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風都探偵 The STAGE の記憶

今年の観劇初めは「風都探偵 The STAGE」でした。
大阪現地で5公演観劇だったのですが、実際現地で観るまでは「5公演は結構多いな……」と思ってました。が、蓋を開けると

「これ5公演も見れるの!!!!」
「むしろ5公演だけ?!」
「(現地最終日)え、ちょっと……チケット足したい」
※もちろん仕事で無理でした。

ストーリー、演出、お芝居、アクション、音楽etc
どれも最高で、素晴らしいエンタメで、完全に大人の為のヒーローショーでした。

手数料含め一公演10,000円超えする公演でしたが、元は取れれていたと思います。

そんな「風都探偵 The STAGE」。
大千秋楽から数日たった今も、見逃し配信を見たり、仮面ライダーWの配信みたり、コミックスの風都探偵を読み直したりで、まだまだ引きずっている状況ですが
記録がてら、感想諸々をまとめておこうと思います。

ちなみに、私は和田雅成ファンのため、和田くんが風都探偵の主演になるとわかってからコミックスやWの配信をみ始めたクチです。仮面ライダーWに関することについては新参者ですのでご容赦ください。

劇場に入ったら、もうそこは風都だった

事前に「開演前から風都の風を感じれる」というのはTwitterで目にしていましたが、劇場内の開演前に流れる影ナレが、仮面ライダーWでナレーションやメモリボイスを担当されている立木さんで、一気に気分が上がりました。「影ナレが立木さんって贅沢すぎんか!?」とロビーにいながら舞台上だけでない、劇場全体の演出に感動。会場内も常に風の音や環境音が程よく流れ、世界観作りの細かさに思わず嬉しくなってしまいました。

舞台転換(?)の演出がすごい

元は仮面ライダーWがあっての風都探偵。シーンの切り替えや星の本棚、そして何よりも変身シーンどうするんだ?という所が気になり、また楽しみにしていた部分でした。
舞台演出は基本、プロジェクションマッピングと、舞台装置の移動を駆使しストーリーが進んでいきましたが、壁や風景、全部プロジェクションマッピングでした。数回みていると、タイミング合わすのこれめちゃくちゃ大変なのでは……とも感じたり。
(※ヒプステもプロジェクションマッピングや投影技術を色々駆使してますが、あれとはまた違う意味ですごい)
ちょっと大きめのセット的なものは、鳴海探偵事務所のソファーと椅子、あと病院のベッドくらいだったと思います。変身シーンについては後ほど述べますが、現地初回はありがたいことに、ドセンの全体がよく見える場所だった為、演出効果ををバッチリ目にすることが出来ました。

ちなみに上手側前方にいた時はウォッチャマンが舞台セット動かしてるのがチラ見えして、ちょっとほっこりしたり(笑)
風都市民が風都の街を動かしてる、と思うと、なんかいいですよね。

アクションが完全にヒーローショーのそれ

アクションについては題材が題材なので絶対あるのはわかっていましたが、OPのキャスパレからまさかのバイクアクション、ハードボイルダー登場でテンションが一気に上がりました!
しかもちゃんと「走っている」。「舞台 弱虫ペダル」を観劇した時も自転車はそこにないのに、本当に走ってるように見えましたが、今回のバイク演出もその時と同じような感覚に陥りました。あと、何よりハードボイルダーに乗っている翔太郎(中身はなだぎさんかもしれない/w)の体幹。思いっきりバイクを倒したと思ったら起き上がり〜を何度も続けるという。あれ中の人すごい筋肉だと思う……。

そして、何より変身シーンと変身後のアクション。変身前〜変身後変わる演出はこちらも基本プロジェクションマッピングでしたが、確かに翔太郎とフィリップが「変身」してたし照井も「変身」してたし、ドーパント面々も「変身」してました。変身後のアクションもこれでもか、というくらい盛り沢山で、特に後半は完全に「ヒーローショー」でした。

