〈旅ログ〉東京散歩ー音編ー
煙編(前編)はこちらから
3日目はじまりはじまり
正直これは睡眠したのかよくわからない。漫画を読み、ウトウトし歯を磨いてシャワーを浴び漫画を読み、ウトウト…の繰り返しで時間という概念が麻痺していた。けど謎に意識は覚醒して動けそうだったので身なりを整え、旅費節約のために7時半頃にチェックアウトして新宿へ戻った。
当然早朝なのでほぼ店が開いてない。コンビニでコーヒーを買い、飲みながら本日の予定をざっと整理する。
・原宿のアートギャラリーで開催されてる福留茜さんの個展に行く
・渋谷のシーシャカフェに行く
・凛として時雨のライブに行く
最初の目的地は若者の街だ。と言いつつ私もまだ20代なので若者と名のれるけど、学生の身分を手放して社会の現実を知った後に訪れる若者の街の雰囲気はまた異なる。
高校、大学時に来たときは明るい音楽に溌剌とした店員さん、地元では滅多にお目にかかれないキラキラした存在感を纏う同世代っぽい人たちが歩く姿を見てうっとりしていたが、今や店員さんの笑顔の裏の苦悩や立地に対する家賃相場、ショッピングを楽しむ人の普段の姿を想像するようになってしまい身震いする。
休暇なのに変なとこで現実が顔を出しては台無しだ。気分転換に歩こうと、新宿駅から渋谷方面まで歩くことを決意。iPodもあるから大丈夫。
(田舎の引き籠もりが都会に出た途端長距離歩ける現象ありますよね)
@原宿
なんだかんだで原宿到着。疲れた。
まだ10時前なので当然竹下通りもやってない。でも暑い。座りたい!てな訳で目に入ったスタバへ飛び込み休憩。
そこでTwitter見たり前日の日記を書いたり本を読んでたら11時になったので移動。(初めてスタバの正しい使い方をした)
本日最初のイベントは好きな画家の1人福留茜さんの個展。
この人の個展はずっと行ってみたいなと思ってたので今回タイミングがあって本当に良かった。しかもこの日が最終日!
福留さんの作品と出逢ったのは大学の頃だった。インスタかTwitter経由で見かけて、それ以来ずっとフォローしている。福留さんの作品の特徴は、カラフルな色使いに鬱々とした「何か」が文字になって絵のあちこちに散乱してる。文字もアートの一部になっているのだ。
作品が更新されるたび、自分の求めてる物が隠れているような気がして毎回チェックが欠かせない。その作品の原画をこの目で見れるなんて!嬉しすぎる。
結論から言うと、行って本当によかった。画面越しで見るのと原画で見るのでは全然違う。
色、言葉、ベロクマ…絵の中にいるモチーフ達が私の目の前にいる。福留さんの熱量と魂が伝わる。
今回の旅の記念に画集とベロクマのアクキーを購入。その際に福留さんと写真撮影オッケーとのことで(全日程在廊してた!)、撮影を希望。何を興奮したか「一緒に🖕してください…!」ととんでもない事を口走る乙女。
そんなぶっ飛んだ要求にも関わらず「まぁいいでしょう」とレプリカのナイフ片手に承諾してくれた福留さんが神様に見えた。これは惚れますわ。
@渋谷
お次は電車に乗って渋谷移動。お次はインスタでフォローしてるシーシャカフェへ行く。
この日訪れたのは"Tolu"というお店。今年の5月にオープンしたばかりで、場所も渋谷駅から10分くらい&目の前に大きな無印ありで最高の立地。エレベーターから降りるとすぐお店の入口になっていた。
内装もホテルのロビーみたいに落ち着いた雰囲気で、時の流れがいつもより緩やかに感じる。
ビルの5階にあるから窓辺からの眺めも最高。夜に行ったらまた違う景色なんだろうな。
ここで選んだフレーバーはバニラ×ボムシェル。ボムシェルって名前が可愛いくて頼んでみた。確定する前に匂いを嗅がせてもらったんだけど、何も混ざってない純粋な清涼感漂う香りで吸った時どんな感じだろうな〜って想像するのが楽しかった。
シーシャ屋は夜〜深夜しか行った事ないので、自然光を浴びながらシーシャを吸うのは初めてだ。夜昼逆転状態うーん面白い。ボムシェルも主張しすぎてない爽やかな味わいで、うっすら汗ばむ気候に丁度良い。
本を読んで寛いでいると、炭交換に来た店員さんが「少しですが、そこに本あるんですよ」と後方を指差した。振り返ってみると、壁に簡易の本棚があった。導入されて間もないのか10冊もなかったが、書店以外の店にある本棚を覗くのはワクワクする。自分では目に留めない本との出会いがあるかもしれないから。
割合的に小説が多かったが、その中に「道は開ける」「ハイパワー・マーケティング」とビジネス書が混じってるのを見て渋谷もビジネス街なんだなと思い出す。若者の街という代名詞で長年通っているが、その代名詞が継続するためのビジネスが存在する。
Twitterを見たら雲行きが怪しくなりそうなので、雨が降る前に移動することにした。
@Zepp Haneda
今回の旅のメインイベントを始めよう。山手線に乗り品川駅で羽田空港直通列車に乗り換える。目指すは天空橋駅にあるZepphaneda。Zeppと言えばライブ、
凛として時雨のツアー“DEAD IS ALIVE”に参戦すべく上京したのだ!
