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電車に揺られながら書いた独白⑦・ファスティングしてて気づいた、人がコーヒーを手放せない理由

会社の通勤電車に揺られながら、

ただスマホでひたすら書き連ねた独白です。

今回は「ファスティングしてて気づいた、人がコーヒーを手放せない理由」のお話。

ファスティング21日間成功の裏にあった「本当の話」


私は4年前、ファスティングを21日間やったことがある。

理由は「今抱えてる起業のタスクに一点集中するために、
食べるというタスクを削るため」

なんて至極単純なものだ。

やること減らせば一点集中できるもんだと思っていた。

紆余曲折の上に21日間の断食に成功し、

ファスティング21日間達成したその充実感と体験談を
俺はSNSやブログで報告し、賞賛を浴びた。

しかしその過程の内情においては、
賞賛とは裏腹と言ってもいいだろう。

俺がその当時SNSで書けなかった話をする。


職場から戦力外通告を受けた男の話。


ファスティングを21日間達成したのは間違いないのだが、
その過程で、俺は働いてる現場からクビを言い渡された。

理由は「職場で寝てたから」

ファスティングというのは飲み物にも制限があって、
カフェインを含む飲み物を飲むことは許されない。

仕事をしてて眠気覚ましにコーヒーを飲むわけだが、
準備食、回復食とあるので実質35日間、
コーヒーを飲むことを許されなかった。

俺は職場で頑張って寝ないように、
眠くてもトイレでごまかすように取り組んだんだけども、

それでも身体がいうことを聞かず、
気付かぬうちに心身の疲労に耐えきれずに寝てしまったのだ。

ファスティングやってる間は毎日重たい酵素ドリンクと
2リットルのペットボトルをかついでいた。
重たい荷物を抱えて毎日出社して、その重量に耐えきれず
出勤退勤だけで体力を消耗してしまったのだ。

帰宅した直後に派遣会社から電話がかかってきて、
常駐先企業で寝ていたことを咎められ、
俺は常駐先業務から外された。

言ってしまえば「戦力外通告」である。

「俺は寝たつもりはない」とどれだけ弁を並べても無駄だった。
寝てしまった様子を、常駐先企業のカメラでバッチリ写されていたからだ。

寝ていたことが発覚し、常駐先から切り離され、
エンジニア派遣会社の個室に閉じ込められ、そこで仕事することになった。

俺が招いてしまったことだけども、居心地の悪さはどうにも切り離せなかった。

そんな状況をSNSに載せるわけにはいかなかったのである。


眠りと死は似て非なるもの

テレワーク隆盛な、人と無理やり会いに行く必要もないであろう、
今の時代なら寝てることを咎められず、
ファスティング21日を達成できたかもわからない。

俺のつまらない意地、見栄を張るために、
当時いた会社の人間に迷惑をかけてしまった。

今思えば俺にしてみるとファスティング21日っていうのは
「別にやんなくて良かったこと」である。

さて、職場で仕事する人の多くは眠気覚ましでコーヒーを飲むことが多い。

その心理を考えてみたのだが、
「仕事が心底やりたいものでないから集中力が切れる」

というのが主になると思う。

好きなゲームをやるときはコーヒーを飲む必要はないだろう。

あと思ったのは、眠りにつくことに対して恐れがあるのかもしれない。
眠ってしまう間は意識がなくなる。
死とは似て非なるものだが、その意識を失う様は死を連想させる。

「永遠の眠り」とかそういう言葉があることかもそれは言える。

寝ているその間は意識は現世にまったくないからだ。

そして人間というのは完全に寝たタイミングを掴んでいない。
だから俺も「寝たつもりはない」と言っても
疲れたタイミングで寝落ちしてしまったのである。

ファスティング21日間の真実


ITインフラの仕事というのも俺が好き好んで選んだものでもなかったし、
そんなことよりもがんばって起業すべきで、
成功するためには起業家として振る舞うのが何より大事だと思っていた。

それでも、人生で初めて戦力外通告を受けたのはショックだった。
常駐先の現場をリリースされ、派遣企業の一室に閉じ込められ、
俺がまた仕事で寝ないように見張られるような日を過ごした。

そんな苦難の日を過ごしていることを俺は誰にも言えなかった。

SNSでは相変わらずリアルに充実した有様で振る舞っていたし、
意識高い仲間たちにも自分の弱みは見せなかった。

「俺は起業家だから、何やっても順調なのさ!」ってね。

俺が恥をかいた有様を見せたくなかった。俺がついてきて嘘がバレてしまうし、
みっともない姿を他人に見せたくないからだ。

しかしSNSでの投稿は迷走が過ぎたものになっていた。
ファスティングをやって健康意識高く振る舞ったと思えば、
今度はラーメン二郎を食べたり、大食いにチャレンジしたりする。

俺の元コーチに呼び出され、俺の節操がないさまを咎められ、
やがて迷走は止まった。


聞こえてきた自分の心の声


ファスティングの最終日、21日目あたりのことだった。

ファスティングに使う重い荷物を抱えて会社に来るなど
無茶を繰り出してきたのだが、
自分を疲弊させる無茶を繰り出したある時に、
自分の心の声が聞こえたような気がした。

自分の心の中の子供が、とても大泣きしているヴィジョンが思い浮かび、
鳴き声が聞こえたような気がした。

いわゆる「インナーチャイルド」ってやつだろうか?

ファスティング21日やって仕事、お金、時間、信用と
失ったものがあまりにも多かった。

ただ一つ得たものがあったとしたら「自分の心の声」が聞こえたこと。

何も得たものがなかったのような21日間だったが、
形而上学、スピリチュアルの道へ進むきっかけになったのかもしれない。

それがあの時書けなかったファスティング21日間の真実である。

終わりに

ファスティング21日をやらずにコーヒーとか飲みながら仕事してれば
あの時仕事中に寝なかったかもしれない。

だがファスティングやってる時は準備食回復食でも
コーヒーは飲めないから、実質35日は睡魔と戦っていた。

東京にいた時は全てが悪い方向に転んだ。

振るわないのは会社の仕事だけではく、
結果を出せず、自分の力以上のことを出そうとしていた起業塾でもそうだった。

意識高い誰かといると気楽だとか、そういうのもあんまりなかった。

俺からすると、楽しかったのは会社以外の、
そして意識高い誰といるよりも、
誰にも邪魔されない自分だけの時間だけだった。

そういうこともあって、
会社以外の誰かと過ごせばそれが幸せで健やかかと言われると、
そうでもなかったのだ。

仕事をクビになった人生初めての経験だったが、
今振り返ると長期ファスティングでデトックスしたのは
腸内環境とかじゃなくて、

「自分の心の中の何か」だったのかもしれないー。

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