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スパークル1号にかける思い -代表インタビュー

2023年9月22日に組成された「スパークル1号」について、スパークル株式会社代表取締役 福留さんにお話を伺いました。ファンドに込められた思いや、福留さんの情熱をインタビュー形式でお届けします。


\ スパークル1号についてはこちらからどうぞ /


\ 福留 秀基(ふくどめ ひでき)プロフィール /

大阪府堺市出身。東北大学大学院工学研究科博士課程前期(修士)
シグマクシスにてデジタル戦略コンサルタントとして従事後、MAKOTOに参画。ファンドのソーシング・ハンズオン業務ならびに経営コンサルティングサービス「CREATION」の営業・推進業務に従事。2022年8月31日にMBOを実施し、親会社である株式会社MAKOTO Primeが保有するスパークル株式会社(旧社名 MAKOTOキャピタル)の全株式を譲り受ける。

改めましてよろしくお願いします

インタビュアー>>> スパークル1号ファンドを組成を受け、今回は改めまして福留さんにファンドに込めた思いや、その背景を伺っていければと思います。よろしくお願いいたします!

福留さん(以下、福留):よろしくお願いします。


ずばり、今回のファンドの特徴をお伺いしたいです。

福留:スパークル1号では、地域とともにスタートアップを投資育成することを掲げています。地域の中核企業とスタートアップとの共創を促し、新産業の創出と地域振興を目指すものです。

LPとして地域に根差す多くの企業様にご出資いただいていることが、大きな特徴であり価値だと考えています。志をもってこの地で、地域になくてはならない事業をされている方ばかりです。そんな方々と一緒に今回のファンドに取り組めることを、光栄に感じるとともに身の引き締まる思いがあります。

>>> 地域を志向するファンドは今までもあったのではとも思います。スパークル1号ならではの部分はどこになるのでしょうか?

福留:地域で取り組まれてきた先行のファンドを見てみると、スタートアップが出てきてから取り組まれるものが多くあります。そうなると、地域側がスタートアップのもつ特性などを理解することが必要になります。スタートアップが先行すると、従来のファンドで主要機関となることが多かった地域の金融機関や行政などといった地域側との中間組織や、ファンドに関わる地域の事業者が多少なりとも無理をすることになります。

今回はファンド主導です。ファンドの理想に共感したスタートアップが地域を実際に訪れ、地域の中核企業のLP様とともに、地域から世界へとインパクトをつくりだしていきます。ファンドを起点に、LPの皆様とスタートアップをつなぎながら、スタートアップの価値創出を支援します。

>>> なるほど。地域で事業をされているLPの皆様の存在が大きいように感じました。

私は、LPの皆様を「地域の未来を諦めていないひとたち」だと感じています。そんな思いのこもったお金を預かり、スタートアップに託し、ともに成長していくのが今回のファンドです。

>>> 「思いのこもったお金」を出資いただいたからこそ。気が引き締まりますね。

福留:GPとして死ぬ気で頑張るだけです。結果で示していきます。

”スタートアップと地域企業との共創”と考えた背景を伺えますか?

福留:商工会議所青年部に所属しているのですが、活動を通じて地域の事業者の方々がスタートアップなどへの関心をもっていることは以前より伺っていました。自社の事業のために、ひいては東北や地域のために何かしないといけないという危機感も共有できていました。しかし、そのスタートアップに関する情報が入ってこないと。スタートアップとの関わりの多い我々が、地域の事業者とともに投資育成をしていくことができれば、と考えていました。

>>>知りたくても地域だと身近にスタートアップがいなかったり、関わることが少なかったりという状況があるのですね。

福留:そうですね。

今回のファンドと並行して、地域の中核企業とスタートアップが関わるコミュニティ事業にも取り組んでいきます。地域の事業者とスタートアップとのゆるやかな交流から、事業での共創・連携へとつなげていきたいです。

そもそもですが、なぜこんなにも地域に注目しているんですか?

