フォローしませんか?
シェア
峰庭梟
2022年7月17日 23:29
友人が失踪した。ある日、彼の母が私に電話をかけてきて、そう告げたのだ。何か手がかりになることはないかと聞かれたが、私は何もないと答えた。「大丈夫ですよ。すぐに帰ってくるでしょう。人間四十年近く生きてりゃそういうこともありますよ」「そうかしらねえ」ええ、そうですよと言って私は電話を切った。切った後、何を馬鹿なことをと自分で思った。四十年近く生きてりゃだって? まさか。普通に生きてる人は何
2021年11月15日 01:02
私には、自慢のおばあちゃんがいた。おばあちゃんは長年図書館司書として働いて、ついには館長にまで上りつめた人だった。それでいながらお母さんのこともしっかりと育て上げた。我が家の誇りだ。お母さんはよく言っていた。亀の甲より年の功って言うけど、うちのおばあちゃんは亀の甲と年の功両方だから最強なのよって。亀の甲が何だかはよく分からないけれど、豊富な人生経験に加えてさまざまな本を読んで身につけた