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音楽の夢を追い続けていたら、マクラメに辿り着いた20代

長女を出産した2014年。我が子のために、SNSでたまたま見つけたドリームキャッチャーを見様見真似で作ってみたことが全ての始まりでした。

ドリームキャッチャーの網目から悪夢が通り抜けて良い夢が赤ちゃんへ届く、アメリカインディアンの御守り。

思いが強く込められている装飾アイテムにとても魅力を感じて、それからドリームキャッチャーを少しずつ作り始めました。私がハンドメイドを始めたきっかけです。


もともと、ガールズバンドで音楽を作ったり、興味があった服飾を短大で学んでみたり、卒業してからずっとやってみたかったシルクスクリーンでトートバックを作ったり、私はとにかく自分の手で何かを生み出すことが大好きでした。

出産後〜育児中にママが家で赤ちゃんを見ながら、子供が昼寝をしている時間に、出来ることはなかなか限られてきます。

その中で私が、"ハンドメイドを始めること"は、ごく自然な流れだったのかもしれません。


2015年、25歳の時にStella Sea Fibersの前身ブランドMOPED GIRLSをスタート。ブランド名は、私の憧れの、大好きなアメリカのガールズバンド"Vivian Girls"の曲名からとりました。

↓この写真は自分で作ったドリームキャッチャーとVivian Girlsのレコード。

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1人の女の子の世界観を表したブランドにしようと、女の子の趣味思考、コンセプトなど色々と決めてノートに思いつくまま殴り書きしていました。

その時に思い描いていたことは、例えば主人公の女の子のイメージで宅録で音楽を作ってカセットをリリースしたり、好きな事を詰め込んだZINEを作って販売したりすること。主人公の女の子のお部屋のイメージでドリームキャッチャーやマクラメを作ること!

妄想は人一倍得意で大好きだったのですが、ちょうどその頃、私は1歳半頃の子供のほぼワンオペ育児と、2人目の妊娠中でつわりとの闘い。

やりたい事は沢山あるのに、現実と理想のギャップに苦しくなったり、あれやりたいこれやりたい!と妄想の一人歩きが止まりませんでした。。

ママとしてや妻としてではなく、一人の人間としてのクリエイティブな欲が、おそらく、この時から少しずつ少しずつ蓄積されていき、私の強力な燃料となっています。


とはいえ高校生の頃からずっとバンドをやっていて、短大のときには他大のサークルを通じて知り合った子とガールズバンドを組み、ギターボーカル&作詞作曲として活動もしていて、子供が産まれてからもMV撮影をしたり、CDの全国リリースや、海外でのレコードのリリース、全国ツアーなど精力的に活動を行っていました。

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バンドは私の母や夫やメンバーなど周りの支えがあったからこそ出来ていたことで、、本当に感謝しきれません。


本当は音楽で食べていきたいという夢があったのですが、赤ちゃんが産まれてからというもの行動できるのは赤ちゃんが寝ている間の2〜3時間のみ。

可愛い我が子が目の前ですやすや寝ていて少しの物音で起きてしまうので、とてもギターはかき鳴らせませんでした。

また別の機会にバンドのことは書こうと思いますが、高校の頃から本気でやっていたバンド活動がどんどん出来なくなっていき、私の心にぽっかり大きな穴が空いてしまった感覚がありました。結婚して家族が増えて、本当に幸せなのに、私の喪失感は大きくて。

全て自分の決断だというのに、こんなこと考えてしまうなんて、私はなんてダメな母親なの、、と罪悪感も湧いてきて、"バンドがやりたい"という気持ちはひっそりと心の奥底に、仕舞い込みました。


そのぽっかり空いた心の穴を少しずつ埋めてくれたのがハンドメイドでした。赤ちゃんが寝ている間でも夜中でも、大きな音が流れるわけでもないし、何も余計なことを気にせずに作品を作ることが出来る!

どれだけ寝不足でも、自分のクリエイティブな時間を確保できることが嬉しくて、家事育児の息抜きにもなり、時間さえあればドリームキャッチャーをつくったり、その延長線上で知った"マクラメ"を結んでプラントハンガーやタペストリーを作り始めるようになりました。

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はじめは作った作品をWEB SHOPで販売していて、当時は、ドリームキャッチャーもマクラメも今より作家さんは断然少なかったと思います。

海を感じるインテリアやBOHOが流行っていて、シェルとかスターフィッシュのついた作品がよく売れていました。売上は主婦のパート代くらいだったと思います。


それから、私はハンドメイドで生計を立てるんだ!!!と決意して2017年3月に開業届を出して個人事業となりました。主にマクラメを取り入れたタペストリーやドリームキャッチャーなどの作品を作ってオーダー制作やWEB SHOP販売をしていました。

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そして2018年、ちょうど3人目の出産を控えた臨月のときに、マクラメロープを作ろう!と思い立ち作り始めて、出産後に完成し、無事に販売をスタート!

出産前後だというのに、あの時の、自分の圧倒的熱量は本当に凄かったなと今でも思います。3人目だったから、気持ち的には余裕があったのかも。。

作ろうと思った理由は、単純に、海外ではモダンマクラメのベーシック資材である1本撚りコットンコードが、日本ではまだ売っていなかったからです。海外から毎回取り寄せるには送料があまりにも高すぎるし、、日本にないなら作るしかない!!と。

でも、繊維業界について無知で、そもそもどこでどうやったらロープやコード作れるの?どんな工場にお願いしたらいいの?と、情報が何もなかったし、音楽の夢を追い続けてアルバイター人生だったので就職したこともなくて、社会人経験ゼロ。。

色々と不安要素だらけの中、トライアンドエラーで、少しずつ学び修正もしながら、理想のマクラメ糸を追求していきました。

資金もないから、作品を販売して得た利益から、本当に少しずつ、ゆっくりと確実に。

かなり時間はかかったけど2020年の今になってようやく、タンザニアのフェアトレードオーガニックコットンでマクラメ糸を作れるようになり、自分のやりたいことが形になるようになってきたかなと思います。まだまだですが。。

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音楽でご飯は食べていけなかったけれど、音楽に全力だった日々、出産〜育児に葛藤する日々、全てを通ってきたからこそ、今私は大好きなマクラメを仕事にして日々奮闘しているし、何かが欠けていたらきっとここまで辿り着かなかったと思います。

人生何が起こるか分からないから、とにかく後悔のないように行動すると決めていて、やりたいことはとにかくやる!きっとこれからも!

でも私の癖でいつも焦って急ぎ過ぎてしまうから、たまには立ち止まりながら。。


もしかしたら、MOPED GIRLSで思い描いていた宅録リリースやZINEなどの妄想は、また何年か越しに叶えたいと行動するかもしれません。音楽はきっといつまでも私の一部だから、どこかのタイミングでまたきっと。





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