あと、改めてスーツかっこいいな、と。ありがたいことに、実質最前で見れる回があったのですが、めちゃくちゃスーツの素材感とか見てしまいました(笑)それまでなんとも思ってなかったアクセルとか「え、めっちゃ格好よくないか?」と。(ちなみにWの推しフォームはヒートメタルで、無事現場で見ることができました)

ドーパント面々のスーツはおそらく全て新作のはずですが、どもれクォリティー高かったですし、あんだけガッツリ動いて大丈夫なスーツ作れるのは改めてすごいな……と思いました。特撮技術すごいようん。

キャストのクォリティがとにかく高い

さて、ここからは役者関連の話が中心になります。

生駒里奈さん

ご本人がガチの仮面ライダーWオタクの方になりますが、初め舞台上に登場した瞬間から、びっくりするぐらい「鳴海亜樹子」でした。さすがオタク。実は今回の舞台まで生駒ちゃんのこと全然存じ上げていなかったのですが(女性アイドルグループは、グループ名こそ把握していても個人は全く把握していない程度には無知。)いい役者さんだな〜と思いました。
ご本人もカテコなどで、大好きな作品だからこそ色々悩んだと仰ってましたが、翔太郎たちとのコミカルなやりとり等は、仮面ライダーW本編でみてたあのテンションそのものでしたし、本当に次あったらまた生駒ちゃんに亜樹ちゃんやってほしいです。

上野凱さん

今回が初舞台だったそうで。でもそうとは思えないくらいとても「照井竜」してました。前半にがっつり目の生身アクションがあったのですが、それもめちゃくちゃかっこいい! アフタートークで上野君が、「周りの人がいたおかげでかっこいい照井竜ができるようになった(意訳)」といわれたのですが、稽古から生駒ちゃんに「ちゃんとカッコよく!!」とシッカリと指摘されていたり、和田君やつばさ君に変身の練習をつけてもらっていたという話から、本当初舞台で周りが恵まれててよかったねぇ〜と思いました(誰目線)。あと、日替わりで刑事コンビが照井を笑わせようと仕掛けてくるシーン、どんどん耐性ついていっているのが垣間見えたのも面白かったです(笑)

能條愛未さん

能條さんも生駒ちゃんと同じく全く存じ上げていなかったのですが(ほんと申し訳ない……)、前半の敵か味方かよくわからない時と、後半の仲間になってからの演技が一貫してどちらも「ときめ」でありながらも演じ分けされていて、妖艶さと可愛らしさの同居が絶妙だったなぁと思いました。あと逃走シーンのダンス好きでした!

なだぎ武さん

なだぎさん生でみたのいつぶり??と少し調べたらなんと約18.9年ぶりでした(最後に見たのは、当時ハマってたプラン9の公演だったので)。そんな久々の生なだぎさん。昔と変わらず色んな意味でキレッキレでした。唯一のオリジナルキャスト、かつ同じ役でのキャスティングでしたが、その属性を生かした日替わりネタは特に昔からのWファンには響いてそうだなと思いました。あと、ちょいちょい入れてくるアドリブが本当に面白くて! 個人的に何公演も行きたくなる舞台には、法則があるのですが、今回の刃野刑事のポジションはその法則に完全にハマってくれていました。それプラス、やはりWの空気感を舞台風都探偵の中に吹かせるという意味でも、刃野刑事=なだぎさんキャスティングの影響は大きかったのではないでしょうか。あと、真倉君とのコントは本当にお疲れ様でした!!!!!!

相澤莉多さん

「また、やばい若手俳優を発掘してしまった……」が第一の印象です(笑)。私の中で2.5界隈でコイツはやばいな(プラスの意味で)と思う方が数名いまして、たとえば、加藤将、高橋健介(敬称略)あたりがそれにあたるのですが、あのなだぎさんが膝をつく程度には翻弄し、時には割とギリギリめのボケを無尽蔵にかます相澤くん。大物すぎる。なだぎさん、あの自由すぎるボケを捌くのめっちゃ大変そうだな……と思ってましたが、ご本人もアフタートークで「(捌くの)大変よ!!」と。翔太郎相手にも地味にボケてましたしね(笑)でも、そのおかげで見てるこちらはとても楽しかったです!もし、次相澤のお芝居観る機会あればシリアスなの見てみたいですね。どんな感じに演技するか気になるので。

