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コロナのmRNAワクチンは承認のレールに乗った。アメリカと世界でこれから起きるシナリオについて考えよう。

最近ロックダウンでやることがないので頻繁にノートを更新してます😅。
さてコロナワクチンの問題ですが、ご存じのようにバイオンテック・ファイザーとモデルナの中間解析結果が発表され、世の中はもうワクチンが出来たと騒いでいます。今月1日に記事を書いた時点ではアメリカ大統領選も終わっておらず、「科学は政治に影響されるべきではない(キリッ)」という感じで製薬会社もFDAも厳しい態度でワクチンを扱っていましたが、大統領選でバイデンが勝ち製薬会社が良好な分析結果を発表した途端、孫が生まれたお爺ちゃんのように官民スクラムで何でもオッケー、という熱い掌返しが生まれたように感じます😓。

ワクチンが政治的であったことが再認識され、それはそれでコロナを収束させるためには良かったかもしれません。そもそもFDAの長官は最高裁判所の判事などではないのですから、国民の生命に対して独立機関として一身に責任を負える立場では無かったのです。
アメリカのFDAはアメリカ合衆国保健福祉省(通称:HHS)の部局に過ぎません。FDA長官の上司はHHSの長官にあたり、HHSの長官は大統領権限継承順位11位の閣僚です。FDA長官は毎日何千人も死んでいくような疫病の下で個人で責任を負うようなポジションではない訳です。ですから本来であれば政治がその責任を取ってあげるべきなのですが、トランプ大統領のせいでその機能がおかしくなり、迷走していた印象です。
現時点では何が起きているのかというと、重要役職にある要人がコロナワクチンの認可に言及し、近い将来国民に接種できるというイメージを与えることにより、FDA自体の責任が軽減されて行っています(成果のアピール合戦とも言う)。よってよっぽど深刻な問題が出ない限り、緊急的な使用の許可であれば、ワクチンのEUAは近々承認されると考えます。FDAがプライドを見せてワクチンの条件を付けるかもしれませんが。

では次にどんな問題が出てくるか考えましょう。このノートでも過去に問題提起していますように、ワクチンが認可されてもさまざまな問題が予想されます。列記しますと、

1. mRNAワクチンの冷凍配送(既に表面化)
2. ワクチンの効果がどの程度持続するか
3. ワクチンを誰から接種するか
4. 副作用の懸念
5. ワクチン懐疑派、反対派の抵抗
6. 富裕国と非富裕国のワクチン格差。国家間ワクチンを巡る争い
7. ワクチンが行き渡る前の被害への対策、ロックダウン等

こういった問題です。

各国にとってワクチンは喉から手が出るくらい欲しいものです。なぜなら経済の行き詰まりを解消するほぼ唯一の特効薬だからです。その意味ではアメリカや一部の先進国が「コロナに勝った」と宣言し始めたら、「えっ?うちの国はどうなの?」という声が世界中で出てくるので、その対応が遅れると国によっては政権が倒れたり革命がおきたりします。従ってワクチン確保合戦が白熱します。それは製薬各社のワクチンが世界でバンバン認可されたり、各国オリジナルワクチンが乱立する可能性を内包しています。パンドラの箱は開いて、ロシアや中国を非難していた人たちが自国で同じようなことを始めるかもしれません。

アメリカ自身も上記3の問題、誰が優先してワクチンを接種できるのかという問題に向き合わないといけないので、選択を迫られます。つまり
「ワクチンのEUAをさっさと複数承認して早急に国民全体に手配する」
「コロナとの戦いは終わっていない、と楽観論を引き締めるか」
の選択です。

3日前にも記事を書きましたが、これから冬を迎える地域はコロナの感染スピードに驚かされることとなるでしょう。まだ北半球はコロナ禍での冬を経験していません。想定していないことが起きる可能性もあります。
春にパンデミックが起きた時は、各国ロックダウンに踏み切りそれがBLM運動やデモ・暴動に繋がりました。施政者はそれを恐れているはずです。
ヨーロッパは一足先にロックダウンに踏み切りました。これはクリスマス時期にロックダウンしていると、国家経済的にも、家族が集まれないという国民感情的にも最悪のことが起きるので、11月の暇な時に先に通過してしまおうという意図があります。アメリカでは11月26日にThanks Giving Dayがあり、いち早く規制に踏み切ったクオモ知事に警察や商店は「従えない」と反発しています。少し事情が異なります。
そうなるとアメリカも、遅くとも12月には、ワクチンの承認とコロナ感染者数の増加、それに伴う行動規制の是非で、日々議論が沸騰することになります。寒い地域は最悪クリスマスは外出禁止という可能性もあり深刻です。

またメディアには政権が変わった時に「ハネムーン期間」というのがあるのはご存じでしょうか。政権交代が起こった時、その初めの期間は批判を控えるという現象です(ただし2016年のトランプ政権の時は無かったと言われます)。100日という期間が守られるかはわかりませんが、今は政権批判がタブーの時期なのです。しかしもうしばらくして、ワクチンを接種して副作用が出てきたり、それ以外にも新政権がミスをしたと思われた時には、メディアからの容赦ない攻撃が手ぐすねを引いて待っているでしょう。今批判が出ていないからといって、全てが予定通り行われると考えるのは早計です。

事態は日々流動的ですが、私達はそういったシナリオにも備えておかないといけないと考えます。

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