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苺の舞台裏:特製クリームとふわふわスポンジのクリスマスケーキ

Gutsヒロです。クリスマスの季節が近づくなか、今回は特別な苺のホールケーキをご紹介します。普段は公開しないクリームの秘密や、ふわふわスポンジの材料など、裏話も含めてお楽しみください。クリスマスの特別なひとときにぴったりの美味しさをお届けします。


クリスマスケーキ。それはクリスマスの特別な日の主役とも言えるケーキです。私も小さい時から作っていますが、歳を重ねるたびに更に美味しく、更に美味しくと研究して今の技術と知識があります。それのはじまりは、小さかった小学1年生だった頃、その日のクリスマスにはケーキは買ってもらえず悲しい思いをしました。しかし、幼い私は真っ赤な苺の乗ったクリスマスケーキを夢見て諦めることはできませんでした。そして、ケーキを食べたい私に、母はスポンジ生地とホイップクリーム、缶詰のフルーツを私に与えて、手作りをしてクリスマスケーキを作ることになりました。私のパティシエ人生の始まりのことです。
過去の私のnoteです。Gutsヒロのスイーツ・ストーリー「幼少期篇①」
このnoteでは、私のパティシエ人生の始まりで、クリスマスケーキをきっかけにお菓子作りが好きになりました。それは作る楽しさ、食べる喜び、みんなの笑顔、それらの幸せなひととき。
今でも、クリスマスケーキは私にとって特別なお菓子です。皆さんのクリスマスの日が素敵な日になることを願って、今回は、Gutsヒロ流の苺のホールケーキを皆さんに特別に公開したいと思います。


まず、スポンジ生地の作成をします。今では、本や動画などである程度のレベルのスポンジなら経験されている方もいるかと思います。しかし、今回はそれらのスポンジよりもふわふわになる「ある材料」を使った、あまり一般公開されてないレシピをご紹介します。

材料:18cmホール型

このレシピを見て「ハッポーエステル」ってなんだろう?って思った方多いのではないでしょうか。いわゆる製菓用起泡剤製剤です。
私は過去にふわふわのスポンジを作るものの、有名チェーン店のようなもっとふわふわとしたスポンジは作れませんでした。蒸し焼きにしたり、泡だてを増やしたり、レシピ変えたり色々試しましたが、色々な人の話を聞いて辿りついたのがハッポーエステルの存在でした。初めてハッポーエステルを使って仕上がったスポンジは有名チェーン店そのもののスポンジでした。ハッポーエステルを入れるとどうなるかというと、卵液に粘りが出て、気泡は通常よりも多く、気泡が細かく潰れないような作用をします。小麦粉やバターを入れても泡はほぼ潰れません。
興味がある方はぜひこの材料を使って作ってみてはいかがでしょうか。技術がなくてもこのレシピでやればお店のようなスポンジができると思います。


まず、型の準備をします。底はクッキングペーパーを2枚重ねにして入れています。サイドはオーブンシートを型に塗ったバターで貼り付けています。クッキングペーパーを2枚にするのは型に生地をくっつきにくくさせるためです。焼きたての生地を移動する際に便利です。

型の準備が終わりました。

それでは材料です。
卵のボウルにある白いノリのようなものがハッポーエステルです。

スポンジの材料です。

卵、ハッポーエステル、グラニュー糖を、湯煎で35℃にします。
卵液が温まったら、牛乳とバターを入れたボウルを湯煎して溶かしておきましょう。

卵液を湯煎で温めています。

では、泡だてていきましょう。下記の写真を見るとわかるように、泡立ちが細かくてねっとりしてて強い生地になっています。

泡だてています。

泡立てが完成したら、薄力粉をふるいながら入れます。2回に分けて入れましょう。

薄力粉はダマが多いのでふるいます。

薄力粉はゴムベラで混ぜましょう。ある程度、荒く合わせても泡は潰れにくいので2回目の粉を入れたらしっかり混ぜましょう。

2回目の粉を入れた時です。生地が力強いのでしっかり混ぜれます。

次に牛乳とバターを入れます。入れる前に、泡だてた卵液を少量入れて混ぜたものを用意すると、メインの生地にダメージが少なく混ぜやすいです。

バターと牛乳に少し生地を入れてるところです。
この生地は潰してもいいのでここでしっかり混ぜます。

バターと牛乳を入れてしっかり混ぜたら型に流して焼きます。
予熱したオーブンで190℃で30分焼きます。

焼くところの写真です。

焼けたら、軍手やつかみを使って、焼いた生地に「蒸気抜き」をします。型を7cmぐらいの高さから台に落として生地に衝撃を与えます。2〜3回やりましょう。縮みを防ぐことができます。

