詩【シリアス】


12月24日
クリスマス
浮かれている人の波をよそに
演出された慌ただしさ
東京駅の地下を闊歩する僕は
こんな日に仕事だなんて

今年は大きく良いことがあった
人1人産まれたり死んだりするのは
誰だ 誰だろうと大きいことだと思う

幸せの最中にあっても苛つくのは
幸せの形のかたどりにまだ慣れないから
この不器用なはまり方が
何よりの幸せだというのにね

何に対して
苛ついて苛ついて苛ついて
吐き続ける言葉の毒とおべっか
何に関してなのかもわからない

けれどもあえての優しさを自らに探して
逆の方を見てみようとして
苛つきながらも思うのはこういうことで

クリスマスほど
道ゆく人が幸せなのか
そうじゃないのかどうか
好意的な意味合いで考える日はないなと

そういう日ならいいな
とも思ったりする

しかしここはどうしようもないところだから
はぐれてしまった時のテーマパーク
寂しさと不安に苛まれては
不安です 不安です
と連呼する友達も居ないような
たった1人のツアークルー

俺の仕事はどこまでの無価値を価値に
鉢周り膨らみすぎた偽物のビートルズ
書き続ける好意的な話題おべっか
がんじがらめになりながら響くヘフナー
心の奥底でボンボンとリズムを紡ぐ
俺のポールはどこで弾いてるんだろう
俺のリンゴはどこで笑っているんだろう
俺のジョージは俺のジョンはどこに

仕方ないマイクに向けて歌い
左右に揺れながら肩で風を切りながら
そこにないリッケンバッカー
人並みに消えていくメロディー
無価値は無価値のまま彷徨っては丸の内何口?

なんだここは

どうしようと思い迷う果てに
ゴールなんてなくて
続けるしかないと言うことだけがわかるだけ

クリスマスも何も関係なく
浮かれている人並みへの苛つきは俺のもの
この湧き続ける言葉と思い吐き出せること

幸せの形のかたどりに包み込まれ
それだから歩きまた向かう先に
ゴールなんてなくて
俗物であることを確認しては再び孤独ぶった
そんなツアークルーばかり目につく
目を背けたくなるほどではない絶妙な
浮かばれない孤独のなかに
無価値それを価値とすることができる何かが
あればいいなと好意的なことを思わせる

けれども明日にはもう
簡単に翻すようなことだから

それが
クリスマスだって


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