算を適正化することから始める。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「"強い経理" をつくるには、まずは月次決算を適正化することから始めよう」ということについて書きます。 ↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義 どの企業の月次決算も、やることは同じ。多くの企業で月次決算に取り組んでいたり、これから取り組もうとしていたりすると思います。ただし、「大きな間違いのない月次決算を毎月実施できている。経営者、親会社、税理士・会計士に指摘されるような経理処理も全くない。」と胸を張って言

【経理】努力の方向性がわからず、"資格迷子" になる前に。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 企業の経理業務をする中で「努力の方向性がわからないので、とりあえず資格を取得しよう」と考えてしまうことはよくあるでしょう。 今日は「経理業務の中でどう努力したらわからないとき、考えてみても良いこと」について書きます。悩んでいる方の何かの参考になりましたら幸いです。 考えてみても良いポイント3点。人によって違うと思いますが、努力の方向性がわからないとき、考えてみても良いと思うポイントを挙げてみます。 ①資格迷子になって

【経理】企業は、見えない問題にはお金を使わない。~不正防止の話~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 税理士業務や経理業務とは直接関係ありませんが、業務上、企業の不正調査を担当することがあります。 その中で、「帳簿・書類・証憑の電子化は、不正防止に有益かもしれない」と感じることがありましたので、今日はそのことについて書きます。 電子化すると、すべての証憑に簡単にアクセスできる。ペーペーレス化や電子帳簿保存法の影響もあり、会計帳簿・経理書類・経理証憑を電子化する企業も多いと思います。電子化していると、経理書類・経理証憑は

【経理】理解できないことを「わからない」と言うことについて。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 (先週末から夏風邪で寝込んでおり、本日やっと仕事に復帰しました。まだ喉の痛みが治っておらず、困ったものです。) 今日は、「理解できないことを『わからない』と言える人や知らないことを『知らない』と言える人は周囲の力を借りられるので、業務で結果が出やすい」ということについて書きます。 会話の中で「わからない」がゼロだと、かえって不安になる。あくまで自分の経験上のことではありますが、契約初年度のお客様や新任の経理担当者の方と

【新人経理向け】実務では "しいくりくりしい" は使わない。~売上原価の話~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 先日、経理職が初めてというお客様に「学習簿記と実務経理で違うことはありますか?」というご質問を受けました。 自分が経理を始めたときに「簿記の勉強中に知っていたら良かったのに」と思ったことはいろいろありましたが、その中のひとつが「売上原価の仕訳」でした。今日は「売上原価の仕訳と在庫棚卸について、新人経理さんによく聞かれる質問」について書きます。 学習簿記の「しいくりくりしい」は、実務では一生使わない。簿記3級・2級の学習

【経理】急な大改革は "揺り戻し" を起こす。最初から「強い経理」を。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 「強い経理を手に入れて長寿企業になるために、経理は何ができるのか」をテーマに、2023年末からこのマガジンを書いています。 今日は「急な大改革は "揺り戻し" を起こすので、ひとつずつ着実に改革を進めるか、事業開始時から『強い経理』を目指して企業経営を進めた方が良い」ということについて書きます。 急な大改革は、「強い経理」に向かない。本マガジンにおける「強い経理」の定義については、下記で記事にしています。 「強い経理