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漫画原作と国内アニメ100億円の現状。

こんにちは、雲州はとむです。今年もまたゴールデンウィークが近づいて来ました。マスク着用も自己判断になり、おそらく大勢の観光客が名所に溢れるのではないかと推測します。

ただ今年のGWは、お花見の見頃を全部過ぎちゃってるんですよね。これには観光地も企画会社も頭を抱えてるそうです。JRが告知している「あしかがフラワーパーク大藤祭り」も、もう明後日にはほとんど花が落ちてるんじゃないかな。


私は以前から連休中には、スーパーコミック・シティin東京ビッグサイトで同人誌を配布する以外、絶対に絶対に!!! 外出しないと心に決めているので、いつもと変わらず家の中でアマプラを観たり、小説やマンガを描いたり、猫と遊んだり地元で食事したりとまったりモード。

さて、そんな本日はちょっと驚きのエンタメニュースが発表されました、ドドン!



キムタク信長と日本アニメの明暗について。


木村拓哉主演の「レジェンド&バタフライ」が、なんと映画公開からわずか二ヶ月で、アマプラにて配信!

ツイートを辿るとまあまあ、「大コケしたから、早くに配信を決めたのだろう」という声が多いんですけど、これ製作側も苦渋の決断だったろうなあ……。



キムタクが岐阜祭りに生出演した時、物凄い観衆が集まりましたよね。普段からジャニーズに無縁な人や、SMAPファン以外も大勢いたと思います。

あの映像をテレビやネットで観た時には「もしかして、この映画そこそこ当たるんじゃないかな」とちょっとだけ思ったんですよ。元々私は、子供の頃からの熱烈な信長夫妻の大ファンなので、前売りムビチケを購入していました。

だけど蓋を開けたら、製作費の20億円に果たして興行収入が届くか分からない不況っぷり。実に興味深かったのは、製作費抑えめの「わたしの幸せな結婚」が、思わぬ大ヒットで「SnowManの目黒蓮が、キムタク超え」と騒がれた現象ですね。



「わた婚」も、支持だけでは無かった。


「わたしの幸せな結婚」は、大ヒットしたライトノベルとコミックス原作ありの和風SFベースファンタジー作品です。私は結局、初日に観て二回目もプラチナBOXシートで見ました。三回目もそろそろ行こうかと思っています。




いまだに、Twitterでは企画が続いています。出演者のインスタ配信も。

同じジャニーズの先輩後輩対決になったわけですけど、「わた婚」もけして原作ファンが両手を上げての大喜びという映画ではありませんでした。



「原作では清霞が主役ではなく、美世なのに」「清霞がマンガのイメージと離れすぎている」「美世が、原作と比較すると生き生きし過ぎている
」など、元々のファンからの不評も多かった。

しかしながら、私のように

「原作の二人を好きになれずとも、映画版は最高にツボ!!」
「目黒蓮をはじめ、キャスティング全員が最高だった!さすがは塚原あゆ子監督!!」
と言う支持者と。

「全く知らない原作だったけど、かつての『帝都物語』や『陰陽師』を感じさせる!」
「男性だけど、和風サイキックバトルストーリーとして、とても楽しく観られた」
「特撮ニチアサファンは燃える!」

という評価がとても大きかったんです。



日本では大人気コミックスの実写版と聞けば、失敗作の列が並ぶネガティブなイメージ続きだったけど、「わた婚」はそれを覆した貴重な作品でした。こんなにマンガ原作で盛り上がったのは「るろうに剣心」「銀魂」以来なんじゃないかなあ。


その「るろうに剣心」の実写映画を監督した大友啓介さんこそが、今回ソッポを向かれてしまった「レジェバタ」のリーダーだったのが、なんとも皮肉に感じます。


巨額を稼ぎ出す日本アニメ映画の現状。


本当にこの二ヶ月はアニメ映画の大作続きだったし、おまけに超人気ゲーム「刀剣乱舞」の実写版と、来月末にはNHKの「大奥」と二大看板となった、天才脚本家小林靖子による「岸辺露伴ルーブルへ行く」も公開予定!!


……あれ、、私今年に入ってムビチケ何枚購入したっけ……。覚えてない……。


まあいいや。「刀剣乱舞」は初日に4DXとプラチナBOXシート(舞台挨拶ビューイング)、翌週に普通シートで観覧。来週もう一度行きます!


