見出し画像

カケハシ・HERPに聞く【コロナ禍のリアルな社員オンボーディング】組織拡大前にオンボーディング作りを。個人・チーム間の分断を生ない組織づくり

SPROUND TOKYO

SPROUNDとDNX Venturesが手がける「SPROUND STARTUP WORKSHOP」から、今回は2021年9月28日にカケハシ・HERPにコロナ禍のリアルな社員オンボーディングについて伺った「社員オンボーディング虎の巻」の様子をご紹介します。

「SPROUND STARTUP WORKSHOP」は、SPROUNDが、ご利用企業各社への事業成長支援の一環として行っている勉強会です。
B2Bスタートアップがシード期からシリーズA調達までに直面する事業のあらゆる側面の課題に対して、各分野の専門家を招いてワークショップを行っています。

「SPROUND WORKSHOP」について、詳しくはこちら↓

※こちらの記事は2021年9月28日に開催されたイベントの書き起こしです。

この記事で書かれていること✏️
・カケハシとHERPのオンボーディング事例
・オンボーディング設計の考え方

社員オンボーディングは、入社最初の壁

こんにちは、SPROUND / DNXの田中です。ゲストにお話を伺う前に、オンボーディングの基礎をおさらいしてみたいと思います。

社員オンボーディングの目的はなんでしょうか。
HERPの徳永さんが非常に素晴らしいnote記事を書かれています。

このブログでは、オンボーディングを「優秀なメンバーが、早期から活躍できるよう、組織としてサポートすること」と定義されています。

Googleの提唱する「5つの壁」

Googleの人材開発の方が掲げられた「5つの壁」。新しく入ってこられた社員にとって、入社までに超えなくてはならない壁です。

  • 準備の壁
    入社した数日間でどのように受け入れるかによって90日後のパフォーマンスが30%変わるというものです。新規採用は月数十万円のお買い物のようなものですから、パフォーマンスを最大化することは重要です。

  • 「人間関係の壁」
    準備の壁を超えると、残りの4つの壁を90日間・3ヶ月間で超えていくことになります。人間関係というのは直上・直下だけでなく横の人も含めて、「誰と関わるから関係構築をしてね」という案内をしなくてはなりません。

  • 「期待値の壁」
    その人への期待値、なぜその人を採用したのか、どういう業務内容を担当するのか、彼・彼女に求められる成果というのを、きちんと明確にすることが大切です。

  • 「学びの壁」
    新しい会社なので、業務内容や業界知識、社風や価値観をインストールしましょう。

  • 「成果の壁」
    できるだけ早くプチ成功できるようなフィードバックループを90日間で構築することが非常にミソになってきます。

ここまではよく言われていることですが、同時に意識してほしいのは、入ってくる社員の気持ちです。逆側の立場。受け入れる側ではなく受け入れられる側。
創業者は別かもしれませんが、入社した時のことを思い出してみてください。「早く成果を出したい」という焦りがあります。健全な焦りです。そういう焦りがあることを、改めてみんなが前提として思っておくべきかと思っています。

SPROUND / DNX 田中

『90日で成果を出すリーダー』

こちらは、スタンフォード大学d schoolの教科書として使われている書籍です。新しいマネージャーが就任した時に「90日間こういうことをしなさい」ということをまとめた本になっています。こういう本があるくらい、オンボーディングされる側というのは鼻息荒く入ってくるものだということです。

この本が、オンボーディングに関して示唆に富んだことをいっています。
新任が陥りやすい「7つの落とし穴」というものです。

  • 自分の知識にこだわる

  • 行動脅迫症に囚われる

  • 非現実的な期待を作る

  • 多くのことをやろうとする

  • 最初から答えを持っている

  • 横関係の人間関係を無視する

  • 誤った方法で学習する

これは、耳が痛いのではないかと思いますし、本当によくあることだと思います。

新任が陥りやすい「7つの落とし穴」

内定から「オンボーディング期」を繋ぐ栄光への架け橋、ということができるのではないかと思います。内定や入社した時のテンションをどう維持していくか。

アメリカの大統領なんかも「ハネムーンピリオド」などと言われますが、これくらいの期間をすぎると「やってくれそうだな」という期待感が作られていきます。そのため、キリよく3ヶ月をオンボーディング期間と呼ぶことが多いと思います。

