"幸せのクローバー"って知ってる?
クローバーの愛称で名高い、シロツメクサ。
私は昔、四葉のクローバーを見つけるのが得意だった。そして、三つ葉だらけの中にポツンと佇む姿が、なんだか周りに馴染めない私と似てるなんて親近感があって好きだった。
三つ葉の成長段階で傷つけられたものが、四つ葉のクローバーになる。ちなみに、自然に四葉のクローバーになるのは1万分の1〜10万分の1だそう。
傷つかないと得られない幸せ。まるで等価交換のようだと思う。
最近は、四葉のクローバーキットなんてものも販売されているけれど、お金で買える幸せって儚い気がするのは私だけだろうか。
話は戻るが、四葉のクローバーを見つけるのが得意だった頃、よくお家に持ち帰り、押し花にしてその美を永遠に閉じ込めていた。
「見つけるのが上手いって言っても、何時間もシロツメクサ畑でにらめっこしてるんじゃないの」と思われそうだけれど、それは否定しておこう。
一面に広がるシロツメクサ畑から、すぐに見つけられるのだ。パッと見たら四葉のクローバーはそこにある。まるで、私と目が合うのを待っているみたいに。
そんなある日のことだ。いつものように見つけた四葉のクローバーを持ち帰った時、母が私に言った。
「あなたは、今幸せじゃないのね。」と。
衝撃だった。
母曰く、私が幸せだと感じていないから、四葉のクローバーが見つかるというのだ。
たしかに、あんまり幸せだと感じたことがなかったかもしれない。なるほど。四葉のクローバーが、私に幸せが来るようにとお手伝いしてくれていたのか。
そういえばいつの間にか、シロツメクサを眺めても四葉のクローバーを見つけることがなくなった。
きっと今、私は幸せなんだろう。
今日の帰り道、シロツメクサを見てふと思い出したのだった。
お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。