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峰庭梟
2020年2月12日 17:32
幼い頃から父のことがあまり好きではなかった。いつも眉間にシワを寄せて難しい顔をしていた父。褒められたことなんて、一度もなかったように思う。 僕が二十歳になったとき、父は腕時計を僕にくれた。こんなことを言いながら。「これからお前はもう大人なんだから、しっかり時間を守らなきゃいかん」 うへえ。またお説教かよ。僕はそれから時計の音が苦手になった。もちろん、父がくれた腕時計なんて、しようとは思わな
2020年2月7日 00:33
かつてカラスは七色だったんだ。人間が生まれるずっとずっと前の話だけどね。 その頃、カラスは赤や青、白に黄色とさまざまな色の羽を持っていた。カラスにとって色彩は豊かさの象徴だったんだ。彩り豊かなオスはメスを魅了した。メスは美しいオスと愛し合い、より美しいカラスを生んだ。そうして美しいカラスはその数を増やしていったのさ。 虹色のカラスが空を飛んでいた頃、世界はカラスのものだった。カラスは空を