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優しさという名の承認欲求〜①人の不幸は蜜の味ちゃん編〜

私が精神を病んだ時、人の入れ替えが目に見えるようにわかった。
心でも感じだし、体感したし、人の汚さを笑っちゃうほど実感した。
今後の人生で活かせるよう、特に印象的だった人達を記録に残そう。

【①人の不幸は蜜の味ちゃん】
名前は蜜の味。
...ではなく、ミクちゃん。

彼女とは共通の知り合いがいて、休職中に10年ぶりに2度目ましてで偶然会った。
優しいと評判の彼女が鬱病になったと耳にしたのはいつのことだったのだろう。
彼女は幼い子供を育てるママになっていた。
偶然会ったあの日、昔の風の噂を思い出し、私も病気のことをつい話した。
病気になって数ヶ月が経過し、外出できるほど元気になってきたところだったので、笑い話程度に、仕事に行けてないのよ〜なんて話した途端、心配してくれてLINEを聞かれた。

そこからほぼ毎日、2ヶ月半に渡り、一日何十通、朝から晩までLINEがきた。

内容は毎回ほぼ一緒。

「おはよう」から始まり

「今日の体調はどう?」

「心配だよ」

「今日は何してるの?」

そんな内容だった。
返信すると、即既読がつき、雑談(といってもこの病気の辛さ、ミクちゃんのママ友、子育て、お金の悩みなど)へ流れた。

早い日は朝7時過ぎからLINEが入っていた。

返信すると、更にまたLINEがくるものだから一日ミクちゃんに追われることになる。

段々と既読をつけるのを遅くした。

返信しないと、複数LINEが入ってることも少なくなかった。

私も最初は優しさだと思っていた。
というより、痛みがわかるからこそ心配してくれてるんだと思うようにした。
前評判だけでなく、彼女自身も人から優しすぎると言われることに悩んでいた。
少し違和感を感じながらも、こちらも一人孤独に耐えてる環境下だったので、こんな私に近づいで心配してれる人は貴重だとも思った。

私には理解できないほど、心配という言葉を使って気にかけてくるので、なんでこんな毎日LINEくれるの?と何度も聞いた。

「だって私達友達じゃん、心配するの当然❤️」
と返信がきた。

会ったことあるの2回だけどな。


とは言えず。


今の私ならLINEをブロックするだろうけど、当時の私はこれらの違和感に目を背けた。

「もえちゃん、お休みしてるならお家に来ない?私子供いるからそっちには行けないんだけど、子供と暇してるし、話聞くよ」

こんなLINEが20回以上きた。
ちょいと待て、あなたと私、結構距離あるよ?なぜ電車乗り継いで一時間以上かけてあなたに会いに行かなきゃなのよ。
断る度に「遠慮してる?」のやりとりがしんどかった。
そもそも、しつこく誘っといて、子供いるから家出れないってなんやねん。

しまいには、
「家の子供に会っちゃうと、自分と比べちゃって気持ちが更に落ち込んじゃうのかな?」と言われた。

「???」

ワタシガアナタノカゾクヲミテウラヤマシクテオチコムダト?

ちょっと何言ってるかわからない。
普通に行きたくないだけだし。

とは言えず。

「もえちゃん、お仕事何してるの?」
「〇〇を扱ってる企業で働いてるよ」
「あー、私知ってる。友達の旦那が働いてるかも。a田b司って男、会社にいない?」

いねぇーよ、そもそも〇〇扱う会社、日本に何社あると思ってんだよ。そして、ペラペラと友達の旦那のフルネーム勝手に他人に晒すなよ、こいつ私のことも同じことするな。

とは言えず。

「もえちゃん、結婚しないの?」
「今は身体のこと、仕事のことで頭がいっぱい。それにもう子供の選択がないからこそ、結婚制度に縛られてないかな」
「えー、子供諦めないで!子供可愛いよ!私、鬱病ひどかった時に旦那がいなかったら今ここにいないと思う。結婚も大変でね、旦那の稼ぎが少なくて悩みもあるけど、やっぱり支えてくれる人がいるっていいもんだよ❤️もえちゃんにも幸せになってほしい」

は?子供諦めるな?
私が幸せじゃないとでも?
世の中には色んな幸せがあるんだっつーの、勝手なアドバイスはセンスなさすぎっ視野狭すぎっ、ゼェーハァー
ってか旦那の稼ぎ少ないとか言ってるけど、あんたが稼げばいいやん。

とは言えず。

他にもあるけど割愛します。


そんな彼女とのLINEはこんなやり取りで幕を閉じました。

おはよう、体調大丈夫?今日は何するの?

のいつもの流れから、

「今日は友達家族14人で旅行なの。」

とその日の予定を正直に返信した。

私が心から尊敬する友人達は、絶賛子育て中であっても、旦那さんが仕事を調整出来る場合は旦那さんや子供達も一緒に集まって、数年に一度、全国各地から集まって一緒に旅行している。

もちろん、そんな経緯は伝えてないが、ミクちゃんには会いに行かない私が、友人達とは旅行する。その友人達は全員ママで子供がいるのに旅行する。子供を理由に自分は外出できないと人にだけ負担を求めたり、旦那の稼ぎを理由にお金に悩んでいるあなたとは違う。
少し嫌味を込めて、返信したつもりだ。

私の意地悪が伝わりますように。


彼女からの返信は一言だった。

「へぇ」

その一言でLINEが途絶えた。

もちろん、私からもLINEは送ってないので、それっきり。

あれだけ毎日のように体調を心配してくれていたミクちゃんは、元気になった私が友人と旅行することを喜んではくれなかったようだ。

ちなみに、旅行当日、友人達に自分の病気のこと、仕事を休んでることを軽く話した。
誰一人、心配という言葉は使わなかったし、アドバイスもされなかった。
ただ、そっか、大変だったねと私の気持ちに寄り添い、今の私を受け入れてくれた。
深くは聞かず、人生そんな時もあるよね、大丈夫とみんなで抱きしめてくれた。

その旅行をきっかけに私の病気は回復していった。友人達には心から感謝している。

後になって気づいたが、彼女が私にLINEを送っていたのは、彼女の旦那が不在の時だった。

*LINEは朝7時30〜夜19時頃
*土曜は隔週
*日曜は基本来ない

旦那不在時の寂しさなのか暇つぶしなのか、彼女に満たされないなにかがあったのは間違いない。

閉鎖的に閉ざされた空間で過ごしていたからというより、彼女自身の心の問題で、誰かと比較しなければ幸せを感じなかったのかも。

偶然私と再会した彼女にとって、私より不幸な人みーつけたって、どこか嬉しかったんだろうな。

メンタル病んだ独身女より家族のいる私の方が幸せって、私と関わることで味わってたのかもね。

ホラーやん。

あー、こわ。

悪いな、ミクちゃん。
一瞬立ち話したけど、私の人生先を急ぐわ。

ほな。


②アラフィフ女子高生編へ続く。




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