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騙されないためのダークパターンの7類型

梧桐一葉(ごどういちよう)
→ 梧桐の葉が一枚落ちるのを見て秋の到来を知る意から、物事が衰える兆し。

物事には必ずピークというものがある。

その瞬間が可視化できればいいのだが、そう簡単に可視化できれば誰もが上手くいくということになる。

あのとき利確しておけば良かったとか、もう少し利確するのを待てば良かったということが往々にして起こるように、ピークの見極めはできるに越したことはない。

けれども、あまり追いすぎると破滅するかもしれないし、追わなすぎなければ回収が中途半端になるというわけだ。

結論、ピークの見極めはできないと割り切った方がいいし、そんなことを考えるよりは、ピークだと思える根拠が見いだせるようになればいい。

つまり、たとえ下した判断が間違っていたとしても、迷うことなく判断ができるようになることが重要だ。

そして、そのためにはやはり的確な情報のインプットが不可欠になる。

もっというと、そこにはマーケティングやブランディングが大きく影響すると個人的には思っているからこそ、stak, Inc. ではそのカテゴリを強化しているのである。

消費者を無意識のうちに誘導する

現代のマーケティングで重要とされているのは、いかに消費者を無意識のうちに誘導するかといったところだ。

ということで、UGCという指標をしっかり覚えておきたい。

UGCとは、User Generated Contentsの意味で、企業ではなく、一般ユーザによって制作、生成されたコンテンツのことをいう。

SNSに投稿された写真、動画、ECサイトのレビューといった、一般消費者のリアルな声だと理解してもらえるといいだろう。

このUGCという指標が注目されているのは、スマートフォンの普及が影響しているといえる。

スマホが普及し、1人1台が当たり前の時代には、SNSを中心としたソーシャルメディアも同時に普及した。

こういった各種テクノロジーの進化により爆発的に情報量が増加すると、その弊害として顕著になったのが広告だ。

簡単にいうと、広告をウザいと感じる人が年々増えているということで、誰もが一度はそういった経験をしたことがあるだろう。

つまり、一般消費者はウザい広告ではなく、信頼できるデジタル上の情報を求めているというわけだ。

となると、一般ユーザが自らの意思で勝手に発信している情報にこそ価値があるわけで、その指標がUGCということになる。

今さら聞けないダークパターンってなぁに?

UGCという指標を知っておくことと、信頼できる情報を手に入れるという行動は多くの人がしているだろう。

その手助けというわけではないが、ダークパターンという仕掛けがある。

ダークパターンの定義は、消費者を無意識のうちに契約へと誘導するというものだ。

つまり、世の中にはあなたを騙そうとしたり、勘違いさせようとする人や企業がたくさんいるということである。

そして、このダークパターンという用語は、ここ数年で多くのメディアで取り上げられるようになった。

その背景の1つとして、行政での取り組みが盛んになってきたことが挙げられる。

2021年に、アメリカのカリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA)で、サービスの解約手続きにおけるダークパターンが禁止された。

次いで、アメリカのワシントン州でも生活者の同意取得においてダークパターンを用いることを規制する法案が提出されている。

また、日本においても消費者庁をはじめとしてダークパターンへの取り組みがはじまり、行政、UI研究者、憲法学者などでの議論が活発化している。

このようにダークパターンを巡る法規制の施行や議論が本格化することで、社会的にもダークパターンへの関心が高まってきているのである。

ダークパターンの7類型

ダークパターンを端的に述べると、下記のとおりだ。

  • ユーザを騙したり勘違いさせるために作られたUI(ユーザインターフェイス)であること

  • プライバシー侵害や人々の判断力低下などの問題が指摘されている

例えば、虚偽のタイムセール情報をユーザに見せることで、焦らせて買わせるといったようなものは典型的なダークパターンといえる。

あと◯◯時間といった煽りの入ったサイトを見たことがあるという人も多いだろう。

こういったダークパターンを見抜くために、ダークパターンの7類型をまとめてみた。

1)Sneaking(こっそり)

ECサイトなどにおいて、意図しない購買を指す。

ユーザが意図していないのに商品がカートに入れられてしまう、認識されていない手数料などが課される、知らない間に定期購買させられているといった手法だ。

例えば、通常は書籍代を安くする代わりに、送料を高額に設定することで見せかけの価格を安くして、実際は高額な請求を行うといったものだ。

2)Urgency(緊急)

偽のカウントダウンや限定商品といった告知など、ユーザを焦らせて購入に踏み切らせるような手法を指す。

オンラインの場合、リアル店舗と異なり、訪問者ごとのデバイスに表示されている画面があるという特性がある。

また、わざわざ時間が切れるタイミングで確認するユーザも少ないため、嘘のタイマーなどを出してもばれにくいという状況を利用しているというわけだ。

3)Misdirection(誘導)

キャンセルする選択肢をわかりにくくする、チェックボックスの表現をわかりにくくして誤解させるといった、選択をユーザの不利益な方向に誘導するような手法を指す。

キャンセル、もしくはオプトアウト(選択を外す)を目立たなくし、気づかれないようにすることでユーザを不利な登録へと誘導するというわけだ。

4)Social Proof(他者圧力)

10,000人が買っていますといった表現や出所が不明確な購入者の声など、人々がそれを支持しているように見せることで、その商品を選ばねばならないような気にさせる手法を指す。

これだけの人が買っているから大丈夫という安心感を与えるというわけだ。

5)Scarcity(欠乏)

残り3個といった残数表示、人気商品などについて、根拠のない虚偽の表示を行う手法を指す。

ワゴンセールなどで、大勢の人が購入しようとしているので、自分も買わなければと思ってしまい不要なものまで買ってしまうことがあるというわけだ。

本当か嘘かの確認が難しいことを悪用して、偽のユーザの声や嘘の購入者数などを見せることが横行しているのである。

6)Obstruction(妨害)

キャンセルボタンの位置をわりにくくしたり、定期購買や定期購読において解約までの手続きを分かりにくくしたりすることによって、解約を諦めさせるような手法を指す。

もはや生活に溶け込んだ、サブスクリプションの少額課金などでは、退会方法がよくわからなかったりすると、調べる時間の方が面倒で退会をしないという人が一定層いる。

そういった面倒だと感じさせることで、ずるずると継続して支払いを続けてしまうというわけだ。

7)Forced Action(強制)

情報の閲覧などに対して、強制的にユーザの個人情報などを入力してアカウントを作成させるような手法を指す。

本来であれば、商品やサービスの購入前の閲覧であれば、ユーザ登録をしなくとも見られるべきだ。

ところが、商品やサービスの購入前の段階でもユーザ登録がマストになっていたり、過剰に情報を取得するようなサイトがある。

こういったサイトの中には、購買をさせることが目的ではなく、検索行動自体をマーケティングデータとして販売しているところすらあるのである。

まとめ

ダークパターンの7類型を紹介したが、ほとんどの人が1つは経験したことがあるのではないだろうか。

それほど、なんとか商品やサービスを購入させようと仕掛けているサイトが世の中に溢れているということを改めて認識すべきだろう。

そして、今後はさらに多くのコンテンツが世の中に溢れていく時代で、誰もがより簡単に情報やコンテンツにアクセスできるようになる。

ググるからタグるへと時代が変遷し、レコると呼ばれるようになるのかは不明だが、次の時代は間違いなくレコメンドの時代だ。

そんな中で重要になってくるのは、もちろん正しくて的確な情報を手に入れることなのだが、より重要なことはインプットする方法とアウトプットする方法だということを改めて書いておこう。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。