#154異文化理解に対する日本人と中国人の違い

今回は、異文化理解に対する日本人と中国人の思考の違いについて、考えてみたいと思います。結論からいうと、日本人はバランス型、中国人は強み型と名付けました。

バランス型で平均にこだわる日本人

日本人は異文化において、あらゆる角度から考えて、1つの答えを導き出す傾向があると思います。ポジティブな面もネガティブな面も考慮した上で、結論を出そうとします。相手国の良いところも悪いところも含めて、その国の良さだと判断すると思います。

したがって、政治、経済、外交から日常生活、仕事、ビジネスまで、ありとあらゆる側面から、良し悪しを発信します。それはたいてい、長年駐在している方々やジャーナリストによって、知らされることが普通です。過去に蓄積された経験やデータ、または現地で感じる物理的変化および精神的変化をもとになっていることでしょう。満足に感じる部分もあるでしょうし、逆に不満も溜まっているでしょうし、リアルな感覚が伝わってきます。

なぜバランス型にこだわるのか考えたところ、モノづくり気質および職人気質な性格だからではないかと思いました。製品の質や細部にこだわることの大切さが、実生活を通して刷り込まれていきます。そして、何でも削ぎ落して良くしていこうとします。ダメなものないしは苦手なものは、磨いて削いで普通以上にしていくのがよしとされる風潮があります。

子供の頃を思い出すとわかりやすいかもしれません。自分の強みと弱みをバランスで補っていかなければならない感覚がありました。強みはどんどん伸ばそうとすると同時に、弱みは克服して普通以上にしようとしました。小中学校では、さまざまな係や委員会を経験するのがよしとされました。大人になってもそうで、新入社員はいろんな仕事を経験してから絞った方がよしとされます。

そう考えると、日本人は相手の良いところも悪いところもしっかりと見極めてこそ、異文化の良し悪しを判断できると考えているのかもしれません。

強み1本でのし上がる中国人

中国人は異文化において、ポジティブな面から考えて、答えを導き出す傾向があると思います。ネガティブな面は見ずに、結論を出そうとします。まずは相手の良いところを探して判断するように感じます。

したがって、良い部分を中心に発信することが好まれます。#115中国人あるある「他人はこうあるべきだ」で伝えましたが(ちなみに#115が今まで投稿した中で最も反響があります)、”中国人が外国人に「あなたは客観的に発言しているね」「あなたの意見は中立的な立場だね」と言う場合、高確率で中国寄りの意見、中国を褒めている発言です。中国を褒めていないものは、主観的な意見とみなされます。”という背景があります。

なぜなら、「中国人はそもそもネガティブな意見は聞きたくない」と言う感情を持ってるからです。下記のツイートをご覧ください。中国で有名な竹内亮さんが先日「日中関係はまるで綱引きと一緒で、良い方向に引っ張り続けないと、簡単に悪い方向に引っ張られてしまう。」と述べていました。

良いところを発信することで、悪いところを気にならなくなるという考えです。そのためには、影響力のある人、留学生、若い世代など、中国に親しみを感じる人々が必要になります。

なぜ強み1本にこだわるのか考えたところ、弱みを帳消しにできる(目立たなくさせる)からではないかと思いました。良いところを徹底的に磨き上げ続けることで、悪いところが気にならなくなるという理屈です。

中国のバラエティ番組を見ると、非常にわかりやすいです。得意な人が得意なポジションに就きます。店舗経営では、接客が得意な人、レジや包装が得意な人がいます。スローライフでは、料理が得意な人、トークが得意な人、娯楽で楽しませることが出来る人がいます。旅行では、英語でコミュニケーションがとれる人、お金の管理を任せられる人、計画を立てられる人がいます。職場では、資料作りが上手な人、プレゼンや発表が得意な人、会議でアイデアがぽんぽん浮かぶ人がいます。

このように、得意な人が得意なポジションに就き、苦手なものはやらずに他人に任せることが根付いています。言い換えれば、強みにこだわり弱みを帳消しにするということです。

ということで、今回は、異文化理解に対する日本人と中国人の思考の違いについて考えてみました。中途半端な部分もございますので、改めてもう少し深掘りして考えてみたいと思います。

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