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【子ども】何のために勉強する?何のために働く? 何のために?の先にあったもの|ハヤシヨーコさん

中学生のハローワーク2月ゲストはハヤシヨーコさん。最後、中学生の口から出てきた言葉は「世界平和」だった。この2時間の総括がその四文字になるんだ!この瞬間、私は未来を生きる人を育てる立場にいるんだということを、強く実感した。

ハヤシヨーコさんのお話はこちら↓

印象に残ったこと

大人も子どもも一緒にハヤシヨーコさんのお話を聞いた後は、子どもだけの時間。高校入試直前で参加者が少なかったこともあり、一人ひとりと話す時間がたっぷりある。いつものお手玉の後に「現時点で心に残っていること」を尋ねてみた。

日本とアメリカを行ったり来たりしてる
日本とアメリカは結構違う
「努力しても道が開かれないときは、もっと素晴らしい道が開かれる」の言葉

特に、「努力しても道が開かれないときは、もっと素晴らしい道が開かれる」の言葉はみんなの心に残っていた様子。前回の竹上さんの話とも繋がっているのが不思議だ。ゲストの皆さんは他の人の話を聞いていないし、私たちも意図して順番を決めたわけじゃないのに、いつも次の方へのバトンが繋がっていくんだよね。

まだ「話を聞くモード」の中学生にちょっと質問をして、それぞれの話をしてもらう。オーストラリアに行ったことがあるけど日本とは風景が違ったとか、ハヤシヨーコさんの学校生活と自分の知っている学校生活とは全然違うし夜にダンスパーティしたことなんかないとか、自分はまだ友達の言葉で特別心に残るような言葉には出会ってないとか。自分とハヤシヨーコさんはずい分違う!という印象を持ってはいるようだけど、なんとなく距離は近い感じ。ハヤシヨーコさんのお子さんも中学生だし、お母さんと同世代の雰囲気が馴染みやすいのか。はたまた、学校の勉強が嫌だ!っていう中学時代のハヤシヨーコさんに共鳴してるのか。


質問を集める

今回も質問をそれぞれ考えてもらい、みんなで共有する。これまでとちょっと違うのは、「大変だった仕事は何ですか?」の質問がなかったこと。目標に向かって進もうとしては道が閉ざされ、何度も軌道修正してきたハヤシヨーコさん。そんな話を聞いた後なので、大変な話はもう十分お腹いっぱいだったのかもしれない。それより、中学生の関心は、日本とアメリカの違いや、世界のことに向いていた。

世界をまたにかける人とは中学生のハローワークでも出会ってきたし、今はネットもあるし、日本と海外の垣根ってずい分低くなっている。海外が身近になっているからこそ気になるのかな〜なんて、このときの私は考えていたけど、多分そうじゃなかった。

仕事としては様々なことをやってきたハヤシヨーコさんが、ずっと変わらず持ち続けていた信念。それが通奏低音みたいに、中学生の中にずっと変わらず鳴り響いていたんだなと思う。


ちょっとブレイク

質問を集めた後にも時間があったので、集まった質問のうちの一つ「長男・次男・末っ子の中で、1番大変なのは誰?」の答えを中学生に考えてもらった。

末っ子かな?甘やかされてワガママになりそうだし。
次男かな?長男や末っ子は手をかけてもらえそうだけど、真ん中って放っておかれそうだし。

中学生の答えには「長男」が一切出てこない。そうか、みんな長子だもんね。自分自身は親を気遣ってる、大切にしてるってことなんだろうか。私も三人兄弟の1番上なので、彼らの答えがこうなることは何となく予測できた。中学・高校時代、親が大変そうだと思って反抗しづらかったことを思い出す。(そういえば、生まれた順番の本もある。すぐ読めるのでおすすめ!)

ちなみに、ハヤシヨーコさんの答えは「そんなに変わらないなー」だった。親の立場からしたら、そんなもんなのかもしれない。大変さも可愛さも、一人ひとり違うから。


質問と天才と

さて、恒例の質問タイム。一人ひとりの質問時間がたっぷりあって、とても贅沢!前回のように、質問に質問を重ねることにもチャレンジした。

質問の意図を丁寧に汲み取ってから答えてくださるハヤシヨーコさん。「中学生はどんなことを知りたいのかな?」って、心から興味や愛情を持って接してくださっているのが、すごくよくわかる。

質問の後にも時間があったので、最後にもう少し話を聴くことができた。「一つのことに秀でている人は、苦手もすごく多い」という話。ご自身は「凡人だからバランスを取るようにしようと思っている」とのこと。天才ばかりが集められている学校で働いたときの経験からの言葉だった。

これは、次回ゲストの発達支援をされている清水さんのお話と繋がるかもしれない。


何のために?の先にあったものは

いつも最後は、大人も子どもも再集合して全員の感想をシェアするのだけど、今回は大人が大盛況で人数が多かったこともあり、数名にお願いすることに。

そこで中学生が口にしたのは、「世界平和」という言葉。

職業に就くことが人生の目標なんじゃなくて、世界平和という目標を成し得るための職業であり人生。何のために学ぶのか、何のために働くのか、何のために生きるのか。「何のために」がクリアになれば、どんな職業だって、目標へと続く道になる。振り返ってみれば、ハヤシヨーコさんの話はそういうことだった。

その目標である「世界平和」をしっかりと受け取って、最後にこうして言語化して発表するんだもんな。やはり、これからの未来を生きていく人はすごい。私のチープなまとめの言葉は要らない。(この回から程なくして、世界平和が脅かされているニュースが飛び込んできた。彼らはどう受け止めたんだろうか。)

最後は音楽の力に任せてグロッケンを鳴らし、詩を唱える。みんなに新しい朝が来ますように。

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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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