とにかくですねえ、GWをターゲットにした「名探偵コナン」「鬼滅の刃」新作に加えて、超化物世界的壮絶ヒット「The First slam dunk」(略してザファ)のビッグウェイブが止まらない手がつけられないんですよ!!! 







「ザファ」に燃える、韓国と台湾、そして中国!


私達「スラムダンク」連載中第一世代の時も、そんりゃあ映画館では壮絶な風景が繰り広げられたものです。昭和当時はまだ少年ジャンプ作品は独立した映画作品ではなく、「東映まんが祭り」のタイトルの一つに過ぎませんでした。

ただ最初に言っておくと、アニメ映画に大量の女性客が初日早朝から結集し、ピンク色の悲鳴を上げながら泣いて泣いて、好きなキャラクターを応援したのは、「スラムダンク」が初めてではありません。遡れば、その15年前くらいからヒステリー鑑賞は存在しました。



声優の三ツ矢雄二や水島裕、鈴置洋孝、古川登志夫、古谷徹、そして今や裕史と健児という壮絶な人気を誇る息子二人と、孫も声優を務める野島昭生の「バンド、スラップスティック」の時代。「六神合体ゴッドマーズ」や「サイボーグ009」テレビシリーズ放送中。

本格的な幕開けは「キャプテン翼」「聖闘士星矢」


私が小学校六年生の時でしたね、その大変化がスタートしたのは。それまで、熱烈なアニメファンが「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」の初日の朝早くに、新宿東映前に長蛇の列を結成する事は珍しくなく。



「ガンダム、アニメ新世紀宣言」が企画された時には、歌舞伎町周辺に大量の警察官が動員され、地方からおにぎりと水筒、青春18きっぷを握ってやって来た大勢の青少年達の列整理に当たりました。



当時企画をした松竹の上層部やアニメージュ編集部は、「二百人もきてくれたら良いな」と思っていたとのこと。二万人ですからね……、そりゃ事情を知らない大人はみんな、震えますよね。

その中に、当時大阪芸術大学在学中だった庵野秀明や岡田斗司夫、前田真宏、そして後に彼らと「超時空要塞マクロス」を作り出す、AIBOのデザイナー河森正治や美樹本晴彦、富野由悠季監督の一番弟子である「ファイブスター物語」原作者永野護、「ロードス島戦記」「天空のエスカフローネ」キャラクターデザイナーの結城信輝など、錚々たるメンバーがまだまだ無名の青年として並んでいた昭和。



その波とはまた別に、第三次ベビーブームに生まれた私達女子。令和では当然となった「絶叫応援上映」や池袋乙女ロード、ボーイズラブなど日本を代表する文化を作り上げた世代は、「キャプテン翼」と「聖闘士星矢」の映画初日に朝早くから並び、涙を流して彼らの戦いっぷりに狂乱したものです。

その二年後かな〜、「女性失神者続出のアニメ映画とイベントライブ!」とかってタイトルで、特番放送されたんですよね……。「ガンダム」を作ったサンライズが、そんな少年ジャンプアニメに負けじと生み出した「鎧伝、サムライトルーパー」の声優ライブで。池袋のアニメイトが木造三階建てだった頃です。




時代を総塗り替えしていった少年ジャンプ。


最近はどんな人気作品でも普通に開催される「応援上映」も、キッカケを作ってくれたのは「テニスの王子様」の許斐剛先生です。彼は自称「ハッピーメディアクリエイター」ですから、武道館や東京ドームの二万人ファンイベントにあたり、「バーコード決済」「通販事前予約」「カウンター30席の支払い口」など、次々とファンの為に発案してくれました。

地方からの遠征ファンが少しでも早く帰路につけるようにと、コノミンが実施してくれた色々なシステムに、知らずに恩恵を受けている人もたくさんいるでしょう。彼は今、病床に臥せって念願のコロナ禍明けテニフェスにも登壇できないでいます……。



これからも、神伝説は続くだろう日本アニメ。


30年前くらいに、「もののけ姫」「エヴァンゲリオン劇場版」の大ヒットやハリウッド&カンヌでの受賞に沸いた日本映画界にて、北野武監督は「もうアニメだな、アニメじゃなきゃ儲からねえわ」と呟きました。その彼もいよいよ、最後の作品と予想される戦国時代劇にて終焉を迎えようとしていますね。

