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5.目指すものを明確にする -目的と方向性の大切さ-

「努力をする際は必ず、定まった目的に向けたまえ。そして、その目的を常に頭に入れておくのだ。焦りや戸惑いの原因は、活動そのものにあるわけではない。物事の虚像が、人を駆り立てて狂わせるのである。」

セネカ『心の平静について』

物事や計画の終わりを思い描いたからといって、そこに到達できる保証はありません。
計画は立てて満足してしまうことが多いですが、その考えは甘いです。

ストア哲学では、そんな想定は許されません。
ただし、一つ注意点があります。

「終わりを描かなければ、そこに到達できないのは保証できる」ことです。

ストア哲学にとって「オイエーシス(誤った考え)」とは、魂の混乱を招くばかりか、現実の生活や活動にも混乱や機能不全を引き起こす原因となります。

ここでいう「誤った」とは、不正解であるという意味ではありません。

自分が定める信念、選択に対して正しい判断を下す、納得できるものにするために、その方向性と違ったことをしないようにする、という意味です。

何か定まった目的や目標に努力を向けていないのなら、日々なすべきことがどうやってわかるのでしょうか?

何に対してノーと言い、何に対してイエスというのでしょうか、どうやって何が大切かわかるのでしょうか?

そのような目的や目標を意識しないで、定義しないでいるのなら、どこまでやれば十分なのか、ゴールに到達したのか、それとも道から外れているのか、どうやってわかるというのでしょうか?

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