オンボーディングのためのSaaS「Onn」

我々が最近お会いした面白いスタートアップ、Onnというプロダクトです。プレオンボーディングから90日をカバーするスタートアップです。

入社が決定すると「おめでとうございます、あなたはあと54日で入社します」というメッセージがくる。そこからメンバーの紹介やCEOのメッセージ、読んでおいてほしいものなどをワクワクする形で届けられる。入社後はOJTの進捗管理やE-Learningまでをカバーするプロダクトです。

オンボーディング3つの側面

オンボーディングには3つの側面があります。

  1. 業務:ツールはどこか、会社の目標、業界ついて知っておかないといけない知識。

  2. カルチャー:会社のValuesや創業者の思い、会社のこれまでとこれからの話。

  3. 組織:会社のRitualsがどう回っているか。例えば朝会で社訓を唱和しますとか。あとは心理的安全性を保つために自分のことをオープンにさらけ出すことが大事になります。また、メンター制度とかも組織のオンボーディングに当たると思います。

こうしたオンボーディングに関わるステップを全部やらないといけないと考えると、やる方もやられる方も結構大変だと思います。かなり工夫してやる余地があるのではないかと思います。

案外これもオンボーディング

ここからは小話です。

こうやってオンボーディングの全体を俯瞰してみると、かっちりした内容のイメージになりがちですが、実際にはそんなことはありません。例えばこういうこともオンボーディングです。

ヤクルトだと、新人が全員半年間ヤクルトレディをやるんですね。
雨の日も風の日も自転車をこいで1つ40円のヤクルトを売るんですね。新卒の三菱商事では飲み会のアレンジをやりますね。なんなら自分の歓迎会のアレンジを自分でやったりして(笑)。

ヤクルトの場合は商品理解、エンドユーザー理解。これは業務オンボーディングに当てはまります。社員の共通の原体験ができるという意味で「カルチャー」オンボーディングになっています。
三菱商事もするんですけど、基本的なPM能力に加え、その中でのコミュニケーション能力や、Small Winを作っていることになります。これも業務オンボーディングと組織オンボーディングを担っています。

つまり、オンボーディングといっても様々な形があるので正解はありません。


カケハシ×HERP オンボーディング事例を紐解く

DNX Ventures 高岡:まずはカケハシ中川さんとHERP徳永さん、簡単な自己紹介をお願いします。組織のこと、どれくらいの部署があるのか、営業とプロダクト、エンジニアなどの比率を伺いたいです。

カケハシ 中川さん:カケハシは、業務委託や派遣など含め、300人ぐらいの組織になりました。(当時)チームは約30チームあります。開発系が100人弱程度、コーポレート系が20人程度、残りがマーケティングからインサイドセールス、大手向き合いの営業チーム、オンボーディング、カスタマーサクセスといったチーム構成です。

カケハシの歴史は、創業3年くらいで20人から100人に一気に5倍くらいに組織を拡大させた1年がありました。その後徐々に人事チームが拡充していき、社内の任意のメンバーがオンボーディングプログラムを考案し、それを改善しながら作り込んでいきました。今日は、素晴らしいことよりもこんな失敗をしたとか、振り返ればもっとこうすればよかったとか、そういうお話も赤裸々にできればと思います。

HERP 徳永さん:人数は役員・正社員合わせて40名程度(当時 / 2022年11月現在60名程度)。組織の内訳は、ビジネス開発が半々くらい、20人弱ずつでコーポレートはまだ2名です。実は人事はまだいなくて(当時 / 2022年11月現在1名)、その文脈で私が人事の役割を担っています。