そして、すぐに冷ますため型から生地を取り出します。底抜け型の下にコップなど置いて生地を取り出します。底の型もすごく熱いので気をつけて作業しましょう。

見えないですが焼けた生地の下にコップを置いています。

そして、生地を逆さにして網があればそこに置いて冷ましましょう。逆さまにすることで生地の状態を安定させます。

逆さまにした生地。紙やオーブンシートは取らなくて大丈夫です。

生地がしっかり冷めたら、生地をスライスします。厚さは2cmです。
作業始めるまでラップをして乾燥しないようにしましょう。

ふわふわ生地です。

それではパーツの材料を用意します。シロップ、苺、クリームを用意します。

シロップの材料です。

  • 水:45g

  • グラニュー糖;45g

  • ホワイトラム;20g(お子様がいる場合は水で大丈夫です。)

これらを600wレンジで1分加熱し、グラニュー糖を溶かしておきましょう。


では、苺の準備をします。今回はLサイズの苺です。1パックに15個ぐらい入ってると良いです。
苺は3種類のパターンに切ります。
1、形の良い8個を半割します。(写真の左下)
2、丸い苺3つぐらい使って、3m mに円盤状に切ります。8枚用意(写真の真ん中)
3、残りの苺を2〜3m mにスライスします。(写真の右上)

準備した苺です。


次にクリームを作ります。Gutsヒロの特別レシピを大公開です。すごく美味しいクリームです(^^)
ちなみに、生クリームより、ホイップクリームの方が美味しいレシピです。

  • ホイップクリーム:220ml

  • マスカルポーネチーズ:100g

  • 練乳:44g

  • グラニュー糖:11g

これらの材料を全部合わせて、5〜6分立てにします。とろとろの状態です。

この写真を目安に泡立てください。

このクリームのうち130gをとり、別ボウルで8〜9分立てにします。

130gとったクリームです。

それではケーキを組み立てていきます。
まずスライスしたスポンジの底の方を台におき、シロップを打ちます。全体的にしっとりさせましょう。少しびしゃびしゃするぐらいでも良いです。

シロップを打ってるところ。

それでは、130gのクリームを使い、スポンジに2〜3m m厚さに塗ります。
その後、2〜3m mにスライスした苺を並べましょう。

このような状態です。

苺が濡れていたら、キッチンペーパーをふわっと置いて、馴染むようにいちごに当てましょう。

このような感じに水分をとりましょう。
次のクリームがのりやすくなります。

では130gのクリームを1部使い、苺の高さにクリームを塗ります。

このような感じに塗ります。

それでは、スライスしたもう1枚のスポンジを乗せましょう。ずれないように気をつけてください。
スポンジを乗せたら、シロップを打ちましょう。

シロップ2回目打ってるところ。
ちなみに少しシロップが余ります。

それでは130gクリームの残りを全て使って、「クラムどめ」します。クラムとはスポンジの細かい粒のことを言います。本塗りをいきなり始めると表面がクラムだらけになって汚くなります。
130gのクリームを使い切って薄く塗りましょう。生地が透き通って大丈夫です。

クラムどめした状態です。

クラムどめしたクリームが余ったらそれは捨てて大丈夫です。

私はパレットナイフにくっついたクリームでこのぐらい余りました。
写真でもわかるように生地の粒々がいっぱいです。

では、本塗りしましょう。5〜6分立てしたとろとろのクリームで塗っていきますが、ホイッパー(泡立て器)で固さを調整して塗っていきます。このクリームは1回ホイッパーで混ぜるだけでデリケートに固さが変化するためです。

