目指すは人々のあらゆる「ライフイベント」に寄り添うこと。食に関わるすべての人々の、幸せな気持ちを生み出す挑戦―スターフェスティバル Interview #02 岸田祐介

スターフェスティバルでは「ごちそうで 人々を より幸せに」の企業理念に基づき、日々サービスを提供しています。2019年7月には創業から10周年を迎え、全国のメンバーと共に組織やビジネスも拡大して来ました。

そんな中で、改めて私たちの事業やサービスの背景に込めた想いを語りたいと始まったのがこのnoteでのインタビューシリーズです。初回では、代表取締役CEOの岸田祐介による創業ストーリーをお届けしました。

前編でお伝えした岸田の過去から創業背景や現在まで続く文化を踏まえ、後編では今なお大切にしている事業への考え方や描く未来、実現したい世界についてお伝えさせてください。

外食産業も、食の在り方も新しい流れが起き始めている。いま、我々は時流のど真ん中にいる。

私たちスターフェスティバルは現在、10を超えるサービスを立ち上げ、運営しています。これらのサービスは、食事を提供する飲食店、それを運ぶドライバー、受け取るオフィスワーカーをはじめ、『食』に関わる全ての人々のために存在しています。

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これらの事業を開始し、サービスとして展開する中で特に私たちが10年間大切にしてきた指針が「かかわる関係者すべてにメリットを提供する」というものです。飲食店の食事販売機会の創出はもちろん、飲食店とオフィスを結ぶドライバーには新たな雇用を実現し、オフィスワーカーには食の選択肢を増やすことで貢献する、というように、相互に作用して最大価値を提供できているかどうかを常にビジネスモデル構築の軸に持っています。

岸田 「私たちは単なるデリバリーサイトの運営者ではありません。オフィスで働く人々の食が、オフィスワーカー、飲食業界、物流業者(ドライバー)のみんなにとって“もっと幸せな気持ち”を生み出すものになるよう、これまで広義の流通改革を仕掛けてきました。」

例えば、オフィスワーカー向けには、会議やイベントへの弁当配達やデリバリーの総合サイト「ごちクル」や、オフィスに弁当を配達するデリバリー型 社員食堂サービス「シャショクル」を提供しています。また、半年ほど前から当日10時までの注文でランチが届く「ごちクルNow」も開始しました。
レストランなどの飲食事業者向けには、中食やデリバリーに参入するためのソリューション「スタートデリバリー」を提供してきました。中食やデリバリーへの参入は、それに適した商品開発・販路提供・販売促進・注文受付・決済・配達といった機能を整備する必要があり、こうした製造以外の機能を一気通貫でトータルサポートできるサービスです。

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さらに、これらの事業展開を通じて首都圏で1日約200台の配達車を稼働できるようになったことを受けて、運送会社向けに、このリソースをさらに活用できる配送シェアリングサービス『スタロジ』というサービスを立ち上げました。フードデリバリーの空き時間のリソースを法人向けに安価で提供し、ドライバーと働く人々にさらなる価値を提供することで、新しい流通の形を作り出しています。

そんな中、今年新型コロナウイルス感染拡大が起こりました。ご承知のとおり、オフィスワーカーの生活や環境が一気に変化し、外食産業、食の在り方に新しい流れが起き始めました。

コロナ禍わずか1〜2ヶ月の間に、おびただしい数のレストランや飲食事業者がフードデリバリーというサービスを認知し、興味を持ち始めました。日本全国に飲食店が約80万店舗あるとすると、これまではデリバリーをやっていた店舗はわずか2〜3万店舗のみでした。残りはそもそもデリバリーをやるという選択を持っていらっしゃらなかったところや、検討はしつつもどう始めればいいか分からずそのままになっていた、というところがほとんどだったのですが、それががらっと一気に変わってしまったんです。