私が組織について主に見ているのは組織の評価制度やオンボーディングの仕組みを整えること。ただ、我々も実際に運用し始めたのはすごく最近のことなので、それまではどういう風にしていたか、作ってみてどうだったかという話ができればと思っています。

HERP:オンボーディングは3人体制で

高岡:まずは、今運用されているオンボーディングのプロセスをお伺いしても良いでしょうか。

徳永さん:HERPのオンボーディングは、中途入社が増えてきた今年(2021年)の初めから立ち上げました。現状はトータルで1ヶ月のプログラムを組んでいます。先ほど紹介された「5つの壁」をどう乗り越えていくかというのを基本の思想としており、これを乗り越えるためのコンテンツを用意しています。
具体的にやっているのは、オンボーディングのプログラムとOJTの二本立て。
OJTは各チームに任せています。前者のオンボーディングプログラムについては、この3つをやっています。

  1. 研修やキャッチアップコンテンツ(資料)

  2. コミュニケーションの場を作る

  3. 振り返りの機会を作る

振り返りの機会とは、アンケートを実施して、そのあと面談をやるというものです。
ゴールは「ミッション達成に向けて前向きな状態を作ること」。以下の4つを設定しています。

  • ミッションやプロダクトビジョンを理解していること

  • 自分の役割をきちんと理解している状態を作ること

  • メンバーとコミュニケーションができる状態を作ること

  • 小さい成果を作ること

高岡:人事がいない中で、実際にこれを回しているのは誰なんですか?

徳永さん:オンボーディング体制は、責任を持つメンバーを受け入れ担当役として設定し、その人がオンボーディングの成功に対して責任を持ちます。そして私とコーポレートのメンバーひとりが、オンボーディングのプロセス・流れがしっかり回っているか確認する役割を担っています。
その新メンバーがどのような想いを持って会社に入ってきてくれていて、どのような立ち上がりをしてほしいかを考えるのは受け入れ担当役。実際全体のスケジューリングはコーポレート担当がみるようなイメージです。私は面談なども一緒に出てつまづいているところがないか確認して一緒に考える、今はそこまで入り込んでやっています。

高岡:振り返りは上長役の方が担われるのでしょうか。

徳永さん:振り返りは、受け入れ担当役とコーポレートメンバーの両者で見ています。
理由としては、受け入れ担当役はもちろん1on1的に話してもらうということなのですが、コーポレートではもっと客観的な側面で他のメンバーや上長と上手くいっているかを私も入って、入社メンバー、コーポレート、COOの私の三者で話す機会を設けています。

カケハシ:統一したメッセージを映像で伝える

高岡:今運用されているオンボーディングのプロセスについて伺えますでしょうか。

中川さん:弊社の場合は、HERPさんほど体系立っていないのでお恥ずかしいのですが、ニッチな業界ということもあって、医療業界についてディープにキャッチアップしないとなかなか現場の業務に入っていけません。そのため、ベーシックな業界知識をどうやってキャッチアップしてもらえるかということにフォーカスしています。
大きくは二段構えになっており、全社共通でやるものと各チームでやるもの。

前者の全社共通の方は、かつては講師役の人を設定し、その月に新しく入ってくる人に向けてお話しする講義形式でやっていました。ところが、毎月やると負担がかかるので、これを録画したビデオ講座を30セッションぐらい用意しました。順番が決まっており、入社後に順番に見てもらっています。
それ以外には、入社のタイミングでITツールの使い方や経費精算のようなプロセスに関するオンボーディング、パワーランチを各チーム順繰りでやっていって、部署を超えてお互いを知り合うことができるよう設計されています。現在はオンラインランチという形で継続しています。
プラスアルファで、営業やカスタマーサクセスのチームは、それぞれ立ち上がりに必要なさらにディープな知識が必要になるため、こちらも学習コンテンツやプログラミングが別に作られています。数週間のプログラムを経てその後テストがあったり、ロールプレイをして合格しないともう一度プログラムを受講してもらうなど。各チームごとにさまざまなプログラムがあります。

高岡:プロセス自体を回しているのは人事チームなのでしょうか?

