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魔法使い


魔法使いが強いなんて誰が言った。
劇場版→→→https://www.youtube.com/watch?v=T7HcVXxwvNo

縁側でスーツを着たバハマが一人で新聞を読んでる。そこへ浴衣を着こなすハルが駆け足でやってきた。

ハル   「ねぇ、聞いた?大魔導師ヒロシが脱獄したって!」
バハマ  「今読んでる、これはかなりやばいぞ世界中にミサイルが撃たれ
      たみたいなもんだ、最強の戦争屋の復活だ」

大魔導士ヒロシとは、各国で戦争が勃発した際に突如現れる戦争屋だ。
雇うのに1兆円は下らない、誰もが認める世界一の力を持つ。
一説によると、たった一人でアメリカと互角に戦えるそうだ。
その異常な強さにより、対大魔導士ヒロシ専用監獄に投獄されたのが
数年前の話だ。
当時、彼が捕まるなんてありえない!と世間を賑わせた。
その彼がついに、脱獄したのだ。

たいちゃん「ふぁ〜ぁあ、モーニン」
ハル   「たいちゃんきいて!大魔導師ヒロシが脱獄したって!」
たいちゃん「まじか!やるなぁ〜、父ちゃん」
ハルとバハマ「父ちゃん!?!?!?!!!!!!!!!!!!!!?」

              事件である。


              ~魔法使い~


驚きを隠せないバハマとハル。無理もない。生活を共にするたいちゃんが、世界最強の戦争屋、大魔導士ヒロシの息子であると知ってしまったなら。


ハル   「あんた!大魔導師ヒロシの息子なの?!」
たいちゃん「あ、やっぱこれ言ったらまずかったか!じゃあ今のなし!」
バハマ  「無理があるだろ!」

無理がある。

ハル   「しかしねぇ、海底の監獄からどうやって抜け出したんだろ」
たいちゃん「多分、割ったんだよ」
ハル   「、、、何を?」
たいちゃん「監獄ごと、海を割った」
バハマ  「はぁ!?」
たいちゃん「あいつはそのくらいやるよ?」
バハマ  「、、、悪魔だ」
ハル   「あんたさ、大魔導師の息子なら魔法使えるんじゃない?」
バハマ  「そうだよ!なんかできるのか?!」
たいちゃん「できるぜ!ふんぬぅう!!」

あの大魔導士の息子のたいちゃんが魔法を放つそぶりをみせた。
身構えるバハマとハル。


バハマ  「、、、あ、いい匂いしてきた」
ハル   「、、、フローラルの香りだわ」
たいちゃん「どーだ!すげぇだろ!」
ハル   「凄いけど、、、しょぼい」
バハマ  「あ!お前うんこするときいつも凄い踏ん張ってるけど
      あれって、、、」
たいちゃん「そう、いい匂いにしてた」


がっかりである。ひたすらにがっかりである。


ハル   「ねぇまってよ、たいちゃんの親父さんは、炎吹いたり雷落とし
      たりするんでしょ?」
バハマ  「そうだよ!もっと凄いの出来るだろ!?」


そう、たいちゃんはまだ一つの魔法しか見せていない。手始めに簡単な魔法を使っただけなのかもしれない。


たいちゃん「まぁまぁ、これだけじゃねぇよ、いくぜ?ふぅんん!」


たいちゃんが魔法を放った。


バハマ  「くさぁぁぁ!!」
ハル   「くさぁぁぁぁぁ!!!!!!」
たいちゃん「ふはははは!!!」

がっっっっっっっっかりである。


ハル   「フローラルにして!フローラルに!」
バハマ  「死ぬ!死ぬ!」
たいちゃん「ふんぬ!」

悪臭が消え、フローラルな香りがあたりを包む中、沈黙と殺意が流れた。


ハル   「、、、次やったら殺すわよ」
水本   「どうだ?すげぇだろ?」
バハマ  「匂い専門なの?」


ごもっともだ。


ハル   「雑魚ね」


ごもっともだ。


たいちゃん「まだあるって!次のは匂いじゃねぇぞ?今のところ俺が出来る
      最後だ」
バハマ  「期待していいんだな?」
たいちゃん「もちろんだ」
ハル   「楽しみ!」
水本 いくぜ、ビィータ!(vita)

バハマとハルは期待していた。匂い関連じゃないし、最後の魔法と来た上に
呪文を唱えたからだ。ビィータとはなんなのか、わからないがそれっぽい。
とてつもない凄いことが起こる。そんな期待に胸を膨らませていた。


たいちゃんの頭に一輪の花が咲いた。 


流れる沈黙。溢れ出す殺意。


ハル   「、、、言っていい?」
たいちゃん「なんだね?」
ハル   「へぼいわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バハマ  「ふざけてんのかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
たいちゃん「生命の誕生だろうが!!すげぇだろうがぁぁ!!!!!!!」
ハル   「炎吹いたり雷落としたり地面割ったりしろやぁぁぁ!!!!」
バハマ  「服透かしたり全裸の美女だしたり、全裸の美女だしたり
      しろやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


望むことは人それぞれだ。


たいちゃん「お前は煩悩の塊だな!」
ハル   「なによ!つまんない!もっと面白いのが見れると思った!」
たいちゃん「うるせぇよ!いいよ〜俺は落ちこぼれ魔法使いですぅ〜!」
ハル   「できるって!がんばって!炎吹いてよ!」
バハマ  「そうだよ!ハルの服透かしてみろよ!」


願いは人それぞれだ。


ハル   「雷は?ほら!空みて!集中してみて!」
バハマ  「ここにさ、全裸の美女がいるんだって!強く念じてみて!」


夢は人それぞれだ。


ハル   「そんな下ばっか見てないで!あ!地面割ろうとしてるのね!
      集中して!」     


そのとき、縁側を激臭がい襲った。


ハル   「ぎゃぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」
バハマ  「くせぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」
たいちゃん「あ!いや待って!今のは!今のはね?今のは!」

逃げるように縁側を後にするバハマとハル。


たいちゃん「、、、今のは透かしっぺだもん、、、」


           激臭の縁側である。

END
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