デリバリーをはじめるにあたり、まずはノウハウを得るまで我々のようなプラットフォームに出店することからスタートする飲食事業者さんがほとんどです。UberEats、出前館のようなC向けのプラットフォーム、そして、ごちクルのようなB向けのプラットフォームがあります。ECサイトの多くが楽天などのプラットフォームへの出店後、独自のECサイトを持ち運営していった事業者がたくさんいたのと同じように、フードデリバリーにおいてもプラットフォームでデリバリーのノウハウを貯めた後に、いずれ独自サイトを構築し、デリバリー運営をはじめていく飲食事業者が多数出てくると思います。わたしたちは、自分たちのプラットフォームで商売をしてもらうことだけを目指すのではなく、飲食事業者の方々が中長期に渡り外食以外にデリバリー領域で収益をあげていくために、彼らが苦手としている一連の面倒ごとをしっかりサポートしていきます。


我々はいま、まさに時流のど真ん中にいると感じています。そして、後ろから追い風が吹いてきていることを実感しています。

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人々の食を支えるインフラとしての使命

事業を展開していけばいくほど、その過程でいくつもの壁に直面し、課題を解決するためにまた新しい事業にチャレンジする。こういうサイクルをどんどん大きくして私たちはこれまで成長を重ねてきました。

岸田 「東日本大震災が私たちを襲った2011年、スターフェスティバルは創業2年目を迎えたばかりでした。当時の注文のメインだった会合やイベントはすべてキャンセルとなり、経営難を覚悟した矢先のことです。

液状化現象に見舞われた約4万世帯の復旧・改善に挑む京葉ガスさんのスタッフの方から、その作業員4000名分の弁当を注文できないか、と相談の連絡が来ました。

ライフラインが途絶えたエリア内での食の調達は不可能でしたが、デリバリーという手段があれば、被害の少ないエリアから弁当を調達することができます。しかも、ちょうど飲食店は来店者数が減り、商売が難しい状態です。私たちの提供するサービスは、それぞれのニーズを満たすことができました。

被害の少なかったエリアの飲食店から、あらゆる種類の弁当を飽きないようセレクトし、何度も配達車を往復させて日々作業を続ける方々に食事を届け続けたのです。

私たちはこの経験を経て、災害時の食のニーズに対応できるソリューションを提供できると実感しました。その後、2016年の熊本地震の折のお届けなど、インフラを支える場に必要な食事提供を行なってきています。

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(左:2011年東日本大震災時、復旧作業員の方々向けお届けの様子。
 右:2016年熊本地震時、復旧作業員の方々向けお届けの様子。)

ここ最近では、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、予定されていた各種大型イベントやカンファレンス、人が集まる場への食事提供の需要が一時的に経る一方、医療関係者向けや軽症患者の滞在先であるビジネスホテルなどの施設へのまとまった食事の需要が急増しています。実際に朝、昼、晩の3食、食事の中身の内容を変え、お届けを行なっております。また、社員食堂の休止や廃止により食事が必要になった企業での食事のデリバリーのご相談や、リモートワークをする企業が増える中で、それぞれ別の場所にいる従業員すべてに対し、同じ食事と提供したい、という企業の福利厚生としてのご相談なども非常に増えています。

災害時や世界中が危機に見舞われている時、全国にリソースを持つことでできる対応がある。この強みは、どんな状況でも食を通じて人々に幸せを届けられる基盤とも言い換えられます。

飲食店のデリバリー参入の気運は高まっており、フードデリバリーにおいては新たな需要が生まれてきています。また、先ほどお話した『スタロジ』という配送シェアリングサービスなどは成長拡大しています。
私たちがこれまでの11年で築いたビジネスや資産をベースに、世の中に対して提供できることがたくさんあります。そしてそれを、どんどん広げていきます。

 ”ごちそうで 人々を より 幸せに ” という企業理念は、これからより一層進化できると考えています。

どんなに社会全体の状況が変わったとしても、食に対するニーズは必ずどこかにあります。そのニーズに応え、人々に『食』を通して幸せを届け続ける。これがスターフェスティバルが未来で担うべき使命だと考えています。」