ホイッパーで固さ調整します。ツノが立つ程度まで固くしますが少しツノがお辞儀するぐらいがベストです。

余談ですが、ボウル内の左側と右側で泡立てを分けると良いです。右側だけ固くして、もし固すぎたら左側のいじってない柔らかいクリームを右側に入れて調整するといったことです。

クリーム状態のイメージです。

では、クリームができたら生地の上面に乗せましょう。厚さは3〜4m m目安に塗ります。

クリームを乗せてるところ。
影で写真写り悪くてすみません。
パレットナイフで上面をならした状態です。

それでは側面にクリームを塗ります。私の説明のクリームの状態はクリームが柔らかくて扱いが難しいかもしれませんが、柔らかいほど仕上がりが綺麗になります。

まず、大雑把に側面に塗っていきます。多少クリームが厚くても大丈夫です。

パレットナイフで側面を大雑把に塗っているところ。
大雑把に塗り切った側面のクリーム

ここからはパレットナイフの角度と向きを気をつけながら2〜3周、回転台を回します。途中パレットナイフにくっついたクリームがいっぱいになったらはらいましょう。

2〜3周すると、クリームが盛り上がって、上面を塗ったところより高さが出ます。

写真のように、側面のクリームに高さが出ます。

ではこの高さが出たクリームを平らにならします。

パレットナイフを右から左に動かして、パレットナイフとケーキの上面を平行にして盛り上がったクリームをはらって平らにします。これを回転台を回しながら全体的にやりましょう。

平行に動かしてならすのは難しいかと思いますが、パレットナイフがケーキに当たった瞬間、力を入れずにクリームの上を滑らすイメージです。

側面のはみ出たクリームが取り除き、平らになっています。


クリームの作業が終わり、ホールケーキの土台が完成です。お疲れ様でした。
ここで30分ぐらい冷蔵庫に入れてクリームを落ち着かせましょう。

完成した土台です。

仕上げに参りましょう。私はトルテカッターというもので印をつけます。
下記の写真のケーキの上に乗ってるものがトルテカッターです。(カッターといいますが、決して切るものではなく印をつけたり間隔を合わせるために使います。)

トルテカッターで印をつけてるところ。

今回は1.5cm丸口金で絞っていきます。私と同じケーキを作る時は、トルテのどこにクリームを絞るか見てください。全て左から右に絞るものです。外側のクリームは左側で絞り、内側のクリームは右側で絞れば、全て左から右に絞ることができます。

トルテカッターの印を見て、絞り方を見てください。

では、苺をのせます。形の良い8個を半割した苺と、円盤の苺を使います。

まず一角だけ乗せました。
クリームがないところに苺を乗せるイメージです。
円盤の苺はクリームに寄っかかるように乗せてます。
トルテカッターの印の内側に収まるように乗せましょう。

では全体に乗せましょう。

苺を全部のせるとこんな感じになります。

では、苺を美味しく見せるためにナパージュを塗ります。非加熱製のものがいいです。

ナパージュを塗りますが、クリームに触らないように気をつけましょう。

次に、ミントをのせます。製菓用のピンセットを使いました。
ピンポイントでケーキが美しく見えるように繊細にのせてます。

ミントどこに置こうかなぁ〜


さぁ、おまたせ致しました!完成です!

完成しました、お疲れ様でした。
真上から見たケーキです。

では実食しましょう!
久しぶりに食べる苺は美味しいです。苺は最高ですね。クリームは、マスカルポーネと練乳が入っているので味わいは濃厚ですが、ホイップクリームの植物性のクリームは重くはなく食べやすいクリームです。スポンジはフォークでスッと入る柔らかさで、口に入れればすぐに溶けてしまいます。生地とクリームが美味しいので苺と一緒に食べると本当に、最高のひとときです。1カットでは物足りない美味しさでした!

あとがき

クリスマスケーキの制作にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。このケーキには私なりのこだわりや、秘密が詰まっています。クリスマスの素敵なひとときに、皆さんが喜んでいただけることを心から願っております。今後も様々なレシピをお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに!

Gutsヒロ

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