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2021年9月の記事一覧

家族にも薬の危険性を説明しておくことが必要らしい

家族にも薬の危険性を説明しておくことが必要らしい

添付文書は薬の使用上の注意や用法用量、効果や副作用などを記載した文書である。普段 医療関係者ですら真面目に見ることはないものの、精神科医にとって重要なことがいくつかある。

アリピプラゾール(エビリファイ)、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)に添付文書に書かれてあることである。

1.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあ

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向精神病薬を服用している人の授乳

向精神病薬を服用している人の授乳

【質問】向精神病薬を飲んでいる女性は母乳を上げるのはやめた方がいいですか?

【答え】ほとんどの薬の影響は少なく授乳をするメリットは大きく続けた方がよい。しかし影響はゼロではなく「やめた方がいいか?」と不安に思うのであればやめておいたほうが良い。

向精神病薬を服用している女性が母乳を上げるかどうかは難しい問題である。

抗精神病薬の母乳への影響参考文献:第二世代抗精神病薬を内服中に授乳をする場合

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SCAP法による多剤併用大量投与の改善

SCAP法による多剤併用大量投与の改善

抗精神病薬を減量するときに比較的安全と考えられている方法がある。

SCAP法 国立精神神経医療研究センター

SCAP法の注意点先に注意点を説明しておく。

1.安全性が確認されたのは限られた範囲である安全性を確認したのは、抗精神病薬2剤以上、CP換算値500-1500mgを服用中の人を対象に3-6か月かけてCP換算量20%を減らすという点だけである。

CP換算で1500mgを超えた人 や 2

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微量の抗精神病薬と民間療法を勧める医師

微量の抗精神病薬と民間療法を勧める医師

世の中にはいろいろな人たちがいる。

精神科の世界でも「抗精神病薬は(少量ではなく)微量しか必要がない」「民間療法を使えば良くなる」と主張している人たちがいる。

こういった類の話をするとすぐ誤解し、文章をよく読まずに感情的に批判する人が続出するので先に結論を述べておく。

微量の抗精神病薬の有効性や民間療法を否定する気はない。しかし、こういった一般的ではない主張をする人たちは「上手くいかない人た

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7時間睡眠が最も死亡率が低い

7時間睡眠が最も死亡率が低い

どのくらい眠るのが一番良いかは難しい問題である。

7時間眠る人が長生き7時間睡眠をしている人が最も死亡率が低いというデータがある。

7時間睡眠の人と比べた死亡率
4.5時間未満 男性 1.62倍、女性 1.60倍
9.5時間以上 男性 1.73倍、女性 1.92倍
出典:Kripke DF et al. Arch Gen Psychiatry 2002

日本人を対象としたデータでも、
7時間

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