白昼夢

明日世界が終わるとしても

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「愛のろくでなし」

午後6時 少し暗くなった空とやけに低い雲 久しぶりに会った君は随分と髪が伸びていて、一段と綺麗になったその横につい見とれていた 僕の知らない君がそこにいるようで だけど笑うと細くなる目はちっとも変わっていなくてなんだか少し安心した 僕たちはあいていた時間を埋めるかのように話した 最近観た映画がどうだったとか、新種の植物が見つかったらしいとか、仕事の愚痴とか なんてことのない話で何時間だって一緒にいられたあの頃を懐かしむように 「今夜は月が綺麗ね」 急に真面目な顔を

    • 私が写真を撮る理由

      もし彼が生きていたらこんな時、何を言うだろうとふと思うことがある。 あの頃の私はカメラなんてもの持っていなかったし、いつかのために写真に収めておこうなんて感覚は持ち合わせていなかった。 ましてや彼にもう二度と逢えなくなる日が来るなんて思ってもみなかった。 月日が経つにつれて、彼の顔や声がどんどん記憶から薄れていく。 一緒に過ごしたことも鮮明に思い出せなくなっている。 そのことが辛い。 この先、どんどん忘れていってしまうことが怖い。 でも記憶の中に留めておくには限界がある。 だ

      • さよなら僕の恋心

        2月が終わりを告げた。 春はもうすぐそこまで来ている。 君がいない毎日に少しは慣れたつもりでいたけど、月日だけがどんどん流れていく。 季節は僕を置いていく。 それでも少しだけ、本当に少しだけ前に進めた気がするんだ。 大丈夫。きっと大丈夫。 いつかまた君に会えたら、僕は笑って言う、 君に出逢えて良かったと。 だからそれまでどうか元気で、 さよなら僕の恋心。 #ポエム #恋愛 #失恋 #写真 #文 #詩 #poem #思い出 #言葉 #文 #文章 #小説 #短編小説 #エッ

        • 拝啓、あの日の君へ

          君と初めて話した時、「ああ、この人は孤独な人だ」と思った。 そんな私もずっと孤独に苦しんでいた気がする。 ほぼ初対面で、話したこともない、きっともう今後会うこともない私に、君は、ぽつりぽつりと自分の孤独を話してくれたね。 誰かに自分の本当に孤独で暗い部分を見せることはそう簡単な事じゃないと思う。 ほとんど初めて話すような人から死にたくなる夜があるなんてパワーワード言われたこと今まで一度もなかったよ。 どう思われるかなんてわからないのに、この人すごいと思った。 どうしてあの時話

        「愛のろくでなし」

          君の癖

          ねえ、最後の最後まで無意識で手を差し出してきた罪な君とその手の温もりを忘れることはできないけど、 君の癖になるほど手を繋ぐことが当たり前になっていた事実に気づいた時私、泣きたくなるくらい嬉しかったんだよ。 #ポエム #恋愛 #失恋 #写真 #文 #詩 #poem #思い出 #言葉 #文 #文章 #短編小説 #小説 #エッセイ #日常 #癖 #手

          君の隣、同じ温度

          眩しい朝日。 小鳥のさえずり。 淹れたてのコーヒーの匂い。 いつもと変わらない朝。 目が覚めて隣に君がいること 。 おはよう。 おやすみ。 僕の日常に君がいる幸せ。 当たり前になりがちなそのどれもが本当は当たり前なことなんて一つもなくて、 いつ終わりが来るかなんて誰にもわからないのに、明日が来る保証はどこにもないのに、 その奇跡は日常に埋もれて、 僕らはいつも失ってからその大きさに気づく。 でもだからこそ僕らは限りある時間の中で伝えていく必要があるんだ。 後悔がな

          君の隣、同じ温度

          ショートカット

          自慢のロングヘアーはショートカットが好きだというあなたの言葉を聞いてすぐに切った。 あなたに似合うと言われたワンピースは生地が擦り切れるほど着た。 あなたが好きだと言った音楽は、私の大好きな曲になった。 あなたに少しでも可愛いと思って欲しくて、 あなたの大好きなものが、私の大好きなものになってあなた色に染まっていく毎日が楽しくて、幸せで仕方がなかった。 あなたの大好きだった曲 ショートカット ヨレヨレのワンピース だけどあなただけがもういない。 どんなに頑張