スターフェスティバルの願いはいつか地球上の国々を結び、未来を紡ぐ

『食』は人々の生活に密接に関わり、幸せを生み出します。この幸せをごちそうで、さらに当たり前にしていくことが、これから先スターフェスティバルが描く未来です。

岸田「これまで企業で働くワーカー向けのフードデリバリーが主でしたが、今後は この“企業”という軸だけではなく、「日常」「非日常」それぞれを含め、人々の「ライフイベント」に寄り添った展開も考えています。そして、美しく豊かな「食」で感動の機会を創出していきたいと考えています。あらゆる人々の人生における各種シーンにおいてのごちそう提供へも拡大していきます。

また、私たちが目指す未来のイメージを言葉にすると、『地球の裏側...例えばブラジルに、たった10分で日本のごちそうが届けられる世界』です。

地球の裏側にいる人々が、日本のおいしいレストランの食事をスマホでオーダー出来るようになる。そして、おいしい食事を10分後には味わえる世界になったとしたら、もうそれはサービスを提供しているだけでなく食文化そのものを変化させています。私たちは、そういった価値観を大きく変えるような、進化させるような動きがしたいのです。

私は、あらゆる地域・国のおいしい食べ物を知る人生と知らない人生があるとすれば、確実に前者の方が幸せだと信じています。だからこそ、スターフェスティバルでこの未来を成し遂げ、人々が幸せになる仕組みを作っていきます。」

このビジョン実現のために、いくつかテストや検証も行なっています。


岸田「世界中に生産拠点があり、世界中にごちそうを届けることができる。こんな未来の実現も『やってやれんことはない』と、私はそう考えているんです。」

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地球全体の食文化を創っていく、スケールの大きな未来を実現するためには、仲間が必要です。岸田はスターフェスティバルのバリューを改めて振り返り、そこに未来を共に創るメンバーの素質が内包されていると語ります。

岸田 「スターフェスティバルは、手を挙げること、挑戦することを歓迎する会社です。人を感動させる事業を生み出し、育てるためには、自分の手で作りたいという社員の情熱が必要不可欠だからです。

もちろん、手の挙げ方はいろいろあります。弊社では、会社の役員に新規事業案をプレゼンできる制度がありますが、例えばこの制度を使って2年に渡り提案を続け、スタッフを集め事業化した20代の若手社員がいます。現在では執行役員として会社を引っ張ってくれています。

また別の事例としては、まだごちクル事業しかなかった時代の話ですが、20代前半で入社直後の朝会で"第2の柱の事業を作る"と宣言して、実際にシャショクル事業を立ち上げて軌道に乗せたメンバーもいました。現在は退職して別の会社の社長となり、先般めでたく上場を果たしています。

あらゆる事業を幅広く展開し、川上から川下までワンストップでソリューションを提供する会社だからこそ、新しいことに挑戦したい気持ちに応える柔軟性も備えています。」

スターフェスティバルの挑戦は、2020年11年目にして、また新たなスタートを切ったばかりです。私たちがビジョンでも触れている『文化』とは、人々にとって当たり前になっているもののことを指します。

アイデアが生まれた瞬間は大きなイノベーションであったとしても、それが人々にとって豊かさや幸せにつながるものであれば、多くの人がそれを使い、やがて習慣となり、当たり前になっていきます。

スターフェスティバルが食にもたらしたい改革とは、まさにそんな当たり前となり得るものです。この長い挑戦を一緒に歩みたい!と少しでも心が動いた方がもしいらしたら、ぜひアクセスしていただければと思っています。

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スターフェスティバルでは、新たなフェーズをともに作っていく強い仲間を求めています!関心を持たれた方は、ぜひ下記の採用サイトから詳細をご覧ください。

(スターフェスティバル Interview 岸田祐介 全2回 終)

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