中川さん:全社共通のオンボーディングは人事チームが案内して回しています。各チームのオンボーディングは、チームのマネージャー職の人が責任を負うという立て付けになっています。

最近人事チームでいいなと思ったのは、HRBPという人事(組織担当の人事)が、1→3→6→12ヶ月に「入社してXヶ月経ちましたがいかがですか」というインタビューをして、立ち上がりの状況や悩んでいることがないかを、マネージャー以上の層にキャッチアップさせてくれる仕組みになっています。とてもいいなと思っています。

高岡:ビデオを事前に準備しているのは面白いなと思いました。ビデオはどなたが作ってるんですか?

中川さん:講師を務めている人などです。テーマによってCSや営業の人、ミッションビジョンを語るのは経営陣で、一方ビデオを撮影し編集しているのは全部人事ですね。

高岡:まずは、今運用されているオンボーディングのプロセスをお伺いしても良いでしょうか。

徳永さん:HERPのオンボーディングは、中途入社が増えてきた今年(2021年)の初めから立ち上げました。現状はトータルで1ヶ月のプログラムを組んでいます。先ほど紹介された「5つの壁」をどう乗り越えていくかというのを基本の思想としており、これを乗り越えるためのコンテンツを用意しています。

具体的にやっているのは、オンボーディングのプログラムとOJTの二本立て。
OJTは各チームに任せています。前者のオンボーディングプログラムについては、この3つをやっています。

  1. 研修やキャッチアップコンテンツ(資料)

  2. コミュニケーションの場を作る

  3. 振り返りの機会を作る

振り返りの機会とは、アンケートを実施して、そのあと面談をやるというものです。
ゴールは「ミッション達成に向けて前向きな状態を作ること」。以下の4つを設定しています。

  • ミッションやプロダクトビジョンを理解していること

  • 自分の役割をきちんと理解している状態を作ること

  • メンバーとコミュニケーションができる状態を作ること

  • 小さい成果を作ること

高岡:人事がいない中で、実際にこれを回しているのは誰なんですか?

徳永さん:オンボーディング体制は、責任を持つメンバーを受け入れ担当役として設定し、その人がオンボーディングの成功に対して責任を持ちます。そして私とコーポレートのメンバーひとりが、オンボーディングのプロセス・流れがしっかり回っているか確認する役割を担っています。

その新メンバーがどのような想いを持って会社に入ってきてくれていて、どのような立ち上がりをしてほしいかを考えるのは受け入れ担当役。実際全体のスケジューリングはコーポレート担当がみるようなイメージです。私は面談なども一緒に出てつまづいているところがないか確認して一緒に考える、今はそこまで入り込んでやっています。

高岡:振り返りは上長役の方が担われるのでしょうか。

徳永さん:振り返りは、受け入れ担当役とコーポレートメンバーの両者で見ています。

理由としては、受け入れ担当役はもちろん1on1的に話してもらうということなのですが、コーポレートではもっと客観的な側面で他のメンバーや上長と上手くいっているかを私も入って、入社メンバー、コーポレート、COOの私の三者で話す機会を設けています。

組織の急拡大前に、オンボーディングの設計を

高岡:従業員が400人に至るまでの短期間で、今のオンボーディングプロセスに至るまでの経験談や失敗談があったら教えていただきたいです。

中川さん:どのくらいしっかりオンボーディング設計するのかというのは、労力とのバランスが難しいなと思っています。HERPさんがその規模でそこまで設計されているのは「さすが人事系のHERPさんだな」と妙な納得感を持ってしまっています。

カケハシはそういう設計をしないで100人規模になって、入社3ヶ月の人は古株という状況になり、ただそこに座っていて誰も何をすればいいかわからない、物事が何も進まないということになったりしたんです。そういう時こそ、もっとちゃんとオンボーディングをしてあげればよかったんだろうなと思います。

