これからのハイパフォーマーとは何か
AI・ロボット・感染症と激動の時代。どんな時代でも成果を上げ、価値を生み、周囲に好影響を与え、人間的にも成熟している。この様なハイパフォーマーとはどんな人材なのか、また、そうなるには何をしていくべきなのか考察をする。
過去のハイパフォーマーとされた人
これまで優秀と考えられた人たちには似た特徴があった。
・高学歴で論破志向
・良い看板(会社の名刺)、職位
・過去の成功を武勇伝
バブル崩壊後、学歴や特性を生かしたイメージどおりの行動ができること、安定的に成果を創出し続けることが求められ、再現性高く実現できる人間をハイパフォーマーと呼ぶようになった。
これからのハイパフォーマーとは
成果達成の効率や、企業競争率が上がり、人材育成の方向性も明確になり、コンピテンシー視点で見られる様になってきた。
一方、コンピテンシーを強烈に捉えすぎ、デメリットも明確化した。
つまり、個人に焦点が当たりすぎるため、チームが軽視、与えられた目標以外の力が出せない事象が発生。また。過度のプレッシャーを負うことになり、ストレス過多になってきた。
仕事のストレスにはマインドフルネスが医学的に効果ありとされているので、ストレスマネジメントに併せてご覧ください。
これからのハイパフォーマーは限定的なイメージではなく、バラエティーに富み、柔軟性、チーム思考が求められる。つまり、ダイバシティー(多様性)のチームをまとめ上げ、価値を編集・創造し、再現性可能な人材である。
個人の要望を深く傾聴し、組織目標に沿う形に仕事・内的報酬をデザインし、個人の目標達成、自己成長を実感させるようにしなければならない。
これが可能になれば、他者の力を最大限引き上げて、成果をあへることができる。
ダイバーシティの鍵はエンゲージメント
仕事のダイバーシティに生かせるキーワードとして、エンゲージメントをあげたい。
エンゲージメントとは、給与アップや昇進等の物質的報酬を期待するものではなく、自分が取り組んでいる仕事に、やりがいや面白みなどの精神的報酬を感じながら、のめり込んでいるさまを指す言葉だ。
エンゲージメントすれば、
・高い成果創出へのこだわりが生まれ
・没頭して効率が高まり
・組織への帰属意識が向上し
・働く意味を実感
できる。つまり、のめり込み、熱狂・熱中している状況だ。
仕事をしろと鞭打つわけではなく、楽しいから仕事をしている状態に、「エンゲージメント自体」をマネジメントしなければならない。
人の管理ではなく、のめり込む状態にすべく「仕事環境自体を作っていくイメージ、つまり、ジョブクラフティング」という感覚だ。
単純に、みんなで和気あいあい、楽しく盛り上ろうという状態ではない。単なる楽しさは生理学的特性が大きく、持続させるのが難しい。
エンゲージメント状態を高めるには、楽しい気持ちを「興味関心」へと発展させることが肝要だ。
例えば、
・能動的に自身が行動・体験し
・疑問を自分自身で、興味関心をもち調査する
・それを誰かに教え、フィードバックを入手し、更に成長する
これを繰り返し、自己実現へと結びつけていく
という状況だ。
ポイントは、
・誰かの指示ではなく、自分で判断して構築する選択
・より効率的な方法を模索し、チームで存在意義を見出す
・それが価値につながり、組織と自分が成長すること
そして、社会からも求められる様になれば、このサイクルがより高速でまわり成長していく。あとは自動で周りだす。
これからのハイパフォーマーまとめ
チーム構成員一人一人の動機を、チームの動機とすり合わせて、各個人がのめり込める様に環境をデザインする。その中で、各人がのめり込める様な仕事を自身で見つけ出し、自動で周りだすように促していく。
その活動の成果が価値があるようにファシリテートし、社会からも求められるレベルにまで周囲に影響が出せるようにする。この、個人とチームのポジティブサイクルを繰り返し、双方が成果を上げていく個人・チームがハイパフォーマーと言えよう。
キーワードは、ダイバーシティ、エンゲージ(のめり込む)、ジョブクラフティングにあるのではないだろうか。その源泉は、行動することから始まり、行動の結果疑問をもち、関心事を自分の意思で調査し、改善した行動で成果を上げることだ。
ハイパフォーマーには、この成果を上げるまでの、仕事環境、ジョブクラフティングの支援ができる企業文化が必要になる。
参考文献
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