松本寛也さん

漆黒天ぶりの寛也さん!漆黒天ではバキバキアクションありの悪役でしたが、今回は腰を据えた悪役でした。現地初日観劇でのアフタートークでご本人が「(毎公演)同じことできない」と言われたのを聞き、後の4公演、そこも注目しながら観ていましたが、本当にちょっとした会話のニュアンスや抑揚とかですが、毎回異なっていました。そしてそれを毎回ちゃんと会話として返す翔太郎。この辺りについては後ほど詳しく。

梅澤裕介さん

梅澤さんというか梅棒さんのことは存じ上げていましたし、いつか舞台見に行きたいなーと思っていたらまさかのここで。サブという役柄上、出演シーンは限られていたのですが、とってもサブでした!!今度はがっつり出演されているのを観に行ってみたいですね。

伊藤孝太郎さん

本人曰く翔太郎の裏の相棒。前半は特にこの二人の絡みが多いので納得です。忠太の役って見た目含め地味そうにみえるのですが、実はずっと嘘をついていたりと結構難しい役なんじゃないかな、と。全ての嘘が明るみになってからの演技が個人的に特に好きでした。
寛也さんと同じくアフタートークで、翔太郎に詰め寄るシーンや台詞のニュアンスはその日によって微妙に変えている(その日との時に感じたものを出している)と言われ、たしかに目に見える部分だと詰め寄るシーンは毎回ちょっと違いました。でも、だからってお芝居が崩れる訳ではなく、「その公演の風都の鳴海探偵事務所にいる翔太郎と忠太」はそうだった、という感じで、違和感どころかむしろとても自然に感じられて、それが面白かったですね。現場初日にこのお話が聞けたのは本当によかったな、と今でも思います。

君沢ユウキさん

生では「はたらく細胞」ぶり、配信では「殺陣まつり」振りの君沢さん。オリジナルキャストで今回は万灯雪侍としての出演でしたが、とても万灯。個人的に万灯はロウ属性(要:メガテン用語)だと思っているのですが、その雰囲気を感じ取れました。霧彦さんとは違うキャラクターとはいえ、やっぱり安心感ありましたし、風都探偵のキャストに入っていてよかったなぁと思いました。

木津つばささん

カミシモ2ぶりのつばさ君。個人的には刀ステも観てるので和田君との組み合わせは胸熱でした。
ただ、原作が原作なので、特につばさくんと和田君のプレッシャーやばいだろうな、と思ってましたし、どんなフィリップに仕上がっているか、正直ちょっと不安でした(本人に対してというか、キッツイお言葉とか目にすることになったら嫌だなと/苦笑)。
しかし、そんな不安など無意味で、蓋を開けてみると立ち振る舞いから言葉の抑揚まで「フィリップ」そのもの。しかも安定している。実は今作品でオリキャスを除いて初日から特に安定しているな、と思ったのは亜樹子とフィリップでした。そしてこの二人に関しては大千穐楽まで安定していたし、ほんとブレない。フィリップに関しては、つばさ君がアフタートークで「(周りが比較的自由な分)自分がブレると全部がずれる」と言われていて、登壇者全員そのことを肯定していたし、客席側も少なからずそうだな、と思った方はいたはず。変身シーンもメモリ大阪では水に入れてましたし、すっごい練習したんだろうなと。
カミシモ2で久々につばさ君の演技見て、いいお芝居するなぁと思っていましたが、改めて本当にフィリップをつばさ君がやってくれてよかったなと心から思いました。

同じだけど、1日たりと同じ日がない風都探偵の舞台

ここからは推しの内容なので、色々贔屓目の感想と、言いたいことが多すぎるので、項目分けしてみます。

和田雅成さん

■スタイルが最高すぎる。
まず、スーツ+ハット姿が鬼のように似合い、スタイルが良すぎて現地で見た時変な悲鳴出そうになりました(もちろん出してません)。キャスパレのダンスからもうオタクを殺しに来ていて、ダンスもキレッキレで特に回し蹴りが本当に綺麗。少々余談になりますが、カミシモの島の時のダンスとは全然テイスト(キャラの身体の能力的な部分含め)が異なるので、やっぱりダンス自体もキャラに寄せているんだなと。翔太郎はアクション出来るから、そりゃダンスもいけるよね!