          ショートカット

          夢醒めて

          朝目が覚めると、枕が湿っていた。 私は泣いていたのだと気づいた。長い長い夢だった。 その涙を拭ってくれる人はもういない。 夢の中で私に笑いかけた彼はもうそこにはいない。 思えば彼と一緒にいた日々は夢のようだった。 夢から覚めた私は、あの日から一歩も動けずに日々は色を失って、季節だけが過ぎていく。 あの時、すぐにひとりにしないでと言えたら何か変わっていたかな。 いつだって素直になれない自分 後悔したってもう遅いのに。 #ポエム #恋愛 #失恋 #写真 #文 #詩

          夢醒めて

          どうか彼女を苦しめるものが少しでもなくなりますように。

          嬉しい報告を受けた。 友人のお腹に新しい命が宿ったのだ。 しかしどうもこの世界にはおめでたいことだと素直に思える人が少ないように思う。 「まだ大学生なのに」 「学校はどうするの…」 「その年でちゃんとした母親になれるの」 「デキ婚やば…」 彼女の若さゆえに心配や少しの批判が先行してしまう。 しかし、そんなことは当の本人が1番わかっているのだ。 この先辛い道のりになり得る可能性も、 母親になることがいかに大変で、難しいことなのかも。 最も不安なのは彼女以外の誰でもないはず

          どうか彼女を苦しめるものが少しでもなくなりますように。

          見られる私と見る私

          いつから私は他人の評価に執着して生きるようになったのだろう。 例えばSNS。 思いの丈を気軽に吐き出す場としてSNSを使いたいのに、いつだって「これをあげたらどう思われるだろう」という考えが邪魔をしてせっかく生まれた言葉たちは永久下書き保存だ。 「あの子失恋してポエマーになったよね」 「病み期じゃん」 「一回ならいいけどたくさんだとちょっとね…」 「何となくうざい」 そんな風に思われるのが怖くて、思いをグッと堪える。 本当にそう思われるかなんてわからないのに。ならばどう

          見られる私と見る私

          傲慢さ

          私ならわかってあげられるのに、とか 私なら受け入れられるのに、とか 彼にとってそんな存在はもう新たにいて、もしかしたら彼にとっての自分はそうじゃなかったかもしれないのにそんなことを考えてしまう私はなんて傲慢なんだろうな #ポエム #恋愛 #失恋 #写真 #文 #詩 #poem #思い出 #言葉 #文 #文章 #エッセイ

          もう二度とない僥倖

          笑うと線みたいな目になる君。 眠くなると少し甘えん坊になる君。 お腹が空くと少し不機嫌になる君。 私しか知らない君はもう目の前にはいなくて、 私を呼ぶ声も、笑顔も、私を抱きしめるその腕の強さも全部、もう他の誰かに向けられていてどんなに願ったってかえっては来ないのに、いつになったら私はそれを受け入れられるんだろう。 #ポエム #恋愛 #失恋 #写真 #文 #詩 #poem #思い出 #言葉 #文 #文章 #エッセイ

          もう二度とない僥倖

          noteを始めたわけ

          2018年12月13日、私は失恋をした。 1年半ほど付き合っていた彼に振られたのだ。 「気になる人ができた」電話口で彼は私にそう告げた。 自分は恋愛にのめり込むタイプではないと思って生きてきた私が、初めてまるで恋する乙女になったようだった。彼の全てが好きだった。彼がいなければ生きていけないとさえ思ったし、今もまだ好きなままだ。 けれど、人はなぜだか悲しい時の方が言葉というものは浮かんできて、現に私の携帯のメモには何百という言葉たちが眠っている。 元々、何かを発信したい気持ちが

          noteを始めたわけ

          バンドマンと私

          結局自分は何かを表現することが好きで、何かを表現したいと思った時、自分には歌や絵でそれをすることは出来ないけれど言葉なら何かできるかもしれない、寧ろ自分にはそれしかない気がした。 ずっと昔から何かを発信したい気持ちはあったのにどうせ自分には…と逃げてきたものを少しでも形にしたい、そんな思いから辿り着いたこの媒体で今、初めて文字を起こしている。 趣味とまでは言えないが好きで撮っている写真も添えて、未完成で曖昧な自分を今日から少しずつ形にしていけたらな、と思う。 記念すべき初投

          バンドマンと私