週刊少年シチュー3__792x285_

第22号『熱く語らずにはいられないプロメアの話をしよう』

自分のツボ(好きな要素)をこれでもかと全部詰め込んだ作品があったとして、そうなると当然重量過多でキャラクターたちは動けず、まともな話になる筈がない、普通なら。それでもこの作品は、終始加速度はメーターを振り切り、たとえ転んでも決して止まらず、常にアクセルはベタ踏み状態。そんな勢いで最後まで突き抜けてしまう映画の話を、しよぉーかぁーー!!だから読んでいきやがれってぇんだぁーー!!

ゴホン、少々口汚くなってしまいましたが、映画の後は思わず前口上のノリをやってみたくなりませんか?^^今日は思わずアドレナリン全開になってしまう熱い映画の話をしようと思います。

『天元突破グレンラガン』『キルラキル』を手がけた今石洋之監督×脚本中島かずきの最強タッグだけでもテンションが上がってしまうのに扱う題材が「炎」とかね!そんなのエンタメ好きは燃えないはずが無いだろう?映画観てると身体が熱くなり体温が上がること請け合いです。


あらすじと全体な感想(ネタバレなし)

世界大炎上
全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、
突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。
あれから30年――攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。
熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は――。

映画『プロメア』はガイナックス時代から引き継いだ熱いDNAをこれでもかと濃縮して凝縮して圧縮してTRIGGERが世に放つ、文字通り”引き金を引いて銃から射出された弾丸のような映画”でした。その速度と熱量たるや、言うに及ばず。いやー最高に楽しかった!最初から最後まで目が離せないカラフルで独特の世界観と超スピード展開。冒頭で書いたように常にフルスロットル。それだと映画として物語の緩急はないのかって?勿論ありますよ限界速度だと思ってたら、まだ更にそこから加速するのかよ!?みたいな感じの2段加速が。カーレースで喩えるならガソリン燃料だとこの速度が限界?なら大量にニトロ燃料もぶち込めばいいんじゃね?みないなノリが最高過ぎる。無茶苦茶だ、普通はそんな事したらエンジンや車体が耐えられるわけが無い。けれどその無茶を気合と根性とノリと勢いで、ゴリ押し通して走り抜けてしまう。なんだか最終的に「細けぇことはいいんだよ」と妙に納得させられてしまうパワーある作品に仕上げてしまうのがTRIGGERの凄いところ。パワードギア、巨大メカ、マッドサイエンティスト、異能力者、そういうワードが好きな人達にはたまらない全部乗っけの欲張り仕様になってるので是非、劇場で観てほしいなと。感想話はそれからだ。


キャストの熱量も凄いぞプロメア

キャストに松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人?ここだけ切り抜けば「なんだよ、また話題づくりの為やスポンサー意向の俳優採用かよ。観に行くか微妙だな」とあなたが今まで観てきたアニメ映画の苦い経験から、そう思うかもしれませんが今回はちょっと待って欲しい。そう思うのは早計でなのです、実はこの3人、全員が中島かずきが座付作家を務める「劇団☆新感線」に出演していて、加えて松山さんは『天元突破グレンラガン』が大好きだから!確かにガチのプロ声優と比べると最初は見劣りするように感じるかもしれない、けれどそれを補って余りある作品への愛を間違いなく持ってる努力の人だ。なのでこの起用に抵抗ある人も一度彼らの熱演を劇場で観てきてその上で判断してほしい。喉大丈夫か?ってぐらいに叫んでるから。実際松山さん3日目に熱出してぶっ倒れたそうな。詳しくはこちらを参照

3人の声優参加に、中島は以下のようにコメントしている。「松山さん、早乙女さん、堺さんは僕が脚本を書いている〈劇団☆新感線〉の独特のリズム等を理解してくれている方たちなのでまさに第一希望が通った! という感じです(笑)。 松山さんは元々『グレンラガン』等を観ていて『大好きだ!』と話してくれていたので僕も嬉しいです!」 シネマトゥデイより

脚本中島さんの希望キャストでもあるし、実際観ても気にならないレベル。もちろん佐倉綾音演じるヒロインも鉄板だし、『キルラキル』からTRIGGER作品常連になりつつある吉野裕行、稲田徹、新谷真弓が演じる高機動救命消防隊(バーニングレスキュー)メンバー達の掛け合いも最高で、個人的には堺さん演じるクレイ・フォーサイトが楽しすぎる。堺雅人は演技凄い!ってなったのはドラマ『リーガル・ハイ』からだけど『プロメア』はまた別の意味で凄いってなるから是非!劇場の音響で確認して欲しい。

ココがお薦め!TRIGGER作品の妙

一見矛盾しているようで矛盾しない絶妙なバランス感覚とでも言えば良いのか。TRIGGERは相反するもの同士の融合が物凄く上手いんですよ。それは人物だったり物だったり全てがギリギリの鬩ぎ合いで成立するデザインセンスが最高すぎる。例えば作中に登場する主人公専用装備「マトイテッカー」をはじめメカデザインにしたって一見ダサいんだけどなぜか格好良いと思ってしまう矛盾した感覚。そして何光年も離れた星へワープする技術力があっても、武器にドリルやパイルバンカーとかの浪漫装備を実装してしまう頭の悪さ(褒め言葉です)とそのネーミングセンス、最高かよ!登場人物にも内面に規律と狂気を同居させたり、魂が燃え過ぎて熱い漢に火消しの職業に就かせたり、身体が燃えるのに沈着冷静な反組織のリーダーだったりと数えだしたらキリがないくらいに多い。「燃える火消し魂」の謳い文句なんてその最たる例です。思わず「語彙力ってなんだっけ?」となってしまう。言葉は要らない、IQも低くて良い。そんな全開のTRIGGER節を味わってほしい。次第に慣れるとやみつきになります。

それでいて外れない王道展開

『プロメア』が『天元突破グレンラガン』と『キルラキル』の正統血統であると映画を観れば分かるはずです。そんなの主人公の”ガイナ立ち(腕を組んでの仁王立ち)”を見ればわかるって?まあまぁそう言わずに1回だけでいいから騙されたと思って劇場で観て欲しい。大事な事なので3回書きました。この映画で描かれる「憧憬と現実(真実)」「正義と悪(正義)の立ち位置」そして物語の起承転結の「転」になった時に見え隠れする思惑と反転した世界観に何を思うのか?歴代ファンも強く感じるはずです、「あ、これは正統血統だ」と。ある意味お約束でありながら、それでも納得して引きずり込まれてしまう王道展開だもの。

もちろん『プロメア』が初見から楽しめる作品なのは言わずもかな。

プロメアが面白いと感じたなら上記作品2つも最高に楽しめるはずなので手を出して欲しいなと思います。

とにかく大見得切って前口上と共に鼓舞する主人公ガロを筆頭に、馬鹿みたいな熱量と信念を持ったキャラクター同士の魂のぶつかり合いを大画面でみて欲しい。燃える展開には燃えるBGMもセットで更に最高だからb

さっきから最高しか言ってないだろ?って馬ッ鹿お前!TRIGGER熱に当てられるとしばらくは語彙量がどっか行方不明になるんですよ!

だから映画館に行きましょう、きっと「最高」しか言えなくなるから

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