【映画】「告白」 中島哲也監督


松たか子さんの独白から始まる衝撃の告白。これをワンカットで撮ったというのだからすごい。

母親に捨てられて、承認欲求を拗らせまくった秀才の少年Aと

過保護な母に育てられ、一見、自分が無さそうで、寂しそうな少年B

2人の絶妙なコンビネーションに愛娘を殺された森口先生と桜宮先生。愛娘の愛美は幼い芦田愛菜ちゃん


カルトを崇拝する超絶美少女、橋本愛扮する美月

「俺の家の話」のプリティ花が、まだ幼くいじめっ子役で登場

誰だか面影もわからない能年玲奈

この時から可愛らしい三吉彩花

ヘリコプターの母親役にぴったりの木村佳乃


少年Bは単純だったため、エイズ患者の血液を混ぜた牛乳を飲んだと思わせた時点で彼の人生は下降を辿る。その後、学校を辞めた後も後任のウェルテルを使ってうまいこと追い込んでいき、最終的にはお母さんを殺した罪で施設へ送ることができて
復讐完了!

もう1人の少年Aには、エイズ牛乳が効かなかった為、他の方法を考えた森口先生。と言っても彼自身がそこまで拗らせていなければ、自分で防げたので、自業自得とも言える。人々を巻き添えにして死のうとした結果、自分の1番大切な物を失った。

中学生の純粋そうに見える狂気、心ができあがってないが故の危うさや逃避行動。修哉と美月は若干浮いている。

爆発シーンのスロー再生とRadioheadのLast flowers


湊かなえの原作には無い最後のセリフ、「なーんてね」
「ここからがあなたの更生の第一歩です」の後にニコッと笑って、この言葉を呟きます。ここが鳥肌もの。一瞬、修哉の母に爆弾を仕掛けたのも冗談だよ。とも取れるワードでしたが、多分違って、先生としては生徒のした悪い事は飲み込んで更生を願うもの、それが夫である桜宮も望んだ事ではあるが、私は別にそんな君の未来の事なんか考えてないし、娘の復讐したかっただけだよ、バーカ!のなんてね。かなと思えました。

その前の表情にはこんな事をしても愛美は戻ってこないし、夫もそんな事望んでないのはわかってる。そして、エイズになる事を恐れていない修哉にとって、何が1番の復讐になるかを考えて、それを成功させた喜びからくる嬉しさと虚しさが表現されてた。



この映画に出ていた芦田愛菜ちゃんが大きくなって、藤井聡太棋士との対談でイヤミスが好きと言っていたのが、印象的でした。

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映画感想文

NYでフリーランスのライターと日本語の先生をしています。どこまでも自由になるため、どこにいても稼げるようなシステムを構築しようと奮闘中。