■「風都探偵」の「左翔太郎」
この舞台での翔太郎はほぼ出ずっぱりで、台詞量は膨大だし、大千穐楽後のニコ生配信でかなり稽古中から色々悩まれたと仰ってましたが、大阪で観劇した時は確かに「風都探偵の翔太郎」が舞台上にいました。
ちょっとカッコつけなところや、亜樹子や刃野刑事とのコミカルなやり取り、人間臭いところ、感情豊かな翔太郎がそこにいました。
また、膨大な台詞量の中には膨大な説明セリフも入っており、これがまた違和感なく自然。むしろ私としては心地よかったくらい。本人は相当この説明セリフの扱いに悩んでいたそうですが、それを知り「そうだったの!?」と驚いたくらいです。
有料配信の内容なのでこれ以上詳しくは記載しませんが、本当に風都探偵のカンパニーが大好きで風都のみんなを愛してるんだな、ということがダイレクトに伝わってきました。
※気になる方は「りんりんのたこ焼き屋さん」をチェック(2023/7/26まで公開)
https://live.nicovideo.jp/watch/lv340049623

■その日の風都を、皆生きていた
そして何より、私自身、舞台の面白さを再確認することができたと思います。
舞台は基本、ストーリーも、演出も毎回同じで、出来る限り同じクォリティーを提供するもの、だとは思うのですが、日々の試行錯誤も含め、この舞台は一公演ごと皆「その時の風都」を生きているように感じました。(アドリブや刑事コントを除いたとしても)。
特に、寛也さんや伊藤さんがアフタートークでおっしゃっていたのですが、その日出てきたお芝居を和田君がちゃんと受け取って、それを返してくれる。だからとても楽しい、と。
話がそれますが、和田君が出演しているバラエティ番組「ろくにんよれば町内会」でシチュエーション即興演技を行われるのですが、その際、ゲストが和田君と組んだ時「(演技してて)楽しかった!」と言われていることが結構あるなと思ってまして……。なので、このお二人からそういった話が出てきた時、一ファンとしてとても嬉しかったです。その板の上の「楽しい」は同じ空間にいる客席側にも伝わっていたと思います。実際とても楽しい舞台でしたし。現地最終日、あとは配信で見れるけど、あの空気感はもう味わえないんだなぁ、と思うと寂しかったです。

次回作もキャストはそのままでお願いします!!

そんな訳、でまとめですが、「風都探偵 The STAGE」はプロフェッショナルな人々が集まって作った最高のエンタメ作品でした。
1日たりと同じ公演はなかった、と書きましたが、どの1日も最高の舞台でしたし、とても楽しい日々でした。何よりエネルギーを沢山もらえました。

あと、りんたこ(和田君の配信)を聞いて、改めて
「プロフェッショナルとは」とも考えさせられたり。
(本人、翔太郎が抜けきれてない状態だったのもあって、いつも以上に熱い配信でしたしね)

日々のカーテンコールやアフタートーク、大千穐楽のコメントやSNSでのコメントや配信、どこを見ても聞いても、本当に良いカンパニーだったんだなぁというのが伝わってきて、だから、こんなに素敵な舞台が出来上がったんだろうな、と。
なので、是非続編やってほしいし(やるならどこやるんだろう、という妄想は始まっています)その時は今回のキャストでまたやって欲しいですね。

本当に楽しい舞台をありがとうございました。


(余談)
本編終わり、主要キャストが立木さんボイスで役名キャスト名呼ばれる時間。和田君、毎回客席を見渡していて、その姿に薄桜鬼で主演していた時のこと重ねたりしてぐっときてました。


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