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自己破産事例から、身の丈のお金のつかい方を学ぶ

法律事務所に事務員として勤めていた頃、個人の方の自己破産の案件に携わることがあった。

仕事をしながら、自分もいつ何があって破産するかわからないと思い、債務者の方々はどういう経緯で破産に至っただろうか考えていた。
破産といえども、様々なご事情があって破産することになられたと思うし、ご本人の習慣そのものが原因ではなく、周囲の環境によるところもあったかもしれない。

ただ、個人のお金のつかい方が原因で債務整理や破産に至ったケースもいくつかあり、
これまで見た事例から、どういったお金の使い方を心がけたらいいのかまとめてみた。


1.浪費癖をつけない

多重債務者の方の家計収支表を拝見する機会があったが、借金以外の日用品の買い物などにおいて、収入に見合わない買い物が多い傾向を感じた。

「それ今いらないだろ?」て客観的に思ってしまう買い物が多いと感じたが、CMやテレビショッピングや通販サイトなどを見ていて、衝動的にほしい!と思ってたくさん購入してしまったなんてケースもあった。

外食が多い事例もあった。
多額の借金で返済が難しい状況のはずなのに、複数人での外食だろうが、1万円以上の外食が最低でも月に2回あったり。
どういう内容の外食をされているのか気になったが、自炊でも食費は抑えられるし、外食をしようとしてもお店を選べばもっと費用を抑えられた気がする。

通信費、特に電話代が高い事例もあった。
今ならプランを見直せば、電話代が安いプランに乗り換えることもいくらでもできるはず。
業者に言われるがままに通信費が高くなるプランを契約させられた可能性もあるが、あれこれ考えるのが面倒くさい気持ちはわかる。
通信費を抑えたいなら、どうしたら費用を抑えられるか、パンフレットやネット記事など色んなものを参照して、自分に合うプランを決めたほうが納得できるだらう。

色んなものが溢れていて、物が気軽に買える現代社会において、一瞬でもほしいと思ったものは何でも買うような浪費癖がついてしまうのも仕方ない気がする。

だが、いざ多額のお金がいる際に、普段の買い物に浪費癖があると、なかなか貯金がすすまないしお金の工面にも困るかもしれない。

普段の食料品や日用品の買い物でも、普段から本当に必要なものだけを買うように心がけたほうが良いと思った。

買い物といえども、ご事情あって費用をかけざるを得なかったこともあろうし、これが悪いとか一概に責めることはできない。
だが、その時にお金のつかい方を改めるタイミングがあれば、債務整理などには至らなかったかもしれない。

中には、営業職として働いている方の事例で、ノルマを達成しようと自分でも商品を自分で買えるだけ買うことを繰り返した結果、借金が積み重なってしまい返済が困難になってしまったケースもあった。

これらの買い物について、毎月の収入から少しだけでも貯金を残したうえで、すべて収入から貯金を差引した範囲内での支出ならいいかもしれない。

2.嗜好品や娯楽にお金をかけすぎない

娯楽は息抜き程度がちょうどいい。

ギャンブルはお小遣いの範囲内ならいいと思うが、射倖心が掻き立てられるがままに、お金を積み続けるのはよくない。
それに、仮に自己破産申立をしてもギャンブルしている事情があれば、免責決定を受けられない可能性があると聞いたことがある。
免責決定を受けられないと、抱えている債務の支払い義務を逃れられない。

娯楽費も同様にお小遣いの範囲内ならいい思うが、つかいすぎるのはよくないと思う。

ストレスが溜まっていると、現実逃避してストレスを解消しようと、気付かぬうちに娯楽費が増えてしまうこともある。

お金のつかい方の面で考えると、ストレスを解消する手段を娯楽以外にもいくつか用意していた方がいいと思った。
特にお金がかからないもので。

お金がかからないストレス解消の方法とて、私は散歩に出かけることをオススメする。
運動で体を動かすのもいいと聞くが、私とか運動が苦手なうえに運動神経が悪い方には、ジムに通うとか家でトレーニングするのはハードルが高い。
散歩ならトレーニングよりもしんどい思いもしなくていいし、周りの景色を五感で感じとりながら歩いていると、新たな発見や気づきに出逢えて楽しい。

3.無理なローンを組まない

マイホームにマイカーに、エステに宝飾品に家電製品など。

高額商品については前々からローンを組んで買うことができるし、
誰しも一度は何かしらの商品をローンを組んで買ったことがある人も多いだろう。

「自分が本当に必要と思って買おうとしているか」
いずれも購入してローンを組む前に、自分にもう一度問い直しておきたい。

思い返してみると、そこまで必要でもなかった買い物もあるかもしれない。
家族や友人や知人などの勧めだとか、周りの雰囲気に飲まれてついつい買ってしまったものもあるだろうし、
もうちょっと検討してから買ってもよかった商品もあるかもしれない。

実際の債務整理や破産の事例で、
勤務先の倒産やリストラなどで収入がなくなり、住宅ローンの残債等が払えなくなって債務整理や破産に至った方もいらっしゃった。

ローンを組んで商品を買うことは否定しないが、最悪の状況まで想定したうえで、大きな買い物をすることを心がけたほうがいいと思った。

4.多額の借金の連帯保証人にならない

家族や知人などに多額の借金がある場合、絶対に保証人や連帯保証人にはなるなと、昔から聞いたことがある。

金額も何千万円以上と多額の借金を背負うことになると、大抵は借金で首が回らなくなる。

借金の内容は、住宅ローンであったりギャンブルによるものなど。
多額の借金をした家族が蒸発したため、連帯保証人の自分に借金がまわってきた事例をを見たことがある。
水商売をされている方や芸能人の方が親の借金を肩代わりしていて苦労されたエピソードを聞いたことがあり、
テレビやドラマの世界でしかありえないと思っていたが、実際にある話と知って驚いた記憶がある。

5.まとめ

自分自身に身についてるお金のつかい方なんて、小さい頃からの家庭環境や習慣が大きな影響を与えているのだなと改めて思う。

お金は計画的につかいましょうなんて言うけれど、一度贅沢を覚えると、なかなか生活水準を下げるのは難しい。
誰かに客観的に見てもらって、お金の使い方を変えていかないといけないだろうが、一度慣れてしまった習慣はそう簡単に変えられない。
変えていくのにも苦痛をともなうことがある。

でも、今の生活だとまずいという意識があれば、1ヶ月あたりの家系収支表をつくってみて、思い切って第三者に相談してみるのも一つの手かもしれない。
自分では考え付かなかったような指摘やアドバイスをもらえるかもしれない。

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