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甘えがベースになっている仕事や人間関係は長く続かない
精神分析学者の土居健郎さんの著書、 『「甘え」の構造』によると、甘えとは、「周りの人に好かれて依存できるようにしたい」という、日本人特有の感情だそうで、確かにこれはそういった民族性があるかもしれません。
日本には昔から独特なユルい人間関係が存在していて、「なあなあ」という言葉があるように、なんとなく曖昧にしておく文化があります。
それはそれで優しさや大らかさなどの良さもあるとは思いますが、「甘え」というのは蔓延ってしまうととてもやっかいで、解決しづらい問題を生んだり、「甘え」があることも気づけないほどわかりにくいものです。
ガツンと叱ってあげたほうがいいことも、まぁいいかぁ〜って許してしまうこともありますが、それは優しさではないですよね。
本当の愛や優しさには厳しさが伴います。
お互いが信頼関係にあるなら、言うべきことは言ったほうがいいし、それで関係が拗れてしまうなら、そこまでの人間関係です。
もちろんなんでもかんでも厳しければいいということではありません。
でも今は時代的にユルいことがいいこととされている風潮があるので、昔のように厳格な先生がいたとしても父兄から敬遠されたり、いき過ぎた指導だとクレームの対象にもなりかねません。
でもね、これからの時代には厳しさも必要なんですよ。
今までの仕組みの中での厳しさというのは成立しにくいかもですが、小さいコミュニティーや信頼できる人間関係においては十分機能するので、厳しい指導やアドバイスはあっていいと思います。
高校の部活などでいきすぎた指導が問題になることもありますが、それは指導以前に指導者側の人間性に問題がある場合が多いので、指導者がトレーニングを受けるような仕組みも必要でしょうね。
これはスポーツだけでなく、ビジネスや文化的なことも同じで、新しい価値観に基づいた指導ができる指導者が少ないことが問題です。
「甘え」がベースになるのではなく、「厳しさ」も含んだ大きな愛や優しさを兼ね備えた人物が、次の時代に活躍する人たちを育てていくのです。
価値観がひっくり返り、新しい価値観が構築されようとしている今、日本人の感性や感覚や文化を最大限生かせるような環境を作りたいですね。
自分も非力ではありますが、北海道で音楽人口を増やし、音楽を通じて自己表現をし、生きがいを見つけていけるような場所にしたいと思っています。
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