>>> 福留さん自身は大阪出身だったと記憶しています。

福留:大阪堺市の出身で、東北地方には大学院のときにお世話になりました。その後、就職で都市圏に出たのですが、ご縁があってまた東北に戻ってきました。

なぜ地域なのか、というところですが、学生時代に5か月間スイスに留学していたことが原体験になっているように思います。振り返ると各国から集まった友人たちとともに、ほとんどの時間を学外で過ごしていたように思います。もちろん、研究もしましたよ 笑

留学したスイスは人口880万人ほどで、東北地方の人口と同じくらいです。最大の都市であるチューリッヒでも40万人前後です。そんな国に国際的な組織や機関が集まっています。

なんで、こんなに日本と違うのだろうと思いました。

>>> 人口だけ見れば、東北地方でできてもおかしくないですね。

福留:そうなんです。

留学先で感じた、一番の違いは”主張すること”でした。日本では主張が強かったり、先輩方とまるっきり違うことをするとイタイやつと思われることもしばしばあります。しかし、留学先で出会った各国からの友人たちは「うちの国を救うために」とか言うんです。工学部の留学生ですよ? 本当に真剣な顔で言うんです。

>>> 話が大きくなってきました。

福留:心から「この国/地方を豊かにしていきたい」と思って主張し、行動していく。そんな個人が求められていると思います。そして、地方にも思いをもって事業に取り組んできた方々がいるのです。

すこし話が逸れますが、スイスでは地方・集落ごとに自分たちの”旗”を掲げているんです。地方ごとに自分たちのカルチャーをもち、旗はその誇りの現れだと感じました。さらに、地方文化の体験を地域にある事業者が中心になってグローバルスタンダードで通用する観光にまで磨き上げ、お金に換えていました。地方から世界に価値を届けている様子を見て、価値観の変容といいますか、それまでの私にとっての当たり前だったことが揺さぶられました。

>>> 当たり前のことが揺さぶられる、ですか。

日本には現在まで続く、「日本の頭脳である中央に、人口や資源という血液をとどける地方」という構造があります。しかし、この構造は限界にきています。新しいモメンタムを地域からつくりだしたい。

そもそも、都市と地方を比較して、都市/地方だから良い/悪いと考えるのは日本だけだと思います。地方なのに/地方でもという考え方も、古いモノにしていかないといけないですね。

正直、地域はかなり厳しい状況にあると思います。考えと想いを伺いたいです。

福留:私は東北に「ポスト震災をつくらなければまずい」という感覚があります。悪いところばかりを上げると人口あたりのGDPが低く、自殺率もワーストです。太平洋ベルトからも外れ、重工業の集積もありません。そして、東日本大震災がありました。厳しい状況も事実です。

そんな苦しいときに「東北応援」と言ってくださったひとたちがいました。私はその方々に恩返しがしたい。東北地方という日本で一番保守的なエリアから新しいことに取り組んでいく。そして成果をあげていく。これができれば、ほかの地域に希望とともに展開することができると考えています。

現在、日本経済は非常に難しい状況にあると思います。しかし、日本は終わるべきでない。日本は、特に地方には自然があり、美味しいごはんがあり、多様な文化があります。そしてこんなに豊かな地域を残してきた先達たちがいました。

IVS(京都)や、B Dash Camp(福岡)に代表される各地のカンファレンスに参加し、地域の未来に可能性を感じてくれるスタートアップや、応援者が一定数いることに確信を持てました。地域のカルチャーに愛をもって関わってくれるスタートアップとともに、豊かな地域を守る存在として、地域から世界へ価値を創出するファンドになっていきたいです。

>>> ありがとうございました!

\ お知らせ /

スパークル1号は、規模拡大のためファンド組成活動を2024年8月まで継続いたします。ビジョンに共感・賛同いただける企業、また個人投資家の方は、ぜひ下記からご連絡ください。


< スパークル株式会社について >
地域に本社を構えるベンチャーキャピタル・プロフェッショナルファームとして、新しい世界の経済循環をつくりだすことを目指しています。

所在地 :宮城県仙台市
代表取締役 :福留秀基
Twitter   :https://twitter.com/Spurcle_tohoku
Facebook  :https://www.facebook.com/Spurcle.tohoku

<話を聞いたひと>
鎌田 翔至
弘前大学人文社会科学部在学時にスパークル株式会社へインターンシップとして参加。大学卒業後も、本業の傍らフリーランスとしてPR業務に関わる。北海道網走市出身。
Twitter:https://twitter.com/KShoui


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