私が感じるには、これからも日本アニメの快進撃は数年続くと思います。ただ、優秀なアニメーター達に対して、国や行政はまだ全く支援の手を差し伸べてはいません。彼らは血反吐を吐くような重労働に値するお給料をもらえていない。

そういう事情から、果たしてこのアニメ100億円次代がいつ終わるのか、明確な判断はできませんけど、欧米の日系大金持ちとか国内の大手企業とかがいっそアニメ会社を買い取ってくれないもんかなあ。




私はとりあえずまだ「コナン」「鬼滅の刃」最新作はかなり先でも公開日は全然続くだろうし焦っていなくて。そろそろ上演ラストの「わた婚」「刀剣乱舞」をもう一度観ます。

結局、「slam dunk」をここまでのし上げたのは、三十五年前にジャンプを深夜のコンビニに買いに走って、ブーム絶頂期で新入部員30人から50人のバスケ部に入り、鎌倉へ聖地巡礼に行き、毎週のようにアンケートハガキを集英社に出し続けた私達の世代。そして彼ら彼女達が自分の子供らと、「これは青春の素晴らしいドラマだ!行こうぜ!」と一緒に映画館で感動した結果なんですよ。



特番続くから、忙しくなるぞ……!!!



支えるのは、初日興行収入とリピーター!


この5、6年は「国内ドラマがパッとしない」とか「同じような恋愛物、刑事ドラマばかり」と記事を目にするけど、面白い大河ドラマは「鎌倉殿の十三人」のように大ブレイクするし、「大奥」みたいにファンミーティングに応募は殺到するし。「チェリまほ」「おっさんずラブ」のようにアジアで社会ブームを巻き起こす。内容が濃厚ならきちんと結果は出ることを証明している。

この100億円の興行収入を支えている基礎は公開日の売り上げ、そしてリピーター数です。初日に莫大なファン数が動いたからこそ、「刀剣乱舞」「コナン」「鬼滅の刃」の劇場グッズは初日に完売。「わたしの幸せな結婚」に至ってはパンフレットもキーホルダーも映画館カウンターで買えず、公式が六月分の予約受付をしています。

私は現在、テレビドラマはまず最初の一話を観て、つまらんかったら視聴も録画もやめてます。

凄いタイトルがぶっ続け公開になっていて、
それどころじゃないんだもん!!!


タイBLもまだまだ人気シリーズを追えていないし、「ガンダム、水星の魔女」も毎週トレンド独占だしガンプラは秒で完売している。ボーッとしてたら大切な商品を買い逃してしまうし、企画電車に乗れないしコラボメニューも食べられない!!

お花見シーズンもひと段落ついて、夏までマンガ原作の100億円大作が根城推し。ムビチケ特典もすぐ売り切れてしまうので、「First slam dunk」「鬼滅の刃」などをこれからまた見返す方は、公式Twitterを見逃さないようにご注意を!

 


「生きるということへの、問いかけのドラマだ」


最後に、「機動戦士ガンダム、新世紀宣言」で若き日の永野護と、後にその妻になる声優、川村万梨阿が読み上げた文章をここに。



古今東西、伝説として若者達に語り継がれているアニメはずっと「生きるということに対しての、問いかけ」でした。

「鬼滅の刃」では、理不尽にある日突然家族を惨殺された炭治郎が、鬼と化した妹を背負い全身全霊をかけて生きていく物語だし、「機動戦士ガンダム」は、大人達に見捨てられた子供たちが、戦争という極限状態の中で兵士となり、もしかしたら友達になれたかもしれない同世代に殺され、実の親よりも優しく接してくれた年配者を殺さざる得なかった。

令和の今、若い世代も私達昭和世代も未来に絶望しきっている。そんな社会をせめて明るく力付けてくれる。それが漫画原作のストーリーやオリジナルアニメであり、日本があのハリウッドさえも超越した素晴らしい文化なのです。

こんな暗黒の時代に、アニメに関わるたくさんの人々からたくさんのプレゼントを貰って成長した私は、本当に本当に恵まれた子供で、そして大人になりました。監督や企画会社、そして原作者さん達に心から感謝したい。




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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。