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ミツバチが運んでくれた再会🐝

お昼ごはんを食べて、何だか疲れ果てていて眠いなぁと思っていたら突然の着信。
LINEじゃなくて電話してくるの誰だろう?と思いながら画面を見ると高校の頃の先生からだった。

「アユミさん、お家ってコンビニの近くだったよねぇ?さっき近くを通ったから寄ってみようと思って家を探したけれどわからなかったのよ」

「えー先生、電話してくれればよかったのに〜」

「ゴミを捨てに行ったからスマホ持ってなかったのよ。今はお家にいらっしゃるの?いるんだったらちょっと寄るわね」

「わかったー待ってるねー」

そうして、突然家に高校の頃の先生が遊びに来ることになった。

ふらっと遊びに来てくれた先生

先生とわたしの関係はちょっと変わっていて、高校生の頃は1年間しか教わったことがなくほとんど会話もしたことがなかった。わたしがあまり学校に行っていなかったのもあるかもしれない…

高校を卒業して以来ずっとお会いしていなかった先生だけれど、以前にわたしが個展をやった時に偶然の再会をした。よくわたしのこと覚えてたなぁ、と思う。

わたしも刺繍をやっていたので、同じ趣味を持つことがわかり意気投合し一度家にも来てくれたことがあったけれど、その後わたしが体調を崩したり、家を出ていたりしたこともあって連絡先さえわからなくなっていた。


4月のこと。
還暦を迎え仕事をやめて植物と一緒に暮らす友人と、共通の友人で登山をする友人と3人で集まってひたすら喋るという楽しい時間があった。

当初の目的は花屋さんだった友人の素敵なお庭を見にいこう!という事だったのに、何故か迎えに来てくれた友人と車中でミツバチの話になり非常に盛り上がってしまった。友人のやまこさんは「自分がミツバチだという気持ちから抜け出せなくなった時期がある」と言っていた…変だよ!(褒めてる)

そして、その後訪ねた友人宅でその話をすると

「え、実は私も…ちょっと来て!」

出た!巣箱!キンリョウヘンまでセット!


なんとこちらの友人もミツバチを呼ぼうとしていた…

一体なんなんだ!


実は3月に一度我が家に巣箱がやってくるという出来事があって、ずっと養蜂をやりたかったわたしは大喜びしたのだが諸事情により巣箱がなくなるという事件があった…あの時は本当に荒れ狂ったなぁ(遠い目)

っと、話は少し逸れた。
この友人たちとの楽しいひと時の終わりに友人が言った。


「もうすぐ○○○さんと一緒に翁草を見に行くんだー♪」

「え?今なんて言った?もしかして○○○さんって学校の先生だった?」

「うん、そうだよ〜!○○○○○さん♪」

「それ、わたしの高校の先生だ!奥さんもわたしの先生だ!
実は連絡先がわからなくなってて困ってたんだ、わたしの連絡先を伝えて!」


そうして数日後、身に覚えのない番号からの着信。
あ!きっと先生だ!と思い電話に出ると、先生も連絡先がわからなくなって困っていたらしい。

「それはそうとアユミさん、○○さんって同級生じゃない?あのね、あの方のお父さんってミツバチの飼い方なんかを指導されてるのよ」

え、今なんて言った?


「先生、やまこさんから何か聞いたの?」

「え、何も聞いてないよー?」

おかしい…何かがおかしい…

先生にまたお会いしたく「近いうちに遊びに行きますね!」と約束していたのだけれど、バタバタと日々が過ぎていき伺えずにいたところに今日の連絡だったのだ。

話しながら刺繍

今日、久しぶりに会ってわかったのだけれど、わたしが地元を離れている間にも家を訪ねてくれていたらしい。本当に再会出来てよかったー!

わたしが病気で大変だった話、先生の生い立ちや旦那さんとの出会いの話、お互いの趣味の刺繍の話やものづくりの話、色々なことを話したけれどどうしても思い出せないことがあったので質問してみた。

「先生って何の先生だったっけ?」

(おい、だいぶ失礼だぞ)

「えーあなたたちの時って何を教えてたんだろう?日本史?世界史?政治経済??もしかして地理じゃないよね…もしかして地理じゃない?」

「うーん、日本史は同級生のお父さんが先生だったから違うね、私のコースは世界史と政治経済なかった気がするから地理じゃない?」

「えー本当に申し訳ないわぁ!実はね、元々は日本史が専門なのに地理を教えろって突然言われて全然わからなくて勉強しながら何とか授業やってデタラメ教えてたのよ〜!特にドイツの地名とか全然覚えられなくって、誰かに先生って地理の先生じゃないよねって言われたことがあるよ」

二人で大爆笑!

「大人の世界も大変だね〜でもそういう状況になって学ぶこともあるよね」

などと色々な裏側の話や縛られたくないよねーという話、結婚についての話、倫理観の話などひとしきり盛り上がった。

わたしのために刺繍を入れたガーゼハンカチを作ってくれると言って目の前で刺繍を刺し始める先生、同じようにどこにでも刺繍道具持ち歩いていたからわかるよ。

自分で作ったワンピースを着て、自分で作った昔の前掛けをリメイクしたバッグを肩から下げて、腕には自分で作った一閑張りのバッグを掛けて

「今度はこれが出来上がったら持ってくるねー!」

と帰って行った。
(ちなみに一閑張りは中国の漆技術を基礎にして、日本の良質な和紙を原料に編み出した技法)

先生のご主人は元々生物学の先生なので植物にとても詳しい。聞きたいことがたくさんある!!先生の家には機織り機もあるというので、今度は友人のやまこさんと一緒に先生のお宅にも遊びに行くことになった。

そして3月にやってきた巣箱はどこかに行ってしまったけれど、先月友人の家族から巣箱を託されるという不思議な現象が起きた…なんなんだ。

草花が踊るような素敵な刺繍
一閑張りのバッグ
外の文字も内側のダルマも先生が描いたもの
刺繍の中にはミツバチもいた!
カチッとしたわたしの刺繍と自由な先生の刺繍

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