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計り知れない、おおらかさ


ほんのすこし前からだが、ゆるういゆるういグルテンフリーの食事とおやつを心がけてみたら、どっぷり米粉にはまってしまった。

わたしも家族も小麦アレルギーがあるわけではないのだが、冬にじぶんの肌の調子がすこぶる悪く、からだの乾燥と湿疹に悩んでいたときに、知り合いの方が「ぼく、小麦抜いてるよ」とさらりと言ったのがきっかけだった。
その方の言うのには、以来、なんとなく不調ということがなくなった、と。
1ヶ月半ほど前のことだ。
ためしに、小麦の加工品を摂るのを控えてみることにした。

グルテンフリーに対して、たいした知識も思想もなかったのだが、このところ小麦製品を食べ過ぎている感はあったので、ひとまず基本はお米、そして、これまで小麦粉で作っていたものをすべて米粉に変えることにした。

ひとつ決めると妙に徹底してしまいがちな性格であることを自覚しているので、あらかじめゆるうく設定しておくのは重要だ。
これは長年じぶんと付き合ってきて習得したこつのようなもの。

お醤油など調味料に入っているもの、質のよい全粒粉、人からいただくもの、家族が食べたいと欲したものについてはよしとしよう。
あと、たまに「味取」のパンだけはよしとしよう。
「味取」のパンを愛しているから。
あと、餃子の皮もまあしかたないか。
餃子食べたいもんな。

案外、除外項目が多い。

もともと朝ごはんは、基本的に、ごはんとお味噌汁、それに漬物、塩昆布、あれば少しのおかず、という献立だったので、困らなかった。

あとはおやつ、素朴な焼き菓子を手づくりするのが趣味といってもいいので、初めはすこし悩ましかったが、米粉を使いはじめたら、あっという間に魅了されてしまった。
米粉が こ ん な に お も し ろ い と は!

まず、何にでもなる。
このおおらかさには目を見張る。

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たとえばこのシュー。
カスタードクリームも米。
お茶碗に盛られた米粒と同じものから作られたとは思えない。

あと、家族、とくに夫が気に入りすぎて、なくなってはせっせと焼いて、お漬物のように常備しているのは米粉のサブレだ。
この方のレシピを参考にさせていただいている。

ときどきパンもつくる。
この方のレシピを参考にさせていただいている。

パンほど構っていられないときは、フォカッチャをよくつくっている。
混ぜるだけで、酵母と時間さえあればできる。
この方のレシピを参考にさせていただいている。
ネット万歳!
感謝してもしきれない。

あねの好物で、これまでに何百枚焼いたかしれない、なかしましほさんのスマイルビスケットは、全粒粉はそのままに、薄力粉のみ米粉に置き換えてみたら、いいかんじ。

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蒸しパンは白崎茶会さんのレシピがおきにいり。

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ドーナツも、ホットケーキも、パウンドケーキも、シフォンケーキも、マフィンも、クレープも、全部米粉でいける。
豚まんも、ピザもつくった。
天ぷらの衣は米粉のほうがカリッと感が続く。

麺だけは作れないけれど、これまでは馴染みがなかったビーフンやフォーを使い出したら、これまたはまりだす。

米の変わりようったらすさまじい。
ゆるいじぶんルールの設定もあるけれど、とにかく、まったく小麦を抜いているストレスがないのだ。
なにより、おいしい。

ただ、米粉の種類によって水分の吸い方ががらりと変わるので、扱いが難しいといえば難しい。
ときには失敗して、てかてかのういろうみたいになったり、むっちりしすぎたり、あるいはお餅化してしまうこともあった。
でもそれもまた新たな動機となって、ふつふつと湧き上がっては、夜中なのによくキッチンに立ったりした。

もともとのきっかけだった、湿疹はどうかというと。
さまざまな要因があると思うので一概には言えないけれど、気づけばつるりと治っている。
夫はからだが軽くなったと言っている。
あねはおいしいおいしいとただただ食べている。
食いしん坊のいもうとは、米粉サブレの入った瓶がいったん目に入ると歯止めがきかなくなるので、瓶は戸棚に隠している。

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しかし、もはやグルテンフリーはほとんどどこかへ行って、ただ米粉とじゃれあっている日々。

このおおらかさ、計り知れない。
なんなら米みたいなひとになりたい。

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