そういう意味では、組織の急拡大期の前にラフでもいいからオンボーディングの設計をしたほうがいいと思います。また組織の枠組みや意思決定のメカニズムとフロー、会議体の設計や受け入れ態勢・入社の研修プログラムのオンボーディングに加えて、組織体制をつくって入った人がワークできるよう先をみた設計ができるようにしておくこと。カケハシの場合は「最優先で採用だー!」と人を増やしちゃったので、めちゃめちゃ苦労しました(笑)。先を見てやっておくに越したことはなかったと思います。

高岡:徳永さんは今までの試行錯誤とかってLearningはありますか?

徳永さん:運用し始めたのが今年初めなのでその前後のお話をしたいと思います。立ち上がりについては、もともとそれまでは「チームでいい感じにやる」という運用をやっていました。失敗までは行かないが懸念はあり、チームによってばらつきが生まれ、誰が受け入れるかによってキャッチアップ速度が変わってきたりそもそも組織としてWelcome感を出すというところも差分が生まれてしまっていて、あまりよろしくないなと思ったんですね。

もう一つは、リモート中心になったことも背景にあり、それまでは直接気軽に聞ける環境がありフォローもしやすかったが、それができにくくなったのが明らかに見えてきました。人を増やす前に共通基盤をもったほうがいいと思って先に立ち上げました。未然に防ぎたかったという意図がありました。

フルリモートは、チーム横断を難しくさせる

高岡:リモートで気をつけていることはありますか?リモート禍で、組織的不和が生まれていることをお聞きしたことがあるので。

徳永さん:先ほどの5つの壁がある中で、「学びの壁」はリモートでもあまり関係ないと思っています。むしろリモートになったからこそ、ちゃんとコンテンツ作ろうってなり、やりやすくなりました。

一方で、今でも難しいなと思うのは「人間関係の壁」。40人のフェーズでも難しいとおもうのでカケハシさんはもっと課題になるはず。チームを跨いだコミュニケーションはかなり意識しないと取れません。これをどこまでサポートするのか。僕らも最適解は見つけられていない感があります。チーム内では「Welcome雑談」というものをやっていて、入社後「まずはこのメンバーと話してみて!」という感じで、キーパーソンとのカジュアルな会話を積極的にしてもらう仕組みをつくっています。また、組織の中で自己開示をする場を設けたり。そういう場で一定のコミュニケーションは生まれつつも、リアルな場で2〜3分雑談的な立ち話をするような機会はなくなってしまったので、正直難しいなと思っています。

高岡:カケハシはWelcome Lunchで集まって心理的安全性をつくるとおっしゃっていましたが、チーム間の人間関係で意識されていることはありますか?

中川さん:そうですね。やっぱりチーム間はとても難しいです。以前とある記事で「リモートワークが進むと、チーム内のコミュニケーションは深まったが、チーム間のコミュニケーションが浅くなりサイロ化が進んだ」という記事がありました。本当にそうだと思いました。チームは仲良くなっていくのですが、一歩チームの外に出ると何をやっているかわからなくなる。パワーランチはチーム横断を目指し、新しく入った方が他のチームの方のランチに回って参加するという形式を取っています。これにより必ず触れあいはするんですが、人数も多いですし覚えきれないですね。

あとは、全社会議に「昼の会」と「夜の会」を設定しました。「夜の会」はカジュアルな場なんですが、趣味を含めた自己紹介などを回して人となりを知ってもらおうと試みています。それでもなかなか難しいですね。
最近は移住する人が増えて、長野や北海道、湘南に家を建てたり。どちらかというと、オフサイトというのを企画して、集まることにスペシャルな意味を持たせています。みんなでバリューを語ったり将来のビジョンを語るなど、そういった特殊な場を設計して集まる機会を作れたらと思っています。