白状すると私は凛として時雨(以降“時雨”)の熱狂的なファンではない。楽曲も東京喰種の“unravel”とサイコパスの”anormalize”しかちゃんと聴いたことがない。
では何故ライブに応募することとなったのか?きっかけは去年の12月に遡る
・なんとなく「彼ピ」の「ピ」の意味を知りたくなり調べる。
・フォロワーさんから「凛として時雨の『ピ』の存在」を知らされる
・翌日、エゴサの鬼であるご本人様からフォローされる
・フォロバ&バンド公式もフォロー→ツアーの申し込み受付期間と知る→きっとフォローしてもらったのは何かのご縁だから、応募してみよう
〜Now Loadinng(約1ヶ月)〜
・年を跨いで1月某日。いつもよりスマホの振動が多い?何かのセール期間?(ライブ応募したの忘れてる)
定時ダッシュを決め帰り道、通知内容を確認する。最初に目に入ったのは【引き落としのお知らせ】続いて【ローチケ 凛として時雨抽選結果のお知らせ】
カードが盛大にネタバラシしていますが…
いやいや、定期の引き落としかもしれない。電車に乗りローチケからのメールを開封。
と、回想をしているうちに私は会場内へ移動して2階からライブの開始を待ちわびています。この間の経緯をざっと説明しますと
物販列に並びグッズ購入→おしゃれ魔女の如くツアーシャツとラババンに衣装チェンジ→開場&ワンドリンク制だったのでなっちゃんオレンジを受け取る。(アルコール入れてライブに挑む勇気はなかった)
2階席は初めてだけど、会場全体とステージがはっきり見えるから悪くない?どうせなら1階で音を浴びたかったな…(フラグ)
〜ライブ開始〜
「ゲリラ豪雨の方がまだ優しい!!!!」
音を浴びるどころか音の暴力を浴びていた。2階席でも容赦なく音と声と熱がムラなく飛んでくる。
え、え、時雨の曲調激しいの多いから覚悟してたけどここまで容赦ないってある?アッパーくらってるよ。耳が水中に入った時のようなもわーんって感覚になってるし、セトリの緩急もジェットコースターだし。これで声出しとか動きの規制無かったらものすごい絵図が広がったんだろうなと思うとマシなのか?
MCタイムでは三者三様のギャップに驚きの連続。345さんグッズ紹介の口調可愛すぎた…本当にあんなに激しく歌ってた人なのか?TKさんはあまり話されない方なのかな。でも最初の「凛として時雨です」って名乗った時の低音と345さんのグッズ紹介でうんうん頷いてた時の仕草にキュンです。
そして今回私を導いてくれたピ様ですが、予想通りめっちゃ話す。「僕の推してるリトルツインスターズa.k.a.キキララが7位でした!おめでとうございます!(サンリオ総選挙)」「ここをピューロランドと思って盛り上がっていきましょう!!」ってサンリオ愛について語られた謎の時間でした。(だから女性ファンの方のサンリオグッズ所有率高かったのね)
からの演奏する姿のギャップがたまらなくカッコいい!惚れますわぁ。
そんなこんなでライブもあっという間に終了。アンコールなしでサッと舞台を去るのクールだった。
外の空気を吸っても耳の調子は戻らず。更に深いとこまで潜ってしまったようだ。会場前のベンチに腰掛けて30分くらいクールダウン。
それにしても、全力で音と向き合っている人の空間だったな。
これまで何度か好きなアーティストのライブに行ったことがあるが、今まで見てきた演奏と彼らの音の平均から違った。大音声で場を支配して暴走しているのだが会場の誰1人置きざりにしてない。私にも、隣の人も前の人もそれぞれに音が届いてる。それだけ熱を注いでいるからファンも増えるし、イヤホンのクオリティもえげつないんだ。
思わずクラファンに賛同しちゃったよ。心から応援したくなるってこういうことなんだって、教えてくれたピ様は何者なんだ。
余韻
またしても新宿のネカフェである。隣の個室の人が某お嬢様の配信見てるらしく「〜ですわ!」って声がうっすら聞こえる。私も負けじと時雨のMVを流すも優しいので3曲だけにした。お供漫画は宝石の国。
しかし漫画は読まずこの3日間の余韻にずぶずぶ浸っていた。もうすぐ旅行が終わる。寂しいな。寂しいのは楽しかったからなんだ。良かった。
ここ数年てんやわんやで羽を伸ばす機会なんてなかった。大学4年になってから活動制限がされる中の就活、卒業、引っ越し、社会人1年目なんのそので、1人でちゃんと予定を練って旅する機会なんて無かった。
3日間全部自分の行きたいところに行くのも初めてだし、道中にお酒飲むのもタバコ吸うのも非日常感が漂って良い。会場にいる人達もこうやって日常の疲れを発散して翌日には通行人Aに戻るのだ。
外に出るきっかけは全部音楽だった。学生時代は米津玄師と女王蜂、社会人は凛として時雨…この先は誰に手を引かれるのだろう。そんなことを考えながら仄かに甘い匂いを染み込ませたブルーハムハムに顔を埋めた。
おまけ
現在行われているピヤホン3のクラウドファンディング、1億円に到達するとボーカルのTKさんがアイスランド行くみたいですよ。実現したらめちゃくちゃ面白くないですか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?