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宝物と、大切な記憶

益田ミリさんの『今日の人生』(3巻)に、宝物について考える場面があった。 


「宝物ってなんですか?」
って質問されたらなんと答えよう?


ミリさんはしばらく考えたあと、
やっぱスマホ!!とこたえる。


それを見て、私の宝物ってなんだろうと考えた。

大切なものならたくさんある。
気に入っているものも。
日常的に使うもので言えば、スマートフォンだって大切に違いない。
(新しいスマホはピカピカ光って、見ためは宝物みたいだ)

宝物という響きは、とても「個人的なもの」な気がする。
そして、小さい頃の方がいろんな宝物を待ってたような気がするのだ。
どこかで拾った綺麗な石とか、友達からもらった小さな手紙とか、交換していたノートとか。

小学生の頃、友達とタイムカプセルを作って、家の庭に埋めたりした。
そのときも、宝物だと思うものをケースのなかに入れたはずだ。
(そのあと引越しすることになって、タイムカプセルは掘りかえした。物語を書いたノートや、キーホルダーが入ってたような。もう今はないけれど、そうだったような記憶だけ)

少し考えて、
宝物と呼べるものは亡くなった人からの手紙だ、と思った。
敬愛していた作家さんで、私の文章を褒めてくれた。
すごく弱っているときに、今でもときどき読みかえす。クローゼットのなかに、それこそタイムカプセルみたいにしまってある。
高校生のときにもらった手紙、たくさんの年賀状、結婚してからもらった手紙……
訃報があったときの喪失感も、一緒になって思いだす。

いつまでも待ってるから、焦らないで。

そんなふうに何度も言ってくれた先生だった。
その言葉をときどき思いだす。
普段は忘れてしまっていて、ほとんど思いだしたりしない。
それでも私にとっての宝物は、間違いなくあの手紙だ。
あの手紙を越える宝物を得ることは、もうないような予感がする。
「宝物」は、大切な記憶と直に繋がってる。

宝物という言葉で思いだしたのは、
『ぼくの宝物絵本』という本。


穂村弘さんが紹介する、宝物みたいな絵本のこと。宝物という言葉自体、児童書や絵本を連想させる。

穂村弘さんの言葉で語られる絵本はそれぞれ個性的で、小さな頃の記憶が呼び覚まされる感じがする。
その感覚、肌触り、言葉から想起されるもの。
絵本のなかで自由に伸び縮みする世界のこと。

その全部が、目に見えない宝物なんだろう。


この前、長男の国語の教科書を見ていたら、宮沢賢治の『やまなし』が載っていた。
初めて読んだとき、なんて綺麗な文章だろうと思った。
11歳のとき。
その文章に憧れて、私は自分でも物語を書いてみようと思ったのだ。そのときの気持ちを、まだ今でもよく覚えている。

宝物と、大切な記憶。
そんなテーマで物語を書いてみるのもいいかな、と思った。



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