見出し画像

脳科学理論を使えば凡人でも天才クリエーターになれる1

脳科学理論を使えば、凡人でも天才クリエーターになれるという話です。

天才クリエーターの存在感

一握りの天才クリエーターは確かに存在します。
凡人では思いつかないようなハッとするクリエイティブを生み出すような人たちです。
彼らは、コピーやCMやデザインやコンテンツを通じて見事に消費者の感情を刺激し行動を促します。
よいクリエイティブに出会ったときには、理屈では説明できないけどとても心を動かされる体験をはみなさんも経験あるのではないでしょうか。

なぜ凡人にはできないことがクリエーターにはできるのでしょうか。

(私のような)凡人がクリエーターになれない理由

どうしてクリエイティブは凡人には生み出せないのでしょうか。
マーケティングの理論を駆使すればできてもいいようなものなのに。

私のような凡人に人の感情を動かすクリエイティブが作れない理由は、そもそも人の感情がどうして生み出されるのかがわからないからです。
もちろん、クリエイティブを生み出す能力やセンスがないというのもあります。しかしそれ以上に、どういうものが人の感情を生み出すかがわからないのです。自分の感情が動かされて初めて、あ、これはいクリエイティブだな、と感じる程度が関の山です。

どうしたら人の感情が動くのか。
それは感情を動かされた本人さえわからないことなのです。
なぜなら、そもそも人は無意識の領域でいろいろ判断して行動しているからです。人の行動の95%は脳の無意識の判断によるものらしいのです。
無意識の行動なんて私のような凡人には消費者の行動が予測できません。

そのような消費活動に理論でアプローチすることは、マーケティングがもっとも苦手とすることです。
なぜなら、マーケティングが前提としている「自由意思のある賢い消費者」の自覚的な活動と矛盾するからです。

マーケティング調査で、消費者にいくら聞いたところでほんとのところはわからないんですね。だって、なぜ自分がその商品を選んだかは消費者自身、自覚してないんですから。

どうしてクリエーターはクリエイティブを生み出せるのか

そういう中で、クリエーターの人たちは、マーケティング調査に頼ることをしません。とある有名クリエーターは実際の仕事現場ではマーケターをチームに入れないとのことです。その方がより消費者のほんとの姿に近づけるというのです。

クリエーターの人たちが、コピーやデザインを生み出すプロセスは、マーケターとは全く異なるアプローチです。
消費者に聞かずに、消費者をひたすら観察します。言葉ではなく行動を見るんです。
そして自分が消費者になり切る”イタコの憑依”を行います。消費者になり切ることで、ほんとの姿に近づこうとしてるんですね。
そうして見えてきた消費者像に対し、技術を駆使してクリエイティブを生み出すというのです。

このようなアプローチで生み出されたクリエイティブの数々は、後講釈的にマーケティングの理論で語られることはあっても、マーケティングの理論から生み出されたものはほとんどないんですね。
だからこそ、そのような才能に長けた一握りの人材が重宝されているのです。

クリエーターの腕の見せ所 ブランディング

そんなクリエーターがもっとも力を発揮する場面がブランディングです。

ブランディングとは、企業や商品に抱くゆるぎないイメージを作り上げることです。
ブランディングがうまくいくと、消費者は自然とその商品を手に取って選んだりしてしまいます。
もっとブランディングの効果が高まると、そのロゴを見るだけでよだれが出たり、幸せな気持ちになったりすることにもなります。

そんな効果を発揮するブランディングという活動では、クリエーターが大活躍します。
企業のロゴのデザイン、パッケージのデザイン、商品名、広告クリエイティブなどあらゆる消費者の目につくものを、長期的に一貫したイメージを刷り込み続ける活動を統括するわけです。

その結果、ロゴを見ただけで人によだれを出させたり、幸せな気分にしてしまうなんですごいことですね。
なんでそんなことができるのかは、マーケティングの理論ではなかなか説明しきれない、クリエーターの天才性によるところが大きいのです。


ブランディングの脳科学的な定義

ブランディングとは、消費者に企業や製品への「親しみ」や「支援してくれるもの」という感情を植え付けることが目的です。
このような定義の仕方は、マーケティングにおけるブランディングの定義よりもはるかにシンプルでわかりやすくなってます。

参考までブランド論におけるブランディングの定義を引いてみますと、
「ブランディングは精神的な構造を創り出すこと、消費者が意思決定を単純化できるように、製品・サービスについての知識を整理すること」(ケラー)
となります。なんだか漠然としてますね。

脳科学が説明するブランディングのメカニズム

マーケティングの用語ではなかなか語られないブランディングのメカニズムは、かわりに脳科学の言葉が説明してくれます。

消費者に企業や製品への「親しみ」や「支援してくれるもの」という感情を植え付けることでなぜブランディング効果が得られるのか。
それは、脳の特性から説明できます。

人の心はとても複雑な感情を持っていますが、実は脳を見てみると 快⇔不快という幅のグラデーションに過ぎない、という驚きの事実があります。その快⇔不快のグラデーションに対しシチュエーションに応じて感情的な言葉を当てはめたものがココロなんですね。

では何が「快」で何が「不快」なのでしょうか。
その答えはシンプルで脳は自分の味方なら「快」、敵なら「不快」と瞬時に判断するというのです。
味方というのは生命を脅かさないもの(危害を加えないという確信や”おいしい”とか”守ってくれる”などの報酬を与えてくれるもの)で敵というのは生命を脅かすもの(危害を加えるものや孤立させるもの)です。
このような脳の機能は、狩猟社会の生存戦略のために脳が発達した結果です。

そして、味方であると瞬時に判断されたとき、脳はそれが自分にとって良いものであると判断し、好きであるという感情を生み出すのです。

つまり、企業や製品に対して消費者が味方であると感じ取ると「親しみ」や「支援してくれるもの」という好きであるという感情が生まれるということなのです。
そしてこれが無意識のうちに瞬時に行われているのです。
企業の製品やロゴを見たときにこの好きという感情を無意識化で生み出させることが、ブランディングというわけです。

では実際に人に感情を植え付けるブランディングはどうやって実現できるのか。天才クリエーターではない私のような凡人でもできる可能性を脳科学は示してくれます。
さて、ここまで書いたところで長くなってきたので、続きは脳科学理論を使えば凡人でも天才クリエーターになれる2に脳科学理論でブランディングする方法について書きたいと思います。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?