高岡:HERPのnote記事にある「Meは何しにHERPへ」が気になります。

徳永さん:自己開示のコンテンツと言っていたものなんですが、HERPのメンバーが働くまでの経緯を自己語り形式で深掘りする会です。バックボーンをひたすら語ってもらいます。金曜日の17-18時とかでやってます。

前提として、うちの会社はカルチャーとして「徹底的にオープンでありたい」と話しています。このコンテンツが、実は我々が思っていた以上にみなさん積極的に自己開示をするようになっていて(笑)。自分に影響を与えた暗めの話も赤裸々にしていて。これをするとそのメンバーに興味を持ったり、自分も自己開示をしようという空気になっていき、いい働きをするんです。もともと「Youは何しにHERPへ」という某バラエティ番組をパロディしたインタビュー形式だったのですが、今では自分で話したいことを決めて自分で話してもらう形式にしました。

スタートアップだからこそ、自己開示を大切に

質問:スタートアップと大企業で、オンボーディング体験が大きく違う印象です。その違いは主にどの辺にあるのかと考えていますか。

中川さん:スタートアップは人件費とBurnという意味では、3ヶ月後にはフルで戦力になってくれないと困るという事情がありますよね。一方、大企業だと最初の3年は教育であり成長してもらえばいいというところがある。スタートアップは数ヶ月後に死が待っている。求められる速度が違いますよね。

徳永さん:そこは大きいかもしれません。オンボーディングで大事なのは「採用」だなと思っていたりして。僕らのフェーズだと、オンボーディングが大きなコストをかけないといけない人を受け入れるキャパシティが足りない。僕らが用意している最低限のプログラムで育てる余力がなくても育って行ける人が採れるかが重要と考えています。大企業は育てる余力があるから新卒とって長期間かけてコストをかけて育てていく、スタートアップはその余力がないことが多いですよね。

高岡:私から自分の経験だけで申し上げますと、ふたつあって。ひとつは新しく入ってくる人がめちゃくちゃマイノリティ・少数派か、ほとんど2年以内に入った人を新人と呼ぶときにマジョリティなのか。大企業はプロトコルが出来上がっているので、新しい人が入ってきたときに空気を読みながら、他の人に聞いても統一した答えが出てくる。一方スタートアップは、十人十色の答えが出てくる。

もうひとつは、大企業の方が業務プロセスが確立していますよね。スタートアップはゼロイチで立ち上げる。コーポレートですらゼロイチです。業務自体がゼロイチ、人間関係もゼロイチ。すると、「答え」がない。そのなかでみんなをまとめなくちゃいけないという難しさがあります。さっき仰っていた「meは何しにHERPヘ?」という、自分が「こういう考えを持っている」というところを自己開示しながらコミュニケーションしていかないと、誤解を生みやすいかなと思いました。

田中:入社時に話していることを考えると「昔はこうだった」「あいつはそうだった」という歴史に関わる話をしていて、言語化や共有が難しい。スタートアップは未来の話をする。大企業は過去の積み上げを原体験とするのに対してスタートアップは未来を向いていますよね。

ここで、ひとつぶっこんだ質問したいのですが、いわゆる「裏オンボーディング」的なもの、「あの先輩にあの話はしちゃいけない」などの話は、特にオンラインになってからなくなったのか?ラフだけど大事な話はどうしていますか?

徳永:あんまりないですね(笑)。前職でもあんまりなかった気がしますね。企業のサイズが小さいからだと思います。オープンを前提でやっているので、そういう話も全部オープンです。プロフィールページで書かれると思いますね、個別メンバーのトリセツもパブリックに書いていたりします(笑)。

中川:僕も課題を感じたことはなかったです。カケハシもHERPさんに近くて、周知の事実・オープンになっているイメージが強いのと、あまりそういうことで物事が動かないカルチャーです。

高岡:これも企業カルチャーですね。

田中:こういうのがないというのは素敵です。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!