短編小説 私の神様
私には、自慢のおばあちゃんがいた。
おばあちゃんは長年図書館司書として働いて、ついには館長にまで上りつめた人だった。それでいながらお母さんのこともしっかりと育て上げた。我が家の誇りだ。
お母さんはよく言っていた。亀の甲より年の功って言うけど、うちのおばあちゃんは亀の甲と年の功両方だから最強なのよって。
亀の甲が何だかはよく分からないけれど、豊富な人生経験に加えてさまざまな本を読んで身につけた知識があるのだから、確かにうちのおばあちゃんは最強だったんだろうなって思う。
だけど、その割におばあちゃんにはちょっととぼけたところがある。
お母さんによると、それもおばあちゃんが長い人生の中で身につけた技だったらしい。よく分からないけれど、大人って色々大変なんだなと思う。
そんなおばあちゃんは、昔から私に色んな話をしてくれた。その中に、